―25― ニーニャちゃん、崇める!
「それで、なんの魔物を討伐いたしましょうか?」
ニーニャ、ネネリ、ヴァラクでパーティーの3人でパーティーを組むのはいいが、実際になんの魔物を狩るべきか、重要なことがまだ決まっていなかった。
「だったら火蜥蜴なんてどうかしら!」
と、ヴァラクが主張する。
火蜥蜴はCランク。
Dランク二人とCランク1人のパーティーでは荷が重いとされているが。
「ネネリ、あなた見るからに魔法使いよね。なら氷か水系統の魔法は使えるのかしら?」
「ええ、氷系統の魔法なら使えますわ。ただ火蜥蜴はすばしっこいと聞いております。正直、当てられる自信はありませんわ」
「ふふっ、なんのためにこのヴァラクちゃんがいると思っているのよ」
といって、ヴァラクは自信ありげに鼻を鳴らす。
なにか策でもあるんだろうか。
「ちなみにニーニャ、あなたはなにができるの?」
「わ、わたしはその支援しかできないです……」
ニーニャは自信なさげに呟く。
「支援? なによ、それ」
「ニーニャは剣を使って戦うことできますわ。それで十分ですよ」
「そうですか……、わたしネネリちゃんに任せっきりで、正直申し訳ないです」
「き、気にする必要はありませんわ」
そう言いつつ、いつになったら自分の強さに自覚するんだろうか、とネネリは思っていた。
「けど、剣士なら火蜥蜴に攻撃できないわね」
確かに、火蜥蜴は体に炎を纏っている。近接攻撃しようものなら、その瞬間炎が体まで伝わってしまう。
「ニーニャ、弓矢は使えませんの?」
「えっと、弓矢のスキルは一切持っていないですが……」
「けれど、【バフ】を使えば多少はできるようになるのではありませんの?」
「が、がんばって挑戦してみます!」
と、話がまとまったので火蜥蜴の討伐に必要な装備を揃えることにした。
◆
「ちょっ、なによそれ……?」
ヴァラクが絶句していた。
「アイテムボックスですけど……」
武器屋にてニーニャの弓矢を買った際。
ニーニャは買った弓矢をしまおうとアイテムボックスを展開していた。
「これ、そんなに珍しいんですか?」
「め、珍しいなんてものじゃないわよ……めちゃくちゃレアなアイテムじゃない!」
そうヴァラクは説明するもののいまいちピンとこないニーニャだった。
「アイテムボックスがあるなら荷台なんて持って行く必要ないわね……」
普通、大量の魔物を狩る予定があるなら運ぶための荷台を持って行くのが普通だが、アイテムボックスがある限りその必要はない。
(この程度で驚いていたら身が持ちませんわよ)
と、心の中で思うネネリだった。
◆
それから馬車を使って移動した。
今回は火蜥蜴の発生するグランニュード火山の麓にある村まで定期運行している馬車があったため、それを利用し、村に着いてからは歩いて行くことにした。
「いい? このヴァラクちゃんに任せれば魔物の討伐なんて楽勝よ!」
道中、先導するように歩くヴァラクがそう胸を張っていた。
「わーっ、ヴァラクちゃん頼もしいです」
「……そうですわね」
実際、ヴァラクは経験豊富のようだしひとまず任せてみようとネネリは考えていた。
「その、左手に持っているのはなんですの?」
ふと、気になったので聞いてみる。
ヴァラクの左手には宙に浮く、様々な円が組み合わさった物体があった。
魔導具の一種だろうか。
「天球儀よ。占星術師には必須アイテムよ」
「それでなにがわかるんですの?」
「魔物の位置がわかるのよ!」
そう言ってヴァラクは先導する。
てっきり当てもなく歩いていると思っていただけにネネリは驚く。
「星の力で、どうして魔物の位置がわかるんですの?」
「正確には星と星によってもたらされるエーテルの影響ね。そのエーテルの濃度を測ることで、ある程度の未来が予測できる」
「未来を予測ですか……?」
「そう、まぁ本当のところ、未来なんて判然としないのはわからないから、今やっているのは危険度の予測。危険度の濃いほうにいけば、そこには魔物がいるってわけね!」
「わーっ、なんかすごいですねー」
「ふふんっ、もっと崇めてもいいわよっ」
「わーっ、すごーい!」
「ニーニャ、あなた良い子ね。特別にヴァラクちゃんの下僕にしてあげる――ふぎぁ!」
無言でネネリがヴァラクをチョップしていた。
このままだとニーニャが下僕になってしまいそうだった。
ヴァラクがこんな風に調子に乗ることがなければ、ネネリも素直にすごいと褒めることができるのに。
「その危険度の予測もスキルの一種ですの?」
「ええ、そうね。スキル名は危険予知!」
と、ヴァラクのスキルのおかげで、これは想像以上に楽に魔物の発見できそうだな、とネネリは思っていた。
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