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桜前線此処にあり  作者: 祀木 楓
第15章 蛤御門の変
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終結


 私は桂サンと別れると、屯所まで必死に走った。


 京の街は戦による火災から、焼け出されてしまった人々で混乱していた。




 屯所の門をくぐると、島田サンが私に駆け寄って来る。


「ご無事で……何よりです」


「島田サン、本当にありがとうございました。看とる事は出来ませんでしたが……自刃前に一目会うことが出来ました。私の我儘を叶えて下さって……何とお礼を言ったら良いか」


 私は、島田サンに深々と頭を下げた。


「頭を上げて下さい! それと、此処では何ですから……中に入りましょうか」


 島田サンに促され、私達は広間に行く。


 私は、女中が出してくれたお茶を一口飲むと、口を開いた。


「土方サンは……新選組の皆さんは、ご無事でしょうか?」


「心配には及びませんよ。他の監察方から戦況を逐一伺っていますが、長州勢は壊滅状態だそうで……残るは天王山に居る、筑前の真木和泉の隊のみだそうです。戦も時期、終わるでしょう」


 島田サンは笑顔で言った。


 その笑顔に、私は複雑な心境だった。


「そう……ですか」







 7月20日から21日にかけて、新選組と会津の軍勢は真木和泉らを討つべく天王山へと進む。



 真木らは天王山にて自刃し、禁門の変はついに終結となった。



 7月23日



 長州は、御所への砲撃の咎により御所への一切の出入りを禁止される。



 更に、藩主である毛利敬親への追討令が発せられ、長州藩はいよいよ「朝敵」となった。




 以降




 長州掃討の主力を担った会津藩や桑名藩らが、京の政局を主導していく。




 新選組は、池田屋事件の時の様な大きな活躍こそ無かったが、孝明天皇の御所を警護するという大役を果たし、京の街において更なる存在感を示したのであった。
















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