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効かぬなら、効くまで撃とう、弾はある


『全隊、誘導ミサイル発射! 目標、敵不明生物! 距離700! 発射用意……発射!』

『TOW、ヘルファイヤ全弾発射!』


戦闘ヘリの集団が、対戦車ミサイルを放った。

それらは、まるで流星群のようにエルラトへと殺到。爆炎が彼女を包みこむ。

しかし、彼女はかすり傷程度しか負っていなかった。


『キャリアーは邦人を救助! アパッチ、アタッカーは続けて攻撃せよ!』


一機のチヌークが、香川たち四人を回収するために降りてくる。

そして四人を回収すると、発進した。


「龍田君は!?」

「まだあいつに取りこまれてる。どうにかして助けないと」


そう話す田中と香川の会話を聞いて、一人の自衛隊員が近づいてくる。


「どうしました?」

「我々の同僚が、あの怪物に取り込まれています。どうにかして助けないと」

「何だって!? それは大変だ」


チヌークは、エルラトから離れて行く。

先程の自衛隊員が、通信機を使って龍田のことを他の機に連絡していた。


***


ミサイルの雨がエルラトに向かって降り注ぐ。

しかし、彼女は触手を振りかざし、それらのミサイルを次々と打ち落としていった。


「こんなもので私を――」


エルラトが言いかけた時、撃ち落とせなかったミサイルが直撃。

その衝撃で、龍田とエルラトが分離した。

龍田は意識を失っており、雪の上に倒れこんでいる。

自衛隊員がヘリから降下し、龍田を救助した。


「くそ……」


龍田から分離したエルラトは、うごめく粘液の様なものでその体をかたどっていた。

アメーバといったらわかりやすいだろうか?

その姿は、異様としか言いようがない。

エルラトは、火口の方に逃げて行く。


***


『逃がすな!』


ヘリの大群は逃げるエルラトを撃ち続ける。

突然だが、異世界転移後、日本は防衛費大増額を行っていた。

その額、約20兆円。

2022年度の防衛費が約5兆円(防衛省発表)だったことを考えると、

異世界転移の影響がいかに大きかったかがうかがえる。

転移による異例の好景気に日本中が浮かれている今、日本の総国家予算は約280兆円。

ぼくのかんがえたさいきょうの国家かな? というのはさておき、調子に乗った防衛省は大量の弾薬や兵器を購入。

結果として、物凄い量の弾薬が余ってしまった。

これに対して財務省は『今年度中に弾薬を使い切らないと防衛費を大幅に削減する』と防衛省に通達。

防衛省は苦肉の策としてユトラ大陸での実弾演習計画を立案し、

先ほどまでジェレタ半島の北でその演習を行っていたのである。

そう、現在エルラトと戦っているこの部隊は、その演習部隊だ。

ルスア保安隊からの援助要請で、邦人救助&エルラト討伐のために馳せ参じたのである。


***


「こうなったら……」


エルラトは、エールラフィン山の頂上に到達した。

彼女の目の前には、氷に包まれた火口が静かに眠っている。

数百年、数千年間噴火してこなかったこの山には、膨大なエネルギーが蓄積されているのだ。

もし、それが解き放たれればどうなるか……?

エルラトは、その力を利用すべく山に登る。


「絶対に許さんぞ……人間ども」


そう言って、彼女は火口に飛び込んだ。


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