表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんで僕が!?  作者: へたれ度100%
76/79

仲直

※今回も中島視点の物語です


 タイトル=字余「り」

私には今、守りたい組織が2つある。

1つは「生徒会」。

もう1つは「クラスの反生徒会同盟」。


私は覚悟を決め、彼らに接触する。

それは日も落ち始め、夕焼けの光が廊下に差し込んだ時のことだった。



「はぁ、はぁ、はぁ・・・」



緊張とか、バレてしまった時の怖さ、とか・・・

そういうのは今でも持ち合わせている。

絶えず不安な気持ちが抜けることはない。


しかし覚悟を決めてからは早かった。

自分自身で決断したこともあって、できる限り早く動こうとしていた。


今の不安な気持ちよりも、生徒会そのものを失う恐怖のが私のなかではきっと大きかったのだろう。



走っているなかで足と足が絡み、何度か転びそうになる。

誰もいないはずの廊下。

1人、「ドンドン」とリズム感のない大きな足音を何度か響かせる。

一歩一歩走っていくうちに、呼吸も荒くなり、それと同時に緊張や不安もどんどん増していく。


(次を曲がればうちの教室だ・・・!)


最後の端を曲がって、新しい廊下に出た時、1人の男性生徒がたっていた。



「・・・警備部・・・?」



いや、警備部は1人など動かない。

常に集団で動いているはず。



「・・・監視部か。」



1年B組。

私の通うクラスの廊下の前に見慣れない男性が1人。


えりの紋章があることから彼も生徒会なのだろう。

だけど私があの教室に入るためには少なくても彼をどかさないといけない。



「・・・」



困った、どうしよう。


相手は生徒会だ。

静かにどいてもらうにも、自分には「自分が生徒会の人間だ」と言えるようなものは全部おいてきてしまっている。

相手は当然、私が生徒会だと認識してくれないとどいてくれないだろう。


だけど下手なことをして大事になってしまえば、B組の反生徒会グループの皆にも疑われてしまう。



「・・・」



どうしようにも名案がでてこない。


・・・こんなところで立ち止まっている暇なんてないのに!!

今は一秒でも惜しい。

少しでも早く動けば、この2つの組織はぶつからずに済む確率がその分だけ増すのだから。



「・・・よぅ。」


「ッ!?」



そんな時、後ろからいきなり肩を触れて、体全体に衝撃が走った。

私は慌てて後ろを向く。



「・・・あなたは・・・」


そこに立っていたのは・・・

私が初めて告白をした男性だった。


「・・・なんでお前がこんなところにいるんだ?」



・・・これは前にもあったきがする。

図書室の前で賤ヶ岳さんに無理やり生徒会へ入るように言われた時のことだった。



・・・正直なんて返していいかわからなかった。

彼は前に鷹村くんに会った時、私たちのことを「菊の紋章がない」ということから「偽物」といっていた。

今やそれが原因で「諜報部」を作るに至ったが、それは幹部たちしか知らず、一般の生徒会生徒には知られていない。

・・・というより、情報漏れを防ぐために知られてはならないことだった。



「・・・なんてのはもうなしだ。」


「・・・え?」



予想外の言葉に顔をあげて彼の顔を見ると、彼はため息をついた。



「お前、生徒会に入ったんだってな。」


「な・なんでそれを!?」


「前にPC室にきただろう?」



あぁ、なぜ彼らが「諜報部」の存在について知っているかを訪ねに行った時の話か。



「あんとき、なんで一般生徒のお前がきたんだろうなって不思議に思ってな。・・・まさか同じ生徒会だとは思わなかったよ。」


「・・・私が生徒会で何の仕事をしてるか知ってるんですか?」


「あぁ、知ってるよ。」


「・・・そう・・・ですか。」



・・・彼に知られたことはいいことなのか、それともまずいことなのか。

とにもかくにも、できれば下にはバレたくない、という上の要望が崩れてしまった。



「・・・なんかまずいことでもあったか?」


「い・いえ・・・そういうわけじゃ。」


「相変わらず嘘が下手だな。」


余計なお世話ですよ!!


「大丈夫、あんま大きな声でお前の部の件はしゃべらないようにしてるから。」


「・・・それは助かります。」



私は彼に軽く会釈をする。

なんとも他人行儀である。


もしかしたら彼との距離は私から少しずつ広げてしまっているのかもしれない。

昔は「ありがとう」、たったそれだけでよかったのに。


私のその、なんとなく他人行儀な様子をみて、彼も少しだけか寂しそうな表情をした気がした。




「ところで・・・今からその仕事なのか?」


「・・・」


「・・・言えないか。ま、極秘だからしょうがないか。・・・じゃぁ、答えなくていいから1つだけ言わせて欲しい。」


「なんです?」


「もし今、お前があのB組の組織に足を踏み入れる予定ならやめとけよ。」


「・・・え?」



彼の言葉に戸惑う。


・・・もしかしたら彼はB組の組織のことを何か知っているのかもしれない。

だけどここで聞き返したら、仕事のことを言ってしまうようなものだ。


いくら信用できる人物とはいえ、「極秘」と上から言われていることがすでに発覚しているのだ。

これ以上の情報漏れは当然ながら防がなければならない。



「お前さ、今、追い詰められてるだろ?」


「な・なにをそんな・・・」


「追い詰められてるよ。・・・顔みりゃわかる。不安で一杯の顔してる。“自分がやらなきゃ!”って責任に押しつぶされそうな顔もしてる。」


「・・・」



・・・なんでわかるの?


彼は少しだけ顔を近づけてきて、こちらを覗き込むようにしながらいった。



「怖いか?」



その一言だけで十分だった。

その一言だけで今の私の心境をまとめきれてしまっている。


なんて答えればいいだろう・・・。

彼が言ったことは自分でもわかる、あたっているのだ。

不安で一杯の自分がいる。

「自分がやらなきゃ」って思ってる。


いくら自分で決断したとしても、やっぱり怖い・・・。

できればこのまま素直にいってしまいたい。


だけどそれじゃダメなのだ。

私以上の適材の人物はいない。


・・・私がやらなきゃ・・・ダメなんだ・・・!



