極度に発達した軍事技術は爆発魔法と見分けがつかない 2
~超巨大魔導兵器『ラトエソタ』艦橋~
「障壁魔法、容量100%! 瓦解!」
直後、大きな衝撃が彼らを襲った。
「2132番ブロックに被弾! 火災発生!」
「さっさと消せ!」
***
『命中! SSM-1、さらに撃て!』
「発射!」
88式地対艦誘導弾が再度発射され、敵巨大兵器へと飛んでいく。
そして、命中した。
すると、その当たった部分から火を吹き出す。
『敵巨大兵器が、火を吹き出した!』
***
~超巨大魔導兵器『ラトエソタ』艦橋~
「13267番光学タレット故障!」
「3732番実弾タレット故障!」
「セレスティアルエネルギー調整室に被弾! 火災発生!」
報告を聞き、スラエットが言う。
「セレスティアルエネルギーは入ってないから、
誘爆は起こらん! さっさと消せ!」
「りょ、了解!」
この『ラトエソタ』は、
本来『セレスティアルエネルギー』と呼ばれるエネルギーを動力に動く。
しかし、この『セレスティアルエネルギー』は超古代技術の結晶であり、
その供給に必要な技術はとっくに失われている。
そのため、この『ラトエソタ』は現在、
『小型融合炉』『エーテルリアクター』『魔導機関』
『恒星力発電パネル』『火力ジェネレーター』『反物質反応炉』
これらのサブ機関を使用して動いているのだ。
ちなみに、魔導機関はルスア中央帝国時代の政府が、
改造により追加した機関である。
***
~超巨大魔導兵器『ラトエソタ』セレスティアルエネルギー調整室~
「これどう使うんだ!?」
そう言いながら、戦闘員が消火器をいじっている。
「くそっ、使えねぇ! これなら水を持ってくんだった!」
彼はそう言って消火器を放り投げた。
その消火器は調整室の壁に突き刺さり、火花を散らす。
直後、あらゆる個所から白い泡が噴出してきた。
「うわぁ!?」
***
『火災が発生していた場所から、白い泡が!
その代わりに、火が消えている!』
そんな報告が入りながらも、自衛隊は攻撃を続ける。
戦車連隊の砲撃により、巨大兵器の前には常時爆煙が立ち上がっていた。
『命中。続けて撃て!』
「次弾装填! AP弾! 関節を狙え! ……ってー!」
90式戦車の砲撃は、敵の足を貫いた。
***
~超巨大魔導兵器『ラトエソタ』艦橋~
「脚部に被弾! オートバランサー故障!」
「『神の矢』、被弾! 使用不能!」
「『神の矢』はセレスティアルエネルギーがないと動かん。
そいつがぶっ壊れても問題はない。
それより、オートバランサーが壊れたのは……」
直後、彼らを再度衝撃が襲った。
「脚部に再度被弾! ジョイント故障!」
「マジかよおい! 仕方ない、固定要塞として使用する!」
『ラトエソタ』は自重を支え切れず、体を地面に落とし、多数の武装を展開。
弾幕を放った。
***
「うわぁああ!」
「物陰に逃げろぉー!」
普通科隊員たちが、建物や戦車の後ろに飛び込んだ。
物凄い量の砲弾や銃弾が遮蔽物にぶつかり、ものすごい音を響かせている。
「くそっ、あれを使うしかないか……『しなの』に連絡!」
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