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【第24話】「評価の理(ことわり)――性別を超えた決意」

学園では力と努力が平等に評価される――はずだった。しかし現実は、まだ性別の壁に縛られていた。今日、二人の少年はその不公平に立ち向かう。

昼下がり、学園の掲示板の前に集まる生徒たちのざわめきが、いつもより少しだけ大きく聞こえた。アデルは、好奇心半分、何か予感めいたもの半分で掲示板に目を向ける。


そこには――実習での中級魔獣討伐の評価者一覧が貼り出されていた。


「……え?」

アデルの目が釘付けになった。自分の名前は確かにある。ランドルフ王子の名前もあった。だが――


「クリスの名前がない……?」


小さく肩をすくめ、クリスは淡々とつぶやく。

「仕方ないよ……私は女だから……」


アデルの胸の奥で、熱い怒りがじわりと燃え上がる。予期していなかった表彰の知らせだけでも驚きなのに、そこにクリスの名がないとは。手のひらがじっとりと汗ばみ、拳を握りしめた瞬間、心の中に決意の炎が灯った。


「……こんなの理不尽だ。絶対に見過ごせない」

アデルは掲示板から目を離し、深く息を吸い込む。ランドルフ王子もまた、険しい表情で一覧を眺めている。周囲の生徒たちはささやき合い、ざわつく視線が二人を取り囲む。


「君の言う通りだ、アデル。実力で評価されるべき学園で、女だからという理由で無視されるなんて、許されるものか」


二人は無言で視線を交わす。言葉はいらない。互いの胸に燃える決意が、静かに通じ合った。


「校長に直訴しよう」アデルは力強く言った。

「クリスが表彰されないなら、俺たち二人も表彰を辞退する。学園の理念は、形だけのものじゃないはずだ」


王子は静かにうなずき、二人は廊下へと歩を進める。生徒たちの視線が集まるが、二人の決意は揺らがない。背筋にひんやりとした緊張感が走り、心臓が高鳴る。


この日、アデルは初めて胸の奥で熱く燃える正義感を自覚した。男だから、女だからではなく、力と努力で評価される世界――その第一歩を、自らの行動で示すために。



---

正しいことを信じ、行動する勇気。小さな一歩が、学園の空気を変える――二人の決意は、未来への希望となった。


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