「い・いいえ、そんなことはありません。」


「・・・そんな顔で言われてもな・・・。」


「・・・」


「そんな状況でやるんだったらやめときな。無理してやっても苦しいだけだ。」


「・・・でも自分から動かなきゃなんにもかわらないじゃないですか。」


「!!」



私の珍しい反論・・・

少なくても中学ではそんな意見など持ち合わせていなかった私の言葉に彼は少々驚いたようだった。



「私は自分の意志で決めたんです。・・・たしかに不安はありますが、何かを始める時に不安なんてつきものです。」


「・・・かわったな・・・中島。」



・・・生徒会になってから一番かわった彼から「かわった」と言われるぐらいだ・・・

相当変わったように見えるのかもしれない。



「・・・それだけの心構えがあんなら大丈夫そうだな。」


意外とあっさりだった・・・。

そんなに彼からしたら、私が変わったようにみえるのだろうか・・・。


「実は飛沫さんから聞いて、ちょっと心配になってな。・・・昔のお前なら絶対こういうの無理だろ?だから西本たちにも協力してもらって精一杯情報を集めたんだ。」



・・・それで発覚させる諜報部も諜報部である・・・。

諜報部の存在から、これから私がしようとしている仕事の内容までバレているとは・・・。



「・・・ただやっぱりもしもの時のために武器は持っといたほうがいいかもな。・・・てなことで一応もってきといたんだ。」



そういって彼が出したのは「拳銃」だった。

・・・まぁ、拳銃といってもガス銃だろうが。

PC室で西本くんたちが飛沫くんの命令で作っていたものだ。



「いらないです。」



でもこれは人を傷つける武器だ・・・。

私には・・・たとえどんな時になっても人を傷つけるようなことはできない。


私は人を傷つける為に絆同盟に行くのではない。

生徒と生徒が手を取り合えるような関係を新しく作るために行くのだ。



「これは人を傷つける武器です。危ないですし、こんなの、私には使えませんし、使いたくもありません。」


「だがいざという時の為には必要だと思うんだけどな。」


「・・・お気持ちは嬉しいですが、遠慮します。」



・・・そういうと彼は再び何かをひらめいたようで、自分のバックを探り始めた。

それから少ししてから1つのスプレー缶をだして、私のほうへ差し出した。



「・・・これは?」


「睡眠スプレーだ。」


「・・・」



催眠スプレー・・・

まぁ、よくスパイ映画とか特撮とかで出てきたりする奴だ。


だけど護身用のものは人を眠らせるほどのものではなく・・・

どちらかというと、目にしみるような、そんな気体を出すと聞いたことがあった気が・・・



「こいつは優れもんだぜ?飛沫さんがガス銃を作る前に計画した、警備部の護身用主力武器になるはずだったもんだ。まぁ、今はガス銃のが主流になっちまったから作ったのはせいぜい十二~三本なんだけどな。」


「つくったってどうやってつくったんですか!?」


「知らね。なんでも飛沫さんが作ったらしいんだけど、知り合いにそういうのに強い科学者がいるんだってさ。とりあえず効果は絶大だったから保証はするぜ?」



怪しい・・・

怪しすぎる・・・!!


・・・どうしよう。

でもこれなら相手を傷つけないで済む。

それに紀龍くんもここまで気を使ってくれているんだ、あまり無碍に断るのは申し訳ない。



「・・・わかりました、ありがとうございます。」



そういって私はスプレー缶を予備もあわせて数本もらった。



「・・・なぁ、俺ってかわったか?」


「・・・はい?」



スプレーをカバンから続々出して、私に渡していく彼が作業中にいきなりこんなことを言い出した。


・・・かわったもなにも・・・

かわりすぎかと。



「最近みんな、“かわった”っていうんだ。・・・そんなにかわったか?あんまり実感がないんだがな。」


「私の見る限り、変わったと思いますよ?」


「・・・そうか。お前がいうぐらいだもんな、かわったのか。」



・・・なんだろう、微妙にショックなんですが・・・。


おそらく相手もさっきいっていたように私を変わった、と見ているのだろう。

・・・他人の変化は一層わかりやすい、とはよくいったものだ。



「変わるっていうのも良い面とダメな面があるからな。・・・俺は前よりも良い方向へかわれてんのかな・・・」



その言葉はなんだか今の私には非常に深く心に残った。

外の遠い雲を眺めながら、わずかばかりに哀愁を思わせるような感じがあった。



きっと彼も私と同じように、何かがあって変わろうとしたんだろう・・・

そして自分で右へ左へ、縦横無尽に駆け回って、いろいろ工夫して・・・

毎日前だけを見ているつもりで進んできて、今の彼の姿があるのだ。


だけれど自分をかえる、なんていうのは真っ暗な暗闇を走り回ることに等しい。

どっちが正しくて、どっちが昨日よりも良い道なのか。

そんなの、自分からすれば見えもしないのだ。



「きっと良い方面へ進めていますよ。」


「・・・え?」


「そう信じてればそう物事は進むものです。」


「・・・ハハッ、まさかお前にそんな言葉をかけてもらえる時がくるとはな・・・」


「なんですか?かけちゃまずいんですか?」


「いや、前と立場が逆転しちまったなぁ、と思っただけだよ。」



彼は苦笑した。


彼の苦笑を見て、あることに気づいた。

「かわった」と思っていた彼から感じる妙な違和感。


それの主な原因。

それは彼は昔よりも笑わなくなったことだ。



「・・・」



昔はもっと活発で、いつも笑顔だった。

だけど最近はずっと真顔で、何かを考え込んでいるような様子をいている。

時々学校で彼を見かけたが、いずれも笑っている時ではなかった。


もしかしたら彼も何か追い詰められるようなことがあったのかもしれない。



「やっぱ拳銃こいつはお前に預けとくわ。」



そういって彼はスプレー缶をカバンから出す作業を一時的にとめて、私に拳銃を差し出した。



「え!?」


「お前の言うように変わるってのは良い方面だけじゃねぇ。・・・俺はあんま良い方向にかわれてないのかもしれない。」


「・・・」


「これからもしB組の同盟と生徒会が戦うことになったら、お前とも戦うかもしれねぇ。そうなった時、俺はホントにダメな方向へかわっちまってるかもしれねぇからな。」



それから彼は少々照れくさそういった。



「・・・なんだろうな、抑えが効かねぇんだよ。・・・後から「なんであんなこといってんだろう」とかすげぇ後悔するんだけど、でもその場じゃ気付けずに、悪い方向へどんどん物事をもっていっちまう。」


「・・・」


「だから俺があまりに調子こいてる時は、俺が後から後悔しないように、俺を救うという意味をこめて、そいつを遠慮せずにぶち込んでくれ。」



ちょっとなにいってんの、この人?

頭大丈夫??



「・・・」



・・・断ろうとしたけど、断れなかった。

彼の目は真剣そのものだった。



「・・・あの・・・」


「頼む。」


「・・・私にそんなこと任せちゃっていいんですか?こういうの、やったことないから下手くそですよ?」


「かえって気の長いタイプのお前に撃たれるぐらいだ、そんときは相当ヤバいことをしたんだなって反省するだろうよ。下手くそだろうがなんだろうが・・・な。」



そういって私は彼から拳銃を預かった。


彼はきっと自分が「よい方向」へ進んでいないことを自分でもわかっているんだ。

・・・だけど、それでも「その場」では機転がきかず、後から後悔してしまう、ということが何度かあったのだろう。



「・・・あとはやっぱりさ・・・」


「・・・え?」



彼から拳銃を受け取り、バックにしまいこんでいる時に彼は一言小さな声で何かをいった。

私がそれに反応して振り向くと、ちょうど夕焼けで赤くなった太陽の光が雲の割れ間からでてきて、廊下を真っ赤にそめた。

振り向いた瞬間に強い光が目を刺激して、私はとっさに元のほうへ向いてしまった


一瞬しか見えなかった彼の表情。

その時の彼は照れくさそうに笑っていた。

昔のような無垢な笑顔で。


過去の彼が一瞬帰ってきたのか・・・


そんなことを思わせるような光景だった。



「とはいえ、ありがとな。お前が“良い方向へ進めてる”っていってくれたおかげで少し気持ちが楽になったよ。」


「・・・いえ。」


「・・・」


「・・・」



・・・それから2人は無言になった。

・・・いや、こういう場合は私から何かを切り出した方がいいのだろうか。


でもあんまり人に話しかけたこととかもないし・・・

え・・・と、何を言えばいいのかな・・・。



「・・・あの・・・」


「な~んてな!なにしんみりしてんだよ!!」


「いや、別にしんみりしてたわけじゃ・・・。」



というか、全体的にしんみりしてたの、紀龍くんだけだし!!


