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【第18話】女神様の無茶ぶりとアデルの誓い

昼休みに誓いを交わしたアデルたち。しかし、安らかな夜はそう長くは続かなかった――。

目覚めた先に広がるのは、予想外の光景と、いつもの無茶ぶり女神ルミエールの姿!

今回は、アデルの誠実さと女神のツッコミ満載の小ネタ回。友情と恋愛、そして世界を変える決意が少しだけコミカルに描かれます。



---

素晴らしき友との出会い、昼休みに交わした誓い――それを胸に、アデルは少し満足げに寮のベッドに潜り込んだ。

今日の自分に、そして明日への希望に、心は満ち満ちている。


――はずだった。


ふと目を開けると、視界はいつもの寮の天井ではなく、キラキラと光が乱反射する幻想的な空間に変わっていた。空気は甘く香り、あたり一面が虹色に輝いている。アデルは思わず頭を抱えた。


「またか……。今度は何が不満なんだろう…」


案の定、空間の中央に突如、足音もなく姿を現したのは、女神ルミエールその人だった。赤と金の光に包まれた、まるで眩しい宝石のような存在。だが、表情はまさに怒り心頭、ぷるぷると肩を震わせている。


「もぉ〜!アデルくんったらぁ!またトキメキ忘れてるんじゃないのぉ!」

女神は大げさに手を振り、光の中を飛び跳ねる。

「希望に満ち満ちてるのはいいのよ?その努力も立派☆でもねー、正直、つまんないのよねぇ〜!」


アデルはげんなりと溜息をつく。

「ご期待に添えず、申し訳ありません…。しかし、私にはリリアンヌという婚約者がおりますし、日々の学びもございます。十分、心は満たされて――」


「でもでもぉ!」女神は無理やりアデルの言葉を遮った。

「アリスちゃんとか、クリスちゃんとか、どうなのぉ?あんなに可愛い女の子に囲まれて、ドキドキとかないの?悩んだり迷ったりとか――ほら、あの“トキメキ”ってやつよ!」


アデルは思わず心の中でツッコミを入れた。

(おいおい…勘弁してくれ…また恋愛ごちゃごちゃネタかよ…)

しかし口には出さず、額に手を当てて深呼吸。


「私はリリアンヌだけを大切に思っています!不誠実なことは絶対にしたくありません!」

真剣な眼差しで女神を見据え、揺るぎない決意を示す。


女神ルミエールは一瞬目を見開き、その場でふわりと宙に浮かんだ。

「そっか……!アデルくん、本当にお利口なのねぇ〜。うん、いいわ!」


アデルは首をかしげつつ、心の中でまた小さくツッコミ。

(何この褒め方…むしろビビるわ…)


「でもねぇ…これからが私の本番よ☆」

女神は不敵な笑みを浮かべ、光の渦をくるくると回りながら言う。

「どこまでリリアンヌちゃんに一途で、そして世界を変えて行けるか……私が見届けてあげるわ!さぁ、楽しませてね?」


言い終えると、女神はふわりと消え、虹色の光も一瞬で消え去った。

アデルは床に倒れ込み、深く息を吐いた。


「……やれやれ、明日からもまた大変そうだ…」

それでも胸には、不思議と力強い決意が残っていた。

「リリアンヌのために。友のために。世界のために――俺は一途に歩む」


次に目覚める朝も、きっと希望に満ちた一日になる――そう信じながら、アデルは目を閉じた。



---


昼休みに芽生えた誓いの余韻に浸るアデル。しかし女神ルミエールの登場で、平穏は一瞬にして吹き飛んでしまった。

無茶ぶりされつつも、リリアンヌへの一途な想いと世界を変えたいという決意は揺らがない。

これからもアデルの学園生活には、予想外の事件と女神の無茶ぶりがつきもの――読者の皆さんも次回をお楽しみに!


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