―26― ヴァラクちゃん、活躍する!
ニーニャたちはヴァラクを先導に歩いていた。
ヴァラクの危険予知によれば、魔物を見つけることができるらしい。
「前方にみつけたわ!」
ヴァラクがそう言って指をさす。
確かに、遠くではあるが火蜥蜴が確認できる。
どうやら、他に火蜥蜴の様子はなく一匹でいるらしい。
「ねぇ、ネネリ。ここから狙える?」
「流石にこの距離だと当てる自信はありませんわ」
「別に当てる必要はないわ。ただ魔物を釣ってきてほしいのよ」
魔物を釣る。遠くにいる魔物を挑発し、自分らが有利な地形まで連れてくることだが。
「別に構いませんが、なにか策はあるんですわよね?」
「ふふんっ、ヴァラクちゃんに任せれば問題ないのよ」
と、ヴァラクがどや顔になる。
「まぁいいですわ」
ここはヴァラクに従っておこう。
お手並み拝見といったところか。
「では、いきますわよ。氷ノ槍!」
氷の槍を造り、それを火蜥蜴めがけて飛ばす。
ギリギリ距離は届くが、想像通り直撃はしなかった。
とはいえ火蜥蜴に気づかれたようで、こっちを睨んでいる。
「わっ、こっちにきます!」
ニーニャの言うとおり火蜥蜴はこっちに移動してきた。
しかも想像以上に速い。
このままだと、すぐにこっちに来る!
「ヴァラク! ホントに大丈夫ですの!」
「ふふっ、だからこのヴァラクちゃんを信じなさいって。あと、ネネリ、二発目の氷の槍準備しといて」
こうなったらヴァラクを信じるしかない。
ネネリは魔力を練り、二発目をいつでも撃てるよう準備する。
「グギャァアアアアアアアアアアアア!!」
火蜥蜴が口を開けて飛びかかってくる。
こうして近くで見ると意外とでかい。
全長2メートルはありそうだ。
「麻痺!」
ヴァラクが叫んだ瞬間、火蜥蜴にビリッと電気のようなものが走る。
すると火蜥蜴は地面に落ち、動きをとめた。
「あとはネネリよろしく!」
「か、かしこまりましたわ! 氷ノ槍!」
この距離なら、流石に外すことはない。
氷ノ槍は火蜥蜴の体に直撃し貫く。
火蜥蜴は氷が苦手だ。
ゆえに氷を喰らえば、為す術もなく絶命した。
「どう? ヴァラクちゃんすごいでしょー!」
「ホントすごいですねー」
「ええ、今のはなんですの?」
占星術師は数が少ないだけに、情報も少ない。
だから占星術師が魔物の動きをとめるなんて真似ができるとは知らなかった。
「ふふんっ、ほとんどの病気は星が原因なわけ。だから星を学ぶことで病気を治せる。それはすなわち、意図的に魔物を病に冒すことも可能ってわけ」
病に冒す。
そんなことも可能なのかと、ネネリは感心する。
まぁ、決して口には出さないが。
「ヴァラクちゃん、ホントすごいですねー!」
「ええ、そうよ。ヴァラクちゃんをもっと褒めてもいいわ!」
「わー、すごいですーっ!」
「ニーニャ」
ネネリはニーニャの手を引いて自分の方へ引き寄せる。
「なんですか?」
「これ以上、褒めるのはよくありませんわ。ますますアレが調子にのりますわよ」
「ちょ、ヴァラクちゃん調子になんか乗っていないし!」
「どう見ても調子に乗っていますわ」
「むぅ」
と、ヴァラクが頬を膨らませる。
「ほら、ニーニャ。火蜥蜴の死骸をアイテムボックスに入れてくださいまし」
「わかりましたー!」
火蜥蜴は生きていたときは、その体は炎に身が包まれていたが、死んだ今は炎が消えている。
それなら手で掴んでも問題ない。
「ホント便利よね、それ」
2メートルもある火蜥蜴がなんの不自由もなくアイテムボックスに入っていく様を見て、ヴァラクがそう呟く。
本来なら、死骸を解体してお金になる部位だけを持って行くのが一般的だ。
アイテムボックスがあるおかげで、そんな必要はないのだが。
「なんでも入るの? それ」
「んー、どうなんでしょう」
アイテムボックスにどれだけの大きさのものが入るのか試したことはない。
「以前、人喰鬼の死骸を入れてもなんの問題ありませんでしたわよ」
「人喰鬼ってけっこう大きいじゃん。それで問題ないなら家とかもはいっちゃうんじゃない?」
そんなまさか、とヴァラクの冗談をネネリは受け流した。
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