・・・まぁ、とはいえ彼からの感謝の言葉はこっちとしても素直に嬉しかった。



「いや~、俺としたことが中学校の時のことを思い出してたら妙にしんみりしちまったよ。」



・・・彼も私と同じことを思っていたのか・・・


それもそうか。

ホントに久しぶりだもんね・・・こんな風に2人きりで話し込むのは。



「そういやお前、昔から悪知恵が働いたけど今でも働くのか?」


「悪知恵なんて失礼ですね。私はいつも健全純粋ですよ?」


「・・・今わかったことは人の意見は信用できない、ということだな。」


「ちょっ、それどういう意味ですか!?」


「お前、中学の時のサッカーのことを忘れたとは言わせないぞ!?」


「あ・あれはわざとじゃないっていってるじゃないですか!」


「いや、でもあんときのお前、大爆笑してたじゃねぇか。いや、他にもある、他にもあるぞ!!」


「うぅっ・・・。というか、なんでそんなに鮮明に覚えてるんですか!?」


「そりゃお前との思い出だからな。」


「・・・え?」



いきなりの彼の言葉にドキっとする。

ホント、いきなりこういう地雷を仕掛けてくるのはやめてほしい。

どうせそれで期待させておいて、「なに勘違いしてんのこいつ、バカじゃね?」という流れに持ち込むのが彼の常なのだから。



「なぁに、お前のあの無邪気で憎たらしい笑顔が忘れられなかったってことだよ。ま、当然といえば当然かな・・・」



憎たらしいって・・・

ひどくないですか?


なに・・・

私の笑い方が特徴的だったから、とか・・・かな?


そ・そんなに私の笑い方って変ですか!?!?



「こっちはお前が告ってきた後もずっとずっとお前だけを見てたんだからよ・・・。」


「・・・え?それって・・・」


「おっと!!そろそろ俺も時間だ!!あんまサボってると西本に注意されちまう。」



すると彼はスプレー缶の最後を渡し終え、カバンのチャックをしめて立ち上がった。

それから背だけをこちらに向けて窓の方向をみている。


な・なんだろう・・・。

彼に何を言われてもドキドキなんてしなかったのに・・・。

今、昔っぽい雰囲気になって急に・・・。


やっぱりなんだかんだ「かわった」とはいっても、根は中学の時の彼だ。

・・・そこに違いはなかった、ということがわかっただけでもすごく私自身としても嬉しいことだった。



「まぁ、なんだろうな。不安はあるにしてもそんなに深く考え込むなよ。お前は今みたいに悪知恵の働くほうがお前らしくていいんだからよ。」


「・・・それ、褒めてるんですか?」


「さて、どうだろうな。」



彼は昔のようにニヤニヤしながらいった。

・・・そのニヤニヤがたまらなく憎たらしい。

・・・だけどどこかに安堵の気持ちがでてくる。



「もし悩んだら相談しろよ。」


「・・・はい?」


「お前はもう1人じゃねぇんだ。俺もいるし、生徒会だっている。無理や無茶はすんなよ。」


「・・・」


「お前は青凌中学校出身の悪知恵女、中島華癒輝だろ!わかったらいつもみたいにシャキッとする、シャキッと!!」



・・・彼の言葉を不安を打ち消してくれるようで、すごく安心した。


だが唯一気に入らないのは「悪知恵女」という一点だ。



「んじゃぁ、俺も本格的に時間がヤバくなってきたから行くな。・・・少しだったが話せて楽しかったよ。」



そういって彼はセッセといってしまった。


・・・まったく・・・

自分から話しかけておいて、自分から勝手にいってしまう。

なんとマイペースなことか。


・・・でもそれは中学校からである。

むしろあのマイペースに私は中学校の時救われて、そして好意を感じたのだ・・・。



「・・・さて、行きますか。」


私も昔の勢いで少ししゃべりすぎてしまったようだ。

なんのために急いでここまできたのやら・・・。


私は彼からもらった拳銃をバックの一番後ろ、そしてその上に教科書、でもって一番上にスプレー缶をいれて、B組のクラスのほうへ歩き出す。



「・・・なんだお前?」



目の前には再び監視部の男性が1人。



(・・・悪知恵女・・・かぁ・・・)



そんな言われ様、される覚えもないし、あんまり好ましくないんだけどなぁ・・・。

だけれど、それが一番私らしいというのなら仕方がない。



「い~こと思いついちゃいました☆」


「・・・は?」



いきなりの私の不敵な笑み。

きっと目の前の彼は「なに、この女」とか思ってるんでしょうね・・・。


わかります、その気持ち。

初めて見た人がいきなり微笑みをうかべていたら、ちょっと気持ち悪いですもんね。

痛いほどよくわかります。


でも・・・ちょっとそこ、どいてもらえないと困るんですよね~?

ま、どうせどいてくれないでしょうけど。

彼も仕事ですからね、可哀想に。



じゃぁ、行きますよ~!!


私は深呼吸をして、深~く息をはいてから大声をあげた。



「きゃぁ~!?変態!!なんで胸を触ってくるんですか!?」



・・・その言葉は思っていた以上に、ほとんど人のいない廊下に響いた。


目の前の男性は顔を真っ赤にする。

いや、まぁ、私もそれなりに恥ずかしいですが、それ以上に前の男子は恥ずかしそうですからねぇ。

それを見ていれば私の羞恥心は多少収まりますし、その慌てふためく彼の様子を見てなごみますねぇ。

・・・なんか見ていて面白いです。


・・・きっとこういう開き直りが紀龍くんへ私の変な印象を強めてしまったんですよね・・・。



「ちょっ、おまっ!!なに言ってんの!?!?」


「やめてください!!」


「うっ・・・」




やってもいない言いがかりをつけられた彼は、先ほどよりもなおのこと顔を赤くして、「誰かがこないうちに・・・」といった様子で颯爽を走って行ってしまった。



「ふふふ・・・」



まずまずの結果ですね・・・。

・・・これ、どこの悪役でしょう?



すると「ガタンッ」といきなり教室のドアが開く。



「どうも。」



ドアが開いた彼らが私を目にした時、私の放った、まるで何もなかったかのような平凡な言葉に彼らは目を丸くしていた。



「・・・今のって、中島ちゃん?」


「えぇ、そうですよ?」




私がこう答えると、彼らは「こんなところで何をしているのだろうか・・・」といった顔をした。

当然だ、フツーの生徒はとっくに下校しているか、部活に励んでいるか。

とにかく校舎内にいるのは「生徒会」と彼らぐらいのはずだったのだから。



「いやぁ・・・廊下に生徒会の人があなた方を見張っていましたから・・・多分、監視部ですね。」



とりあえず私も生徒会の一員である、と悟られないような答え方をした。



「監視部!?」



彼らはその言葉をきいて目を細めた。

おそらく彼ら自身、ある程度想定はしていたのだろう。



「で?その監視部は?」


「叫んだら、あわてて逃げていきました。」


「で?大丈夫だったのか?その・・・痴漢?っていうのか?」


「え?されてませんよ。」



その答えに目の前の男子たちは顔を真っ青にした。


ふっふっふ。

面白いですねぇ・・・。

彼らの反応はちょっとちがっていますが、これはこれで・・・うん、むふふ。



「・・・で・・・ですね・・・」



ようやく本題へと入る。

しかしやはり、こうして肝心な話の前になるとどうしても口ごもってしまう。


そもそもまだ信頼させるかわからないうえに・・・

桶狭間くんと関ヶ原くんは苦手なタイプだった。

彼らを見ているとどうしても中学のことを思い出してしまう。



それでも私は進まなくてはならなかった。

・・・私にとって最大限の勇気を振り絞って口を開いた。



「私も仲間にいれてもらえませんか?」


「・・・え?」



その言葉をきいて、教室のなかから卯月さん、長篠くん、五月雨くんがでてきた。



そもそも今の彼らのメンツは6人。

十六夜くん、卯月さん、長篠くん、桶狭間くん、関ヶ原くん、五月雨くん。


しかし少なくてもこの中で、長篠くん、関ヶ原くん、五月雨くんは話したことがなかった。

6人中3人とは話したことがない。


そんな状況で「仲間にしてくれ」なんて、しかもこの時期に・・・

なんて我ながらどうみても怪しすぎる上に、致命的すぎた。

もう少し教室で仲良くしてから話しかけるべきだったか。


今更ながらにいたるところで見つかる不安なところに心を悩ます。



残り3人とも今ですらあまり関わりがなかった。

関係の少ない私がいきなりこんなことを言い出して、彼も驚いているようだった。

・・・正直私自身も驚いている。

私自身が驚いているのだ、それで一体誰が驚かないのか逆にきいてみたい。



「・・・卯月さん、今回こそは味方になります。」



今まで私は常に争いを避けるために、相手の意見に、たとえ自分が納得していなくても賛成をして動いてきた。

その為に嘘も一杯ついてきた。

私の人生では嘘のほうが多いのかもしれない。


だけれど、そんな私の言った言葉でも、この言葉だけは偽りはなかった。

今度こそ・・・彼女の味方になりたい・・・!!

