突入
『ホーク01、切り離す。あとは頼んだ』
「了解」
レヴォトが切り離され、パラシュートを開く。
しかしそれでも、レヴォトは重いため速度があまり落ちず、
ブースターを起動して減速。そのまま着地した。
普通科部隊は物陰から出られないうえ、
機甲科部隊も普通科を守っているため、動けない。
レヴォトは、そのまま敵巨大兵器に向かっていった。
***
~「しなの」艦橋~
「もはやSFだな……」
木村は、敵へと向かうレヴォトを見ながら言った。
「ですね……」
その時、船が大きく傾く。
「な、なんだ?」
「どうやら、潮が大きく引いたみたいです」
「潮……?」
木村は双眼鏡を置き、窓から海を見る。
すると、先ほどまで大量にあった海水が大きく引き、「しなの」は着底していた。
「なんてこった……なんてこった」
木村は、反対側の窓から沖を見る。
他の艦も着底し、動けなくなっていた。
「なんだか嫌な予感がする。警戒を厳にしろ!」
「了解!」
***
~「ラトエソタ」艦橋~
「いい感じに潮が引いたな。
動けなくなった敵艦隊を、今のうちに破壊するのだ!」
「了解!」
「ラトエソタ」は、全砲門を護衛隊群へと向ける。
そして、一斉に打ち出した。
***
~「しなの」艦橋~
「敵、こちらに撃ってきました!」
「艦隊防空! 対空戦闘用意!」
『対空戦闘用意!』
多くの艦からミサイルが発射され、飛んできた砲弾たちを撃ち落とした。
***
「艦隊に目標が移ったぞ! 今のうちだ! 進めぇ!」
止まっていた機甲科や普通科部隊も動き出し、敵へと向かった。
『次弾装填、AP弾。撃て!』
90式戦車が徹甲弾を撃ち、敵の装甲へと飛んでいく。
しかし、その砲弾ははじかれてしまった。
『マジかよ……』
その後もいろんな種類の砲弾をぶつけて行くが、装甲は壊れそうにない。
すると、レヴォトが前に出てきて、装甲を引っぺがした。
「さすが作業用。凄い力だ」
「戦車でも壊せなかった壁を軽々引っぺがすって……」
「引っぺがすのと吹き飛ばすのは違うからな」
戦車の乗員がレヴォトの力に驚いていると、
普通科中隊が空いた穴の中に突入した。
『戦車隊は穴が狭すぎて行けない。レヴォトだけを突入させる』
「了解」
レヴォトは超巨大パワードアーマーというくくりであるため、戦車より小さい。
しかし、戦車ほどの力を持っているのだ。
***
~「ラトエソタ」第23021番通路~
「誰もいないな」
普通科中隊とレヴォト隊は、警戒しながら進んでいく。
しばらく進むと、閉鎖された隔壁を発見した。
レヴォトが隔壁をこじ開け、さらに進んでいく。
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