艦内突撃
助けた少女の名前はガラードというらしい。
なんと国王様という身分らしく、獣人の国であるエンジュランドを治めているらしい。
なんでそんなに気高い身分の人が海で溺れていたのかと思ったら、どうやら暴走した親友を止める為に追いかけたものの、どうやら失敗してしまったようだ。
「ガラードさんとやら、申し訳ないが我らに貴女をその人達の下へと届ける程、時間に余裕が無いのだ」
「問題ないです。むしろ助けて頂いたお礼に、若輩者ですがお力添えをさせてもらってもいいですか?」
あぁ、それは凄い助かる。
流石に俺とヒストリアさんだけでは戦力に不安があったのだ。
潜水艦の中にはティーだけではなく戦闘要員の人魚もいるはずだ。
それに失踪直前に訪れていた人間の消息もないので、ひょっとしたら一緒にいるかもしれない。
実際にどれほど頼りになるかは分からないが、装備を見る限り結構強そうな彼女が手伝ってくれるというのであれば心強い。
「ティーエスを無力化すれば、操られている者達は正気に戻るはずだ。乗っている者達を一人も殺してはならん。あくまで無力化で留めるのだ」
そうだ。船員は全員人魚であって、一時的にティーに操られているといっても、なるべく傷付けてはいけない。
もし誰かが死んでしまったりしようものなら、ティーが正気に戻った時に非常に悲しむだろう。
ガラードさんもどうやら納得してくれた、というよりも彼女も同じような状況だったようで、絶対に重傷を負わせたりしないと約束してくれた。
「行くぞ!」
かなり近付いていた潜水艦に、クラーケンがラストスパートをかける。
いよいよ追い付くというその瞬間、その触手を大きく広げ、潜水艦に絡み付いた。
クラーケンにへばり付かれて、運航能力を大きく損なう潜水艦。
俺は潜水艦に近付き、トライデントを思いっ切り船体に突き刺した。
抜群の貫通力で、船体に穴を開けるトライデント。
開いた穴から水が思いっ切り流れ込み、潜水艦は完全にその動きを停止した。
それを見計らってクラーケンが潜水艦を引き上げる。
「突撃!」
海上へ浮上させられた潜水艦。
俺は穴を更に広げて、人が通れるくらいの大きさにした。
そこから俺とヒストリアさん、そしてガラードさんが侵入する。
既に待機していた乗組員二人に襲い掛かられるが、ヒストリアさんが二人の頭を掴む。
すると二人は動きを止め、ヒストリアさんの腕の中に倒れ込んだ。
ティーの洗脳を、対抗音波とやらで解除したようだ。
「ティーエスは指令室にいるはずだ。迷子になるなよ」
二人を壁沿いに寝かせると、ヒストリアさんはそう言ってティーがいると思われる方向に走り出した。
俺とガラードさんは一瞬顔を見合わせると、その後を追いかけた。
最終回が近いのに関わらず、投稿頻度が不定期で申し訳ございません。
なるべく以前通りのペースで投稿が出来るように注意します。