前回にできなかったからこそ。



「・・・でも・・・」



しかし彼女は少し困っているような様子だった。



「生徒会に俺たちは逆らうんだぜ?下手すれば退学だぞ?」

「そうだっぺ・・・巻き込むわけにはいかないっぺ・・・」



桶狭間くんと関ヶ原くんは反対する。

・・・苦手なタイプ、というのはもうホントにどうしようもないことで、どうしても彼らがいうと強く聞こえてしまう。


それでも私は言い返さないといけない。

・・・この瞬間が本当に怖い。


反論されたらどうしよう?

極度のあがり症なこともあってか、不安なことはいくらでもでてくる。



「いいんです・・・前に卯月さんに救われましたから。今度は私が・・・救うまではいけないかもしれませんが、せめて仲間になっておきたいんです。」



「・・・どうする?」



彼らは皆真剣に考えていた。

その様子は「生徒会」と非常に似ていた。


しかしその考えている内容は私が思っていたものとはかけ離れていた。

私は彼らに「生徒会側の生徒かもしれない」と疑われるのではないかと思っていたが、彼らは「迷惑がかかってしまうのではないか」と考えていた。

これは常に周りを疑い、周りに怯え、そして周りの顔色ばかりをうかがって動いてきた私にとって驚きでもあり、疑問でもあった。



"なぜ彼らは疑わないのだろうか”



疑って当然だと思ってた。

疑われても当然だと思ってた。

少なくてもそれが今まで私が歩んできた道の常識だった。


けれどここではそんな私の中の「常識」は見事に通用しなかった。



「いいんじゃないの?表向きに出さなければ・・・」



やがて1つの結論がでた。

最初に結論を出したのは十六夜くんだった。



「そうだな。だが・・・絶対安全って保障はないぜ?」



次に長篠くんが頷いた。


彼は皆には「将軍」と呼ばれている。

その理由は彼が非常に頭がいいから・・・

それはもうクラス中の噂だった。



私も彼のことを「将軍」と呼んだほうがいいのだろうか。

でも最初からあだ名は少々失礼だろうか。


いろいろ試行錯誤した結果・・・



「わかってます・・・え~と・・・将軍さん。」



ちゃっかりとあだ名で呼んでいる私がいた。

幸い彼もそんなに悪い気はしていないらしかった。


・・・将軍さん・・・。

頭がいい彼だが、どうすればあんなに頭が良くなるのか、ちょっと秘訣を教えてもらいたいものである!!



「んじゃぁ、いつものメンツに新たに仲間が入ったわけだし・・・テンションあげていくかぁ~!!」

「おぅ!!」



・・・いつの間にやら私は彼らの組織に入れたらしい。

皆は頷きながら、ほとんど関係のなかった私を暖かい笑顔で迎えてくれた。


正直もっと疑われるかと思っていた。

1回や2回、断られることも想定していた。


予想外にあっさりである。

安堵の気持ちが胸の中でひろがる。


「・・・お・・・う?」

「違う違う、おう!!だ、おう!!」



桶狭間くんはテンション高めにいう。



「・・・おぅ!!」



私は初めて・・・なんというか、このような言葉を使った。


・・・自分らしくない。

つくづく思う。


・・・しかしながら悪いものではない。



「そうそう。・・・改めてようこそ、我が名もなき同盟へ。」



目の前には大きな手が差し伸べられた。

その手は私の手よりも大きくて、少々怖いものはあったがリーダーである桶狭間くんはその恐怖をたち除くかのように、にこやかに迎えてくれた。



「なにが"名もなき同盟"だよ!!かっこつけてんじゃねぇっぺ!!」



握手をしていると、後ろから思いっきり桶狭間くんが蹴られた。

・・・その瞬間にとてもいい音が響いた。



「いって!!いってぇぇぇぇぇ!!!」


「はいはい、ざまぁ。」



後ろで五月雨くんが煽っている。


なんというか・・・

こういう光景はこういう光景で新鮮なものだ。



「俺は五月雨 時雨だ。・・・まぁ、同じクラスだからそんな改めて挨拶する必要もないよな。」


「そうですね。」



と言っても彼がどういう人で、どういうものが好きなのかとかまったくわからないんですが。



「何か好きなモノとかあるんですか?」


「ん~・・・自重しなくてもいい?」


「・・・はい?・・・え、あ、まぁ・・・」


「なら東方が好きかな。」


「あ~・・・。私は意外と「遠野幻想物語」と「砕月」が好きです。」


「なに!?わかるのか!!おぉ、同志だ同志!!俺はついに同志をえたぞ!!!」


「は・はぁ・・・」


「俺はもう1人じゃないんだ!!!あ、気づけば体が軽いぞ!!!」



それ・・・フラグなんじゃぁ・・・。


この人、なんだろう・・・

そんなに語り合える人が欲しかったのだろうか。

すごく嬉しそうだ。


そういえば十六夜くんはアニメのほうが好きだから、あわないのか・・・。



「・・・咲良・・・お前、何気に中学でもいいことしてたんじゃねぇか・・・」



十六夜くんがボソッと咲良ちゃんにそのようなことをいっている。


・・・よかった。

仲直りできたんだ・・・。


ちょっとした安堵の気持ちが心を駆け巡る。



「当たり前だ。」


「・・・ってことは中学の頃から優しかったってことだな。」


「な!?な・なにを・・・」



・・・なんだろう・・・。

こっちはこっちで見てられない、というか・・・


いや、これは素晴らしきバカップルな気がします。

・・・まぁ、十六夜くんは否定するんでしょうが。


せっかくアツアツなところ悪いんですが、私もお邪魔させてもらいましょう。



「えぇ、そうですよ。卯月さんは中学のときからとても優しい人でした。」


「おわっ!?」



案の定相手は驚いていたが・・・

いや、こういった反応をみるのもまた面白いきがする。



「サンキュー、中島。」



え?アツアツなところをお邪魔してしまったのに、なんで咲良ちゃんに私、感謝されてるの?



