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2話 幸せと不幸せ 3

 聖良が目を開くと、緑が見えた。

 地面に投げ出され、草の上に腹ばいになっているのだ。力が出ずにそのままでいると、誰かに身体を転がされ、仰向けになった。

 木々の枝の向こうに見える、青い空が遠い。

 その空を、獣の頭が遮った。

「ひぃっ」

 怪我の事を忘れて跳び退ると、変な所に力が入り、身体の痛みを思い出して呻いた。

「大丈夫?」

 思いも寄らぬ、男の子の涼やかな声が聖良の耳に入る。

 肉食獣がしゃべるとは、恐るべしファンタジーの世界。

「脅えなくても大丈夫だよ。この子はいい子だから」

 犬科とも猫科ともつかない獣が離れ、少年が顔を覗き込んでくる。声は彼の物のようだった。獣の声で無いと分かり、聖良は少し安心した。

 綺麗な少年で、透けるような白い肌に、少し尖った耳をしてる。

「ここは……」

「起きないで。血が出ているから」

 また服に穴が増えた。この世界に来てから着る物に恵まれず、あり得ない怪我をする。一度目は竜の爪、二度目は獣の牙。その他に岩場で滑って頭を打ったが、日常的に良くある事のため数には入らない。

「ごめんね。本当はもっと丁寧に助けたかったのでだけど、相手が竜ではこうするしかなかったんだ」

 少年は聖良の傍らに膝をついた。少年よりも大きな獣は、その斜め後ろで大人しくちょこんとお座りしている。

 聖良は現状を理解した。

 親切な彼等に助けられたのだ。

「すぐに手当をするね。失礼するよ」

 呆れと感動が半々な状態に、どうしていいのか分からず黙っていると、少年は聖良のジャージを脱がせようと手を伸ばしてきた。

「ちょ、待って! いいから!」

 子供といえど、もう小学校の高学年か、中学生ぐらいの男の子だ。どうせすぐに直ってしまうのに、脱がせられるのはごめんだった。

「こう見えても僕は見た目の三倍は生きているから大丈夫。子供じゃ無いよ」

「もっと冗談じゃないですよそれ」

 子供ならともかく、中身が大人なら必要もないのに見られるなどとんでもない。

「しかし、治療をしてはやく移動しないと他の魔物が来ちゃうよ」

「う……」

 聖良は渋々立ち上がる。血は思ったほど出ていないので助かった。ジャージの中に手を入れて傷口を確かめると、傷はあるが皮膚がうごめいている。怖くて手を離し、傷口に服が巻き込まれないように裾の前後を持ち上げる。

「無理をしないで」

「もう大丈夫です。今治ってます」

 痛いがすぐに通り過ぎる。

 ネルフィアにやられたときに比べればずっと軽傷なのだ。

 すぐに治ると分かっている痛みになら耐えられる。

「じゃあ、とりあえずこちらに」

 支えてくれようとするのを遠慮して、聖良は自分の足で歩く。

 アディスが側にいない以上、血の臭いをさせて一カ所に留まるのは危険だ。何せアディスは熊除けの鈴のような物である。

「僕はアルテ。この子はリーザ」

 どうやらこの獣は女の子のようだ。

「私は聖良です」

 苗字ではなく名前を名乗るのに違和感はあるが、この世界では名前だけを名乗るのが普通らしい。アディスは孤児だから、苗字がないだけかもしれないが。

「君は人間の魔術師?」

「え?」

「魔女ではないようだし……傷もすぐに治してしまった。それに言葉も」

 なんと説明していいのか分からない。

 アディスのこともなんと説明していいのか分からない。

「君……あなたは何なんですか?」

「僕はこの森に住んでいるエルフだよ」

 さすがはファンタジー。竜の次はエルフだ。牛の時のように、聖良の知っている一番近い言葉に当てはめられているだけで、聖良の知っているエルフとは別物だろうが、美形の代名詞が美形であった事に少し感動した。

「あの、どうしてこんな事を?」

 念のために確認を取らないといけない。

「君は竜に狙われていたんだよ」

 やはりアディスが原因のようだ。他人から見ると、あれは無防備に歩く少女と忍び寄る竜に見えたのだろう。

「いや、あの……」

「しぃ」

 突然口を押さえられ、足を止める。見た目が子供相手なのでこうして触れられても恐くはないが、安心も出来ない。彼は強そうには見えないから。

 リーザは低く唸り威嚇する。

 何かが近くに潜んでいるのだろうか。

「来る」

 女性の声でリーザが呟き、頭上を睨む。

 木陰に隠れるように潜んでいると、頭上を大きな何かが一瞬で通り過ぎる。

 ずいぶんと大きくて見たことがあるようなシルエットだった気がした。

「よかった、行った。とにかくここを離れよう」

 聖良は空を見上げる、が、今は何も見えない。先ほどの何かがアディスなのも確認できなかった。彼はまだ飛ぶには至っていなかったが、コツを掴んで飛んでいる可能性も否定は出来ない。