「あいつな、イヤーな奴なんだよ、これが。わざわざ人にちょっかいを出してくる陰湿な奴でさ・・・」


「おい、全部きこえてるぞ。」



十六夜くんは呆れ顔でこちらをみている。



「そもそも星矢という名前は、私という名の美しい星を、お前という名の矢がしっかり捕まえる、という意味だろ!?つまり私たちは結ばれる運命にあるというのにもかかわらず、なぜかこいつは私に惚れないんだよな・・・」


「そんな理論初めてきいたんですけど。少なくても親にそんな意味の名前はつけてもらった覚えはないんだが。」


「いや、私のいうことに間違いはない!!絶対そうだろ!!」


「どこからでてくるんだ、その自信は・・・。てか怖いんですけど、その理論。」


「でもそれだと咲良ちゃんの名前の意味が・・・。」


「え?そんなの2人の関係が良い方向へ咲く、でオーケーよ。」


「なぜそんなにポジティブに考えられるのんだ!?!?」


「あのなぁ、世の中はポジティブに見ていかないとやってけないんだよ。わかるか、根暗くん。」


「誰が根暗だ!!」



・・・まぁ、たしかに咲良ちゃんのいうことは正しいのかもしれない、

ネガティブなことばかり考えていたら、物事はうまく進まない。


案外、今回みたいに不安でもやればうまくいく可能性は十分にあるのだ。



「え!?お前って根暗じゃなかったの!?自覚がないって怖いわ~。」


「始まったよ、この流れ。そもそもお前の理論だと「良咲」になっちまうじゃねぇか!!」


「ま、星矢といい関係になれるんだったらいいや、別に。」


「名前の必要性軽ッ!親がつけてくれた名前だろう、そんな簡単に放棄すんなよ!」


「始まったよ、この流れ。ま、たしかに星矢ごときのために私の名前を改名するのも気が引けるわね。」


「どっちだよ・・・」


「とりあえず星矢は滅べばいいと。」


「関係なくね!?」



・・・いや、始まったよこの流れって言いたいのは私なんですが。

・・・正直付き合いきれませんね・・・

もう付き合っちゃえばいいのに、この2人。



「・・・で?まずどうする?」


「俺が思うに・・・川口が「引き裂き」を継続させるための報告をしたとしたら・・・やっぱ川中と時津風が怪しいと思うっぺ。」



・・・また真面目な話に戻った。

まぁ、なんというか、話が横道にそれるところあたりは生徒会と対してかわらないものだな、と思わされる。


だけれど真面目な時と横道のギャップがありすぎる気もする。



「実際に昨日・・・桶狭間ともめたとき・・・あいつは継続させるための報告をしただろう?と桶狭間がきいたら否定しなかったしな・・・」



・・・どうやらこの同盟は生徒会ではなく、第5同盟のほうへ向いているようだ。


正直私としてはこれはありがたかった。

第5同盟に向いている、ということはまだ時間がある、ということだ。

この時間をうまく使えば、生徒会との対立を回避させるために策を考え出せる。





「というと・・・まず最初の攻略ポイントは・・・時津風と川中の2人か・・・」



五月雨くんがそういうと、周りは「はぁ・・・」とため息をつきそうな雰囲気になる。



「・・・あの2人はなかなか自分の考えを曲げそうにないからな・・・」



元中と川中さんと時津風くん。

彼女らが対咲良ちゃんの同盟を作って活動していたことは知っている。


彼女らは、普段は彼らがいうほど「頑固」ではないと思う。

・・・ただ、これに咲良ちゃんが絡むとなぜか頑固になってしまう・・・。


これから交渉しに行くことは、まさにその咲良ちゃんのことだから、難しい状況なのかもしれない。

けれど・・・



「けど・・・まだ相手が生徒会じゃないだけマシだぜ・・・」



私が口を開く前に桶狭間くんが口を開いた。


・・・まったくをもってその通りだ。

いきなり生徒会と、なんて勘弁願いたい。


生徒会とやりあい始めれば、絆同盟だけを交渉するだけではすまなくなる。

それこそ「頑固」な生徒会上層部と交渉しなければならなくなってしまう・・・。



「・・・決着は早いほうがいい。」

「ってことは明日だっぺね・・・」



・・・え!?


決着は早いほうがいいって・・・早すぎでしょ!!

生徒会なら、決定しても最低3日は検討しますよ!?



「・・・」



ここは生徒会ではないことぐらい承知済みだ。

だけどあまりの代わり具合にやはり動揺は隠せない。



「ちょっ、ちょっと待ってください!!」


「ん?どうしたんだっぺ、中島ちゃん。」


「いきなり明日っていうのはいくらなんでも早すぎじゃないでしょうか?もう少しいろいろ検討するべきじゃないでしょうか?」



新メンバーの積極的な発言に周りは驚きながらも、関心もしているようだった。



「だが時間が惜しい。相手は川中や時津風だ。・・・連中とは対立してるからな。ほっとけばそのうちにまた新しい策を講じてくるだろう。」


「あぁ、その為にもできる限り早く動いてほうがいい。」



いや、その考え方は理解できるのだが・・・

やっぱり「明日にいきなり」というのは早すぎるきがする。



「ミスってもいいんだよ、僕たちは。」



その言葉に皆が振り向く。

その言葉を発したのは誰でもない、この問題の直接の被害者となっている十六夜くんだった。



「ミスればその後に対策を考える。・・・最初からミスった時の事を考えるのは、裏を返せば最初から一撃で終わらせられるという可能性の低いことを自分で認めていることになるから


ね。」


「そうそう、そんな事考えている時間があるなら、どんどん前へ走っていったほうがいいわ。」



次に咲良ちゃんがいった。




「それにどんなに事前に相手の考えを予測したり調査したりしても、ミスる時にはミスるしね。」



なにその開き直り!?



「それにやってみなきゃわからないこともたくさんあるし。ダメならその時に次を考えればいいのよ。」



いやいや、それって行き当たりばったりすぎるでしょ!!



「・・・」



信じられない・・・!

彼らには失敗をするかもしれないという不安とかミスした時の不安とかそういうのはないのだろうか・・・。



「華癒輝、大事なのは不安を恐れずに、前へ進み続けることだと思うの。」


「不安なんて抱くだけ無駄だけど、希望は抱くだけ前へ進む為の力になるんだよ。」



十六夜くんがそんなことをいう。


・・・つまり彼らは不安を抱くぐらいなら、すべて良しといった時の事・・・

希望を抱くというのか。

そしてその希望に身を任せて前へ進んでいく、と。



「そういうことった、不安なんて抱くだけ無駄だ。だったら俺らは不安を捨てて希望のみを考える、そう考えているだけだ。」


「実際その方が行動に動きやすいしな。」


「ま、とりあえず何も考えずにまずやってみろよってこったな。ゴチャゴチャ言う前にやってみることが大事って事だよ。」



今の私にとって、この考え方は理解できなかった。

不安だって、成功要因の1つだ。

その計画に問題点があるから、不安が生じる。

この不安をどう潰して成功率をあげていくか、それを検討してから動いたほうが絶対にいいのに。



しかしながらよくよく考えてみると、彼らがここで失敗して詰まってくれるのはむしろこちらとしては大歓迎な事だった。

その分だけ生徒会との直接対決の時間が引き伸ばされる。

与えられる時間が増える。



「・・・」



彼らはどうせ希望的観測しか行なっていない。

・・・希望と現実は違う。


希望的観測だけで成功させられるはずがない・・・



「そ・そうですね!!たしかにやってみないとわかりませんもんね!!」



私は彼らの意見に納得できていないまま、半ば強引に自分を押し止め、頷いた。


彼らは必ず川中さんと時津風くんの件で詰まるはずだ。

・・・なんだか彼らを騙しているようで、あまり良い気分ではないが・・・

目的達成の為なら仕方がない・・・。


私は自分の良心にムチをうち、無理やり自分自身を納得させる。



「だろだろ!?」


私の言葉に皆も頷いてくれた。

きっと皆、私が理解してくれた、と思っているのだろう。


彼らは甘い・・・。

現実は彼らが考えるほど、そんなに甘くなんてないのだ。



「よし、明日の大体のことは決まったし・・・第1回はこれで終了でいいかな・・・」


「そうだっぺな・・・」


「すまねぇな、中島さん・・・巻き込んじまって・・・」


「いいえ、私が望んだことですから。」



そんなことをいって皆は片付けを始める。


片付けはテキパキと行われた。

皆はすぐに荷物をまとめて、教室をでた。


帰りの階段で、桶狭間くんが上機嫌にこんなことを言い始める。



「・・・なんか、「引き裂き解放同盟」結成って感じだよな・・・」


「なんかそのまんますぎてつまらないっぺ・・・」


・・・と関ヶ原くん。



「じゃぁ・・・どんな名前にするんだよ?」


「そうだっぺねぇ・・・」



同盟の名前かぁ・・・

今までは数字だけの同盟だったけど、今回はどうなのだろうか?


まぁ、名前なんて格好だけだし・・・

変な名前じゃなきゃいいや。


とここでも少々他人行儀な自分がいた。



「・・・「絆」同盟なんてどうだっぺ?」


絆・・・

・・・その響きにちょっとだけ「いいなぁ・・・」と思ってしまう。


いや、別に名前なんて格好だけですよ、うん!

・・・でもそれでも・・・やっぱり「いいなぁ・・・」とも感じる。



「これから俺たちにはいろんな苦難があると思う・・・もちろん明日の川中と時津風説得だけじゃうまくいかないだろう・・・そんな苦難も全部、俺たちの友としての「絆」で乗り切る!!」



・・・私はその「絆」にホントに入れるのでしょうか・・・?

・・・というより、入ってしまっていいのでしょうか・・・?



「この名前で異存がある者は?」



誰もしゃべらない。

・・・異存はない、ということなのだろうか。


無論私としては異存なんてない。



「よっしゃ!絆同盟結成だぜ!!」





この日は久しぶりに咲良ちゃんと2人で帰った。

途中までは皆と一緒だったけど、どんどん別れていって最終的にこの2人となったのである。


元中ということもあって、家の方向も同じなのだ。




「・・・よかったね、十六夜くんと仲直りできて。」


「えぇ!」



彼女は嬉しそうに頷いた。

・・・そんなに彼の事が好きなのか・・・。


たしかに今までの彼女の行動と、彼との行動は見ていても何かが違う感じがする。

彼の一体何が彼女をかえたのだろう。



「・・・彼のどこが好きなの?」


「それがイマイチ私にもわからないのよね。」


「・・・え!?」



な・なにそれ・・・。



「あいつ、頼りないし、運動神経悪いし、バカだし、優柔不断だし、学生ニートだし、言ってることとやってることは矛盾してるし、極度の二次元病だし、地味だし・・・」



言い過ぎ言い過ぎ!!



「でも・・・不思議と隣にいてくれると落ち着くのよね。」



彼女は少し頬を赤らめていった。


・・・リア充爆発しろ。

末永く爆ぜろ。



「・・・実はこれも最近気づいた事なんだけどね。」


「え?」


「それまでは隣にいることが当たり前だったからね。・・・喧嘩して、一人になって、初めてその温かみを感じたわ。」


「・・・」


「・・・やっぱりね、一人は寂しいもんよ。・・・一緒にいったアイス屋に一人で学校の帰りにいったんだけど、味は変わらないはずなのに、何かが足りないのよ。」



彼女はしんみりとした声調でいった。


正直あの喧嘩・・・というか、私も一部しか見てなかったけど、凄まじいものではあった。

十六夜くんがあんなに怒っているところなんて初めてみた。


私も正直彼女を応援しつつも、心の奥底でもう仲直りはできないのかもしれない、とすら思ってしまっていた。



「もちろん華癒輝ともずっと話せなかったから寂しかったよ。」


「・・・あ・・・」


「だから今日、一緒に行動してくれるっていってきてくれた時、すごく嬉しかった。」



彼女はニッコリとした笑顔でこちらに向けてくれた。



「やっぱりさ、メールとかで一応少し話とかしてもなんか足りないよね。」


そういえば彼女とはメールアドレスの交換はしたから・・・

あのあとも時々メールをしていた。

ホントに時々・・・だけど。


だけれどやっぱり何かが足りなかった。

それは私にとっても同じだった。



「メールとかで「楽しい」とか送られてきても何にも感じれない。・・・やっぱりそばで話して、それで楽しいって笑顔で言われるほうがぜんぜんいい・・・。」


「・・・」


「だから華癒輝と今日、いろいろ話して楽しかったよ。メールなんかよりもぜんぜん・・・。」



嬉しい・・・。

そんな言葉ではまとめられないほどに嬉しかった。



「私も楽しいですよ。・・・やっと前みたいに話せるようになりましたね・・・。」



“アレ”以降、こうやって面と向かって話したことはなかった。

昔は当然のことだったのに。


そんな昔のことを思いはせ、何度も何度も話しかけようとしたけどダメで・・・

それが今日になってようやく実現できたんだ・・・!



「えぇ。・・・今度は離れないでよ?」


「・・・」



だけど彼女のこの言葉は返すことができなかった。



「・・・?」



彼女は首をかしげる。


彼女にとっては絆同盟が第一優先かもしれない。

けれど私にとって・・・生徒会も大事な存在なんだ。

もし生徒会か絆同盟か、どっちかを選ばないといけない、と言われたらどうするのか、私はここに入る前にちゃんと自分の中でけじめとして決めておいた。


それを変えるわけにはいかないんだ・・・

もし変えてしまえば、それこそどちらも選べなくなってしまう。



「・・・でも・・・いいんですか?」


「なにが?」


「・・・私は・・・中学校の時、咲良ちゃんにあんなに助けられたのに、咲良ちゃんが逆の立場になったら何もしてあげれなかった・・・。」


「私が逆の立場?そんなのあったっけ?」



・・・え?

覚えてないの!?



「ほら、冬の水風船の・・・」


「あ~!!」


彼女もようやく思い出したらしい。



「あったわね、そんなの。」


「・・・あの時、助けてあげられなくてごめんなさい。」


「そんなこと、ずっと気にしてたの!?」



彼女は苦笑した。

・・・え?彼女にとってあのことはその程度のことだったの?



「むしろそんなこと、ずっと今まで後悔してたんだ・・・。・・・なんていうか・・・ありがとう。」



ホントはお礼をしないといけないのは私のはずなのに。

今までたくさん助けてくれてありがとうって。


なのになぜか私が言われる立場になってしまっている・・・。



「こちらこそありがとうございます。」



私はアレ以降、ずっと言いたかったけど言えなかったこと・・・

その言葉を心をこめて彼女に言った。



・・・やっと・・・言えた・・・!



安堵の気持ちよりも、彼女とたとえしばしの間でもまたこうして話せることの喜びを感じていた。



「・・・なんか・・・ね?」


「・・・ですね・・・」



二人は笑い合う。

なんともいえない気分である。

咲良ちゃんがここまで気にしていなかった事を考えると、ここまで思いつめていた自分がなんとなく情けなくなってくる・・・



「明日から忙しくなるわよ。」


「はい・・・!!」



明日から忙しくなる・・・

それは絆同盟にとってもそうだし、同時に私にとってもそうだった・・・

気合を入れ直す。


とりあえず今日の私はこの先のことを案じつつも、今ある彼女と会話できる時間を精一杯に楽しむのだった・・・。


                           完 

夏といえば?