「まだだよ。戻ってくる」

 リーザが女性の声で言う。声は思ったよりも可愛らしい。

「この子が狙いか?」

 言われてもう一度上を見ると、アディスが旋回に失敗して墜落するのが見えた。

 木の幹にぶつかり聖良は目を背けた。音がしなかったため恐る恐る見上げれば、しっかりと木の幹にしがみつくアディスの姿が見えた。聖良はほっと胸をなで下ろすと、アディスは翼を広げて少し離れた場所に降りた。彼は聖良達の場所を見失っているようだ。

「どうする」

「逃げるしかない」

 聖良がアディスと声をかけようとすると、腰を掴まれ抱き上げられる。そしてそのままアルテはセーラを抱えてリーザの背に乗った。

「うわわわわっ」

「しっ」

 聖良は恐怖でアルテにしがみついて目を閉じる。

 揺れていた。

 動物に乗るなど、幼い頃にポニーの背に乗って小さな広場を一週、もしくは竜の口と背で大空という極端な経験しかない。それが四足歩行の獣の背に乗って走っているのだ。

 衝撃は激しく、絶叫マシンとは比べものにならないほど恐ろしく、口を開くと舌を噛みそうになった。

 歯を食いしばりながら目を開けると、聖良に気付いたアディスがこちらに向かってきていた。しかし人を二人乗せている獣の方が速く、どんどん離されていく。

 どうにかしようにも声を出したら舌を噛む。それ以前に声を出す余裕もない。恐くて声など出る気がしなかった。

 泣きながらアディスに目で助けを求めると、思いが通じたのか、今までのんびりしている姿しか見たことのなかった彼が、形相を変えてかなりの勢いで追いかけてきてくれた。

「てっめぇ、人の女をどうする気だぁぁあ!?」

 可愛い声で怒鳴り始めた。怒鳴るのはいいが、今まで取り澄ましてしゃべっていたのに、今はすっかり崩れている。

「しつこい。あの凶悪竜の子供が何でこんな所に……」

 凶悪竜とはネルフィアのことだ。ネルフィアの息子だから、アルテ達はアディスを恐れているのだ。ネルフィアはこの森で無法の限りを尽くしているらしい。

「セーラをかえせぇぇっ!!」

 アディスは必死で追いかけてくれている。彼の女というのは納得いかないが、必死なのは本当だ。聖良の事で必死になってくれる誰かがいるという事が、少しだけ嬉しかった。

「アルテ、名指しでその子を呼んでいるよ。ひょっとして危害を加えるつもりはないんじゃ」

「まさか」

 聖良は今しかないと、アルテの背を叩く。

「セーラ! 今助けますっ!」

「んんっ」

 恐いから早く助けて。

 言いたいが言えない現状が悲しい。

 しかしアディスが追いつく前に、リーザの足が止まった。

「リーザ!?」

「今逃げても、また空を飛んで追いつかれるよ。私ももう疲れた」

 聖良は深呼吸して自分を落ち着かせる。ほとんど呼吸を止めていたため、動悸と息切れが激しかった。

 そうしている内に、アディスがどんどん近づいてくる。

「アディスっ」

「セーラ!」

 聖良はアルテの腕から抜け出し、アディスへと駆け寄った。

 これほど誰かとの抱擁が嬉しかったことはない。誰かをこれほど必要としたこともない。

「こ、恐かった」

 絶叫系の乗り物ならともかく、これは恐くて仕方がなかった。

「可哀想にセーラ。普通に生きているだけで、立て続けにこんな目にあうなんて、とても他人事とは思えません」

「変な親近感持たないでください」

 彼も日常的にかなり不運な目にあっているようで、聖良自身もアディスと自分を重ねなくもないのだが、今はその時ではない。

「そうですね。

 そこの少年、私のセーラを拐かすとはいい度胸です」

 アディスはセーラを後ろ手に隠し、爪を見せつけ前に出る。まさか自分のせいで聖良が『助けられた』とは思っておらず、しかも相手は男であるために容赦なく斬りつけそうな雰囲気だった。