卯「・・・あのさぁ、前に「春といえば?」みたいなのなかったっけ?」


飛「あぁ?ねーよ、そんなもん。」


五「春ですよー」


卯「過去も同じこと言ってたわよ。」


五「ネタ切れじゃねwwwネタ切れじゃねwwww」


五稜「・・・なぜ2回いった・・・」


飛「そうやって次は「秋といえば?」とか「冬といえば?」とかいって類似おまけつくるんだぜ!?それが奴らの目的なんだよ。」


十「お前の言う奴らって誰だよ・・・」


金「ま、仮にあったとしてもきっと読者は覚えてませんよ!・・・覚えてませんよねぇー(チラッ 」


紀「いや、覚えてるだろwww」


金「覚えてませんよねぇー???もし覚えてたら・・・わかりますよねぇ?」


五「やっぱ生徒会怖ぇよ。」


卯「きっとこの怖さが読者に好かれないのよ。」


五稜「ガタッ」

飛沫「ガタッ」

西本「ガタッ」


中島「あー、なるほどー。常日頃から脅ししかしてませんもんねー?そりゃぁ負けますわー。」


飛沫「・・・先輩、ちょっときましょうか。」


金「お・落ち着け!あいつらに釣られるなんて、それこそ笑いものですよ!?」


五稜「安心しろ、骨は拾っておいてやる。」


金「え、ちょっ・・・ぎゃぁあぁぁあああああああ!!」


飛「ざまぁwwww」


中島「いやー、生徒会って怖いですねー。」


十「・・・お前、こうなるとわかっててやっただろ。」


中島「いいえ、なーんにも☆」


五「女の子って怖い(´・ω・`)」



卯「はいはい、茶番はいいから。どうして毎回毎回題名通りに進められないのかしら。」


十「いや、茶番っていっても、金ヶ崎さんにとっては死活問題だと思うんだけど。」


飛沫「てか“題名通り(笑)”とかwww」


卯「・・・なによ?文句あんの?」


飛沫「いや、“マニュアル通りにやってます”ってのはバカのいう事だと思ってな。」


卯「あんたにだけは言われたくないわ。性格が終わってる地点で論外でしょ。」


飛「だが実際実力差というものが紙に現れてるからな」(←一年中間テスト全体順位1位)


卯「うっ・・・」(←同上2位)


飛「フッ、ヒロインなのに1位とれないとかwww」


西「2位じゃダメなんでしょうか?」


五「煽るなwww」


飛沫「2位と1位の間には大きな大きな壁があるからな、ハハハッ!しかも敵役の俺に1位とられてるとか、主人公側としてはあるまじき敗退だよなwwwヒロインに向いてないんじゃねwww」


卯(カチンッ!)


五「そしてこのドヤ顔である」


卯「・・・黙れよ、残念なイケメン(ボソッ 」


飛「あぁ???」


西「そもそも数字だけでその人を評価するというのが無能の現れかと。」


飛「あぁ!?」

卯「あぁ!?」


西「・・・いえ・・・なんでもないです、はい。」


十「お・落ち着け!唯一まともな奴がつられたら、それこそこのコーナーは終わるぞ!!」


山崎「コーナーはコーナーでも、ドリフトとかをする場所のコーナーじゃないぞ。」


紀「・・・そんなの誰が間違えるんだよ。」


山崎「いや、俺は間違えたぞ!!(ドヤッ 」


五稜「お前しかいねーよ。」


西「あなたとは違うんです(キリッ 」



卯「ま、とりあえずすすめましょう。夏といえば?」


十「海!!」


中「お祭り!!」


五稜「旅行!!」


神威「総火演!!」


西本「かの国の新作コリエイトネタ!!」


五「コミケ!!」


飛「新作エロゲー!!」



卯「・・・なんかだんだんおかしくなってない?」


神「そもそもかの国がコリエイトしてるのはいつものことだろ。」


西「今年の夏はネタが尽きませんけどねwww」


飛「てかかの国とかいってるけど、コリエイトとかいってる地点で隠す気ないだろ」


西「かの国は時代をコリエイトしすぎてますからね」


十「・・・いやいや、それよりもどさくさにまぎれてとんでもないこと言ってたやついたぞ。」


飛「おい、ディスられてんぞ、神威。」


神「は?お前、いくらヒロインでも総火演(富士総合火力演習)ディスることは許さん!!」


卯「いや、あんたのことは言ってないし。主に後ろ3つよ。」


飛「は?お前、いくらヒロインでもエロゲをディスることはy・・・」


十「それはしゃーない。」



神「今年から10式(最新鋭戦車)投入だったんだぞ!!しかも倍率14倍(インターネット比、はがきだと15倍)のなか奇跡的にあたったんだぞ!!」


卯「・・・聞いてないし。」


飛「なにそれ自慢?wwwあまり羨ましく感じないんだけどwwwwwwねぇねぇwwwそれ自慢なの?www」


神「最新の10式のスラローム射撃はすごかったな。ま、ATフィールド積んでるから当たり前か。」


十「さりげなく嘘入れるなwww」


神「あの日はとにかく帰りが大変だったぜ。小田急線に「足柄」って駅があるから、JR御殿場線の御殿場の一個前の駅に「足柄」って駅があって、「混んでるからここで小田急線に乗り換えよう」と考えたら、まさかの駅が違うっていうwwwwなんで足柄駅二つもあんだよwww」


山崎「俺なんか御殿場と五反田の区別がつかねぇwww」


飛「それはただの重傷者だろ。位置的に正反対じゃねぇか。」


五稜「てか事前に調べておかなかったお前がすべて悪いだろ。」


十「足柄っていうと、どうしても巡洋艦を思い出す件。」


飛沫「とりあえずお前は今年の運を全部使い切ったな。」


神「やはり実弾演習はいいぜ?戦車砲の地響きと爆音、爆風を感じることができるからな。ただ最後の兵器展示の時にヘリが着陸するんだが砂埃がすごくてすごくて・・・。あと兵器展示でヒューイ(UH-1ヘリ)がなかったのは残念だったな。それからF-2が・・・」



飛「・・・もうほっとこうぜ。突っ込むのに疲れたわ」


山崎「祭りもいいなぁ。・・・祭りといえば射的と金魚すくいはよくやったもんだな。」


厳島「今年もやってたじゃん・・・」


五稜「“秘奥義!ヤマザキ流トリプル三段ショット”とかいって、身体を張ったギャグしてたもんな。」


厳島「しかも全弾外してたしね。」


五「それのどこが秘奥義なのか、と。」


五稜「どこまでもギャグに走ってるからな。そもそもこいつ、生きてることがギャグだし。」



山崎「フッ、射的より俺の本職は金魚すくいなのだよ、諸君!!」


五稜「“エターナルフラッシュバンカー”とかなんとかいって、一瞬で網に穴空けてたじゃねぇか。」


厳島「一緒にいるこっちが恥ずかしくなるんだよねぇ・・・」


五「ぜんぜんエターナルじゃない件。即死な件。」


厳島「網が一瞬だったところがフラッシュだったのはあたってたけどね。こいつの人生もフラッシュバンカーになればいいのに。」


山崎「まぁまぁ、その恥ずかしさの暑さがまた夏で粋なんだろ!!」


五稜「黙れ」

厳島「黙れ」



十「しかしお祭りとなると、和服を着る女の子がいて、それが可愛いんだな、チクショー!!」


五「おい、主人公w」


山崎「あ、わかるわかる!!」


卯(・・・今度和服きていってみようかな・・・喜んでくれるかな・・・)


十「ま、一番は二次元なんだけど!!!」


卯(・・・)