「ちょ、待ってください。この人はなんか勘違いして、私を助けようとしてくれたんです」

「助けるとは失礼な。それでは私がセーラを無理矢理連れ回してたみたいじゃないですか!」

「きっと、お母さんが森で無茶をしたんですよっ!」

「あ……」

 アディスも聖良と似たようなことを思い浮かべているのだろう。

 この森の女王様は、遠慮も何もなく、したいようにして他人に迷惑をかけている。それを否定できる要素はまるでなかった。それどころか、その光景が目に浮かぶのだ。

「あぁ、そう考えるとしかたがない気も」

「でしょう」

 アディスは納得して、爪を引っ込めた。

 簡単に怒りが収まり尻尾を丸めた事から、勢いで怒っていたのが分かる。

「でも無事でよかったって……また怪我してるじゃないですか! 小僧、そこに直りなさいっ! 可愛いからといって何でも許されると思ったら大間違いです!」

 アディスは再びアルテに指を突きつけた。アルテは子供だ。自称子供好きという言葉を信じて、聖良は今の言葉を受け流す事にした。

「なんなんだ、この竜」

「なんなんだじゃありません! 女性に傷を付けるなんて、子供と言えども許せません! しかも子供と言ってもエルフなら年上じゃないですか! というか、なぜこんな所にエルフが生息しているのですか!?」

 血を見て興奮したアディスは、再びアルテに爪を向けた。今度は切り裂くためではないので間に入るような真似はしない。

 怒りと同時に疑問をぶつけているため、我を忘れるような事はないだろう。

「手当をしようとしたらお前が来たんだ! お前達が来てから、この森がどれだけ被害を受けているかっ!」

「そんなこと私は知りませんよ。竜が住み処と選んだんです。弱者は安穏を祈って生きるしか道はありません。それは人間にすら言えることです」

 竜を見たら逆らうな逃げろと言いたいようだ。

 ネルフィアの場合はそれが正しい。

「お人好しなエルフなど聞いた事もない。

 私だからよかったものの、うちの母だったらどうなっていたか。母は竜の中でもかなり特殊な部類に入ります。逆らうことはもちろん、関わると必然的に不幸になるような女性です。

 生きていたければ、関係のない事に首を突っ込むのはやめなさい。なぜこんな場所に移住したかは知りませんが、せっかく生きているのだからもっと賢く生きなさい」

 いつの間にか説教になっていた。男としては問題外だが、根はいい人なのかも知れない。アディスには部下が一応はついてきているようなので、人望はあるのだ。

「なんで竜が人間の女の子を連れているんだ!? こんな小さな子、食べる所なんてないだろ!?」

「食べませんよ。セーラは家族です」

「なんで人間が家族なんだ!?」

 アディスは考えるように腕を組んで聖良を見つめる。

 何でと尋ねられると、なかなか言いにくい事情だ。捕食されてしまった元人間と、捕食されそうになった人間仲間です、と言えば余計に理解に苦しむはずだ。

「お嫁さんみたいなものです」

「なんで嫁扱いなんですか」

 唐突な言葉に、聖良はアディスを睨み付けた。

「養女の方がよかったですか? お兄ちゃんと呼んでくださるならそれでもいいんですが」

「なんで私が生まれたばかりの身体のあなたをお兄ちゃん呼ばわりしないといけないんですか」

 アディスはよく分からない男だ。

 年増呼ばわりしたり、子供扱いしたり、人を見てため息をついたりと、何を考えているかだけは分かりすぎて不愉快になる。何を考えているかも分からないなら救いはあるが、嫌でも分かってしまうのだ。

 分からないのはその性癖全般についてだ。

 変態が存在するだけならいいのだが、それが聖良の殺生与奪権を握っているとなると話は別だ。いつか餌食にされるのではと、気が気でならない。

「まあ、それはいいとして。

 君は生きていたかったら、今後竜に関わらない方が懸命です。私のような理知的な竜ばかりとは限りませんから」

「お前は人間を食らって知識を得たんだろ」

「ちなみに、一番初めの候補は年増のエルフ女でしたよ。どこにエルフがいるのかと思ってたのですが、まさかこんな所にいたとは……」

「…………」

「人間の方が賢そうだから諦めたようですが」

「…………」

 アルテが青ざめた。彼らはこの不運な男の運のなさに助けられたことになる。

「あなたに食べられる記憶がある者の気持ちは理解できますか? 連れさらわれるときの気持ちとか理解できますか? 育てられてるんですよ? 一番初めは子熊を一頭目の前に運んできました。しかも半死半生。殺すに殺せないでいると、目の前で解体を始めるし、それに慣れてきたら次は人間の女の子をお食べですよ。生まれて一ヶ月でこんな生活を強いられる者の気持ちが理解できますか!? しかも人間の教養を持って!」

 聖良はアディスの後頭部を撫でる。彼もずいぶんと悲惨な生まれ変わり方をしたものだ。吹っ切れたように見えて、心の傷は深いようである。

 アディスは聖良に擦り寄り、それから地面に伏せるようにしゃがみ込む。

「セーラ、帰りましょう。ここから歩いて帰ると時間が掛かってお母さんが探しながら暴れるかもしれません」

「あり得そうで恐いですね……。

 でも、飛ぶんですか?」

「人を乗せて自力で飛べるほど慣れていませんよ。時間短縮のために少し高いところを行きますが、上達したので大丈夫です」

 聖良はびくびくしながらその背に乗って首にしがみつく。背負っていた果物は捨ててきたらしく見あたらなかった。仕方がないので諦める事にした。命あっての物種だ。

「ああ、そうだ。一つだけ言っておかなきゃいけないことがありました」

 アディスは聖良を背負ったままアルテへと向き直る。

「うちの母は他人の命なんてゴミ同然ですが、存在を認められればけっこういい人です。この前遊びに来た人間も、生かして返しました。これからも彼らは襲わないでしょう」

 アディスは何だかんだと言って、身体の本能か、ネルフィアの事を好いている。

 聖良も彼女のことは恐いが、好きだ。

 知ってしまうと憎めない。彼女が彼女なりの愛情をくれるから、冷たい人間達よりは好きだ。

「ああ、聞き忘れるところだった。

 君、妹か年の近い姉はいますか?」

 聖良はない力を振り絞り、アディスの首を絞めた。

「え、いるけど」

「じゃあ、その子も連れて明日うちの巣の近くにある湖に来るといい。

 お母さんに襲わないように言っておきます」

「どうして……」

「人型の生物を食べさせられるのも、残して母を悲しませるのも嫌ですからね」

 彼は絶対に妹目当てだ。本物の童女万歳と思っている。内心は小躍りしているだろう。しかも彼の妹なら、美少女に違いない。

「それじゃあ」

 アディスは身体を起こし、地を蹴った。翼を動かし木の枝を足場にさらに上へと跳び、木の高さを超えるとグライダーのように飛ぶ。高度が下がると適当な足場を見つけては同じ事を繰り返す。

 本当に、少しは成長したようだ。

「時々落ちるんで死ぬ気で掴まっていてくださいね」

 聖良は目をつぶって死にものぐるいでしがみついた。






 翌朝、聖良はネルフィアの背に乗り湖のほとりに降り立った。

 アディスの方は飛べるのが楽しいらしく自力で崖を降りた。竜の再生能力があるので、万が一落ちても死ぬ事はないと、ネルフィアに太鼓判を押されて、勇気を出して飛び出したのだ。あとは戻れるようになれば、だいぶ生活も変わってくる。

 息子の成長ぶりにネルフィアは大変満足し、上機嫌だ。今度はもっとしっかり飛べるよう、身体を大きくする方法を教えてくれるという。

 竜というのは、身体のサイズを変化させることができるのだ。それを聞いた時、聖良は規格外ぶりに呆れた。しかし魔術などという物が実在する世界である。もうどんな不思議な体質を持つ生物が現れても、聖良は驚かないだろう。

 ネルフィアは水を飲みに行くときに少し小さくなって奥へ行っているらしい。聖良が風呂に使っているあの穴は、本当にネルフィアの手による物だったようで、少しぞっとした。

「あ、いたいた。お母さん、昨日できたオトモダチです」

 アディスが白々しいことを言って木陰に座っていたアルテへと駆け寄った。

 母親らしき女性と、昨日も見た獣がいる。妹らしき姿はない。

「妹さんは?」

 アディスは見回して、アルテよりも幼い少女を探した。

「え、この子、リーザっていうんだけど」

 アルテは自分の傍らにお座りする獣を指さした。紹介されると、リーザは猫のように伸びをする。伸びをして──

「おおっ」

 聖良は驚愕におののき身を乗り出す。

 リザが人間の姿になった。いや、人間ではない。体毛が生えていて、狼男を思い出す女の子。彼女は女の子だから、狼女だ。

「僕の妹」

「まて!」

 アディスが手を伸ばす。

「どこが妹!? 似てないし、しかも年増!」

 そう。アディスからしてみれば年増。聖良と同年代ぐらいの女の子だ。

「妹は父親違いだから。獣人はエルフよりも成長が早いし。でも、年増って言うのは……」

「ああ、気にしないで下さい。お子様だから、お子様のオトモダチが欲しかったんですよきっと」

 そう言っておいた方が、彼らのためだ。どうせこの森にアディス好みの童女はいない。アディスは聖良が人間の姿にでもしないかぎり、幼い少女達にイタズラは出来ない。竜の姿でセクハラ出来るような頑丈な女の子は、きっと彼の好みではない姿をしているだろうから。

 だから言う必要もない。この森で被害者は出ないのだから。

「やっぱり街に出るしかないんですね」

 くだらないことで彼の中の決意がより強固になっていた。

 欲望とは前へと進む原動力の中でもかなり強いものだ。欲望のために人は努力し、のし上がろうとする。

「……せいぜい頑張ってください」

 恋愛は自由だ。彼が誰と恋愛をしようとも、聖良には関係のないことだ。

 悪ささえしなければ。

 それを見張るのは、聖良がしなければならないことだろう。



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