中島「結局そこっていうー。」


飛「ま、わからなくもない!!」


五「昔から思ってるんだが、なんでいつもいつも必ずバカが釣られるんだよw」


飛「お前もバカ担当だろうが!」


山崎「俺は思うんだが、和服に限っては胸がないほうが似合うと思うんだよね。」


五「おい、なんか語りモードに入ってるぞwww」


金「偉大なる同志によって粛清を!!」


五「おい、なんか赤化してね??赤い生徒会になってね!?」


金「その赤は血で塗られた、少しどす黒い・・・」


五「だから怖ぇよw」


中「そりゃ負けますわー!」


五稜「・・・粛清だな。」


西本「・・・ですね。」


金「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」



十「でもたしかに和服は似合う人はホントに似合うよね。胸がないほうが似合うというのもあながち間違ってないかも。」


山崎「だろだろ?五稜郭とかはホントよく似合ってるぞ!!」


五稜「なんでだろう、褒められてるはずなのにこんなに嬉しくねぇのは珍しいわ。」



金「結局二次元は可愛ければおk、ってことですかー?」


十「いや、ストーリーこそがすべてだ!!」


飛「まさにそれだな!」


十「だが可愛いは正義!!」


飛「キュートイズジャスティス!!!」


山崎「おいおい、ついにこいつ、自分の組織の名前すらネタにしはじめたよ・・・」


五稜「お前らが散々厨二とかいうからだろ。」


五「おい、今ならまだ間に合うぞ!取り返しがつかなくなる前に謝れよw」


金「いえいえ、このままのほうが面白いですよ、きっと。」


五「こいつwwwww」



卯「でも可愛いは正義って・・・むちゃくちゃね。」


十「ホントだ、むちゃくちゃ可愛い!!」


卯「・・・生徒会さん、こいつも粛清していいわ。」


西「・・・友愛しましょう!!」


十「それが一番怖ぇわ!!」



五「祭りといえば、コミケも祭りみたいなもんだぞ。」


卯「結局そこにもってくのね・・・」


神「どんだけそっちネタに引っ張りたいんだw」


五「自重とか捨てました(キリッ 」



五「安定の2日目。」


飛沫「安いエロゲ買えるしな。」


十「お前はそれしかねぇのかよ!!」


陽炎「しかし今年の2日目のネット構築系はTCP/IPとLinux系が多すぎたな。」


卯「・・・あんたもいってたの・・・」


五「3日で56万人とかヤバすぎる件。どこいっても人人人で死ぬかと思ったわw」


西「皆、好きなものだと目の色が変わりますからね・・・」


五「恋は戦争!!」


山崎「人の波に飲まれる~!・・・うっ!!バカ、人口密度のせいで俺の右手の制御がきかなくなって・・・くそ、暴れるな・・・!」


紀「暴れてるのは単にあんたの厨二魂だけだろ。」



十「いや、でもやっぱり夏といえば海だよ、海!!」


神「海かぁ・・・最近は海自(海上自衛隊)も好きだが、海保(海上保安庁)も好きな件。」


飛「お前の趣味なんざどうでもいいんだよ。」


西本「最近は日本が好きな件。」


飛「お前は昔からだろうが!なに新参面してんだ!!」



中島「サマーランドとかもいいですよね。」


卯月「夏なんてどこも人混みだらけよ。」


十「そんなネガティブに考えるなよ・・・」


山崎「人の波・・・くそ、俺の手の制御がきかない!!待て!!まだ早まるな!!!」


卯「でも実際そうでしょ?」


飛「そしてこのスルーである」


五「コミケ56万人とかな。」


卯「それは論外。」


五稜「山崎も論外(ボソッ 」


十「・・・今、なんか聞こえたような・・・」



五稜「だが仮にサマーランドにいったとしても遊べるのは1日じゃない?せっかく遊ぶなら3日間以上はパァーと遊びたい!!」


山崎「お前の頭もパァー!」


五稜「これだからゆとりは。そんな見え見えの罠にかかるほどオレはゆとりじゃないからな。」


山崎「・・・断崖絶壁。」


五稜「・・・殺すぞ?」



十「でもたしかに遊ぶなら長い時間パァーと遊びたいね!」


厳島「うん、それも一理あるね。」


山崎「よし、北海道にいこう!!」


五稜「お前となら断る。」

厳島「きみとなら断る。」



卯「う~ん、旅行っていっても結構歩ったりするし、疲れるじゃない?だったら映画とか見たいわ。」


十「へぇ、金持ちでも映画みるんだ。」


卯「なに“猿でも映画みるんだ”みたいなこといってんのよ。氏ねよ。」


十「いや、誰もそんなことはいっていないw」


卯「じゃぁ、氏ねとは言わないわ。もげろ。」


十「・・・」


金「飛沫さん飛沫さん、主人公とヒロインを対決させたら面白そうじゃないですかぁー?」


飛「いいねぇ、戦わせて共倒れさせてやるか。」


十「そこなに企んでるんだ!!」



西本「いや、しかしながら皆、夏休みをエンジョイできたようで何よりですよ。」


神威「幸せすぎて怖いわwww」


五「幸福なのは義務なんです!幸福なのは義務なんです!幸福なのは義務なんです!幸福なのは義務なんです!幸福なのは義務なんです!幸福なのは義務なんです!」


山「幸福万歳!幸福万歳!幸福万歳!幸福万歳!幸福万歳!幸福万歳!」


西本「日本万歳!日本万歳!日本万歳!日本万歳!日本万歳!日本万歳!」


十「「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」



卯「・・・これはひどい。」


厳「狂気を感じるね・・・」


五「狂気の瞳。」


飛「お前も十分な才能をもってるな。」


卯(嬉しくない才能ね・・・)


五「はい死にましたー、生徒会は死にましたー!葬儀に出るやつは向こうへ並べー!」


西本「( ゜∀゜)o彡友愛!!友愛!!」


飛「いや、むしろお前らが死んだだろ、今の。」


卯「我ながら、これが主人公だと思うと、この先が恐ろしくなってきたわ・・・」



十「・・・怖いといえば、怖い話とかも夏ならではだよね!!」


飛「むしろお前のさっきのテンションのが怖いわ。」

西「むしろこの先のこの国の未来のが怖いわ。」


卯「あんな作り話、誰が怖がるのよ。」


中「・・・」


十「そこにすでにいるんですが・・・」


中島「こ・怖くなんてありませんよ!」


金「つ猿夢」


卯「え?なにそれ?“猿でも夢みるんだー”みたいな?」


十「お前はまだそれ引きずってるのか!そんな意味はないのに・・・」


五「子供の頃、先生に猿夢の話されて夜眠れなくなったわw」


厳島「それを山崎に話せば、少しは静かになるかもね。」



十「でもやっぱ夏は家にこもって、アニメ見るのが一番至福だな。」


卯「・・・」


五「まぁ、人によって夏の過ごし方は違うからな。」


中「それと同時に人によって至福の時の感じ方も違う・・・ですからそんな顔しないで上げてください、咲良ちゃん。」


卯「う・うん・・・(なんか強引に終わらせるムード入り始めたわね・・・)」


十「一つ言えることは夏休みは長いと見せかけて、とんでもなく短い、ということだな!!」


五「たしかに。」


卯「この短い期間で何ができるか、が勝負ね!!」


十「いい思い出を作れたらいいね。」


卯「では今回はこの辺で。」


十「今回もご視聴ありがとうございました!!」


五「オチねぇwww」


卯「シッー!!」


十「許してやれよ、この筆者オチ作るの下手なんだから。」


五「大体さ、うp主はいつもいつも(ry」 



以後、キャラクターたちの筆者への不満が続くのでした・・・。

・・・うん、友愛しゅくせい最高だね!! by筆者



                     終

今回の感想(筆者談)


どうもお久しぶりです。

だいぶ久しぶりの更新となってしまい、申し訳ない限りです。


今回は「生徒会Side」から離れて、久しぶりの「絆同盟Side」でしたね。

中島視点だと両Sideが自由にかけるので楽しいですwww

その分文字量も増える・・・と(勘弁してくれ)


今回もそうですが、相変わらず長いのに話の進展としてはイマイチという笑えないオチ付き。

ホントこれは克服したいものですね・・・orz

あと今回はあまりネタを入れられなかったのも残念ですね・・・


咲良と中島のやり取りは、なんというか、「同級生」というより、先輩・後輩のような感じだな、と思いました(苦笑

書き終えてから気づいたwww

まぁ・・・気にしないw


それに加えて今回は中島の元中のメンツとの関連が多かったような・・・(紀龍、中島、卯月)

そして次回で今回から集まり始めた中島の元中メンツが勢揃いする、と!!(+川中、時津風)

さりげなく次回の宣伝を(ry


今思えば中島の元中多すぎるような気もします(5人もいるもんね・・・)

うん、気にしない×2www


更新が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。


今回も最後までご視聴いただきありがごうございました(ペコリ 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