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終戦

『単独補助システムを起動。衝撃に注意してください』


直後、ドォン、という衝撃と共にパワーアーマーの速度が一気に上がる。

それは、まるで時の流れが遅くなっているような感覚であった。


「よし、行くぞ!」


パワーアーマーを着た隊員たちは、次々に敵を屠っていく。


「動きが遅いな!」


そう言いながら、パワーアーマーを北隊員が超電導ナイフを取り出す。


高周波ナイフとは、陸上自衛隊のパワーアーマー部隊に配備されている、

どんなものでもちょっとの力で切り裂けるナイフである。

ただし、物凄い量の電気を使うため、パワーアーマー着用者でなければ使用できない。


それを使い、少女が『リタリオン』と呼んだ機械の足を切り裂く。

直後、少女が驚愕の声を上げた。


「なっ!?そんな馬鹿な!」


機械がバランスを崩し、前に倒れる。

それにより上に座っていた少女が落下し、頭を地面に強打した。


「いたた……よくもやったわね!」


少女が立ち上がり、杖を構える。


「ふふふ……この私に歯向かったことを後悔させてあげるわ!」


「OK、すぐ死ぬのとちょっとして死ぬのと、

捕縛されるの。どれが好みだ?」


「あんたが死ぬのが好みね!」


彼女はそう言いながら、隊員に向かってとびかかってくる。

しかし……


「正拳突き!」

「ぐぶぉ!」


パワーアーマーによる本気の正拳突きを食らい、少女は吹き飛ぶ。

そして、生け垣に突き刺さった。


「よ、よくもやった、わね……」


そう言うと、彼女は気を失った。

ちなみに、パワーアーマーは人間の約300倍の力を持つ。

そんなものの正拳突きを食らい、生きていることがすごいのだ。


「さて、進むぞ」

「この子はどうします?」

「保護だ。ヘリでも呼んどけ」

「はい」


隊員たちは、城の中へと入って行った。


***

~城内・ロビー~


「前方に人影」

「武器は?」

「持ってません」

「スルーしろ」

「了解」


隊員は箒を持ったメイドの横を、素早く通った。

それこそ、肉眼では見れないほどの速度で。


「今、何か通った?」


メイドが、そうつぶやいた。


***

~城内・2F~


「前方に兵士」

「撃て」


サプレッサー付きの銃口から、弾が飛んでいく。

そして、兵士を打ち抜いた。

隊員たちは、その死体の横をすり抜ける。

そして、玉座に到達した。


***

~城内・玉座~


「な、なんだお前らは!」

「答える義理はないな」

「衛兵、衛兵ー!」


しかし、誰も来ない。


「まぁみんな死んでるしね」

「くそっ!」

「さて、行きましょうか」

「いったいどこにだ!?まさか、拷問か……?」


教王がそう言うと、隊員はきょとんとした顔をした。

まあ、パワーアーマーのヘルメットで見えないのだが。


「裁判所ですよ、裁判所。日本の司法で、裁きを受けてもらいます」


***


こうして、日教戦争は終結したのである。

そして、日本は戦後処理に追われることとなった。


数日後。

トレイ教国はトレイ共和国として生まれ変わり、

取り込まれていた国は、独立したのであった。


教王や王子は裁判にかけられ、

無期懲役を言い渡された。


***


戦争が終わり、平和になった日本。

日本は、高度文明圏国家との接触を目指していた。

高度文明圏国家と接触するには、

『禁断の海域』と呼ばれる海域を越えなければならない。

この海域を越えるには、

教国の持つ魔道具『導きの縦笛』が必要である。

日本は、この魔道具を使って『禁断の海域』を越えることにした。


***

~巡視船「あきつしま」船橋~


「ここを右です」

「わかりました。おもか~じ!」


導きの縦笛は、日本人では使えない。

そのため、教国人の案内人を乗せていたのだ。


「しかし、なんで道が分かるんです?」

「笛を吹けば、わかるんですよ」

「どーゆー理論ですか……」

「わたしにもわかりません」


巡視船や護衛艦は、霧に包まれた海域を進んでいく。


「あ、そこの岩礁を左に」

「はい。と~りか~じ」


船橋内が、沈黙に包まれる。


「……」


しばらくすると、レーダー員がいった。


「前方に反応。巨大な船です」

「わかった、いったん停船だ」


艦隊がゆっくりと止まる。

そして、霧の向こうから黒い船が現れた。


「戦艦……か?」


巡視船「あきつしま」船長の、加藤真一がそうつぶやいた。

その黒い船は、甲板に巨大な砲を持っている。

そして、艦橋らしきものの上には、測距儀?が付いている。

相手は、船腹の投光器を使い、モールス信号を送ってきていた。


「キ……セ……ン……ノ?」

「シ……ヨ……ゾ……ク……ヲ?」

「ジ……ヨ……ウ……コ……ク……セ……ヨ?」

「貴船の所属を上告せよ……ですかね」

「よし、こっちも投光器のモールス信号で応答だ。

こちら日本国海上保安庁、巡視船「あきつしま」。

高度文明圏国家との接触を目的としてやってきた」


投光器によるモールス信号で、そう伝える。

すると、再度投光器によるモールス信号で答えが戻ってきた。


「えーっと……シヨウハスウヲイカノモノニヘンコウセヨ……か」


そのあと、モールス信号で周波数が送られてくる。

「あきつしま」の無線をそれに変更すると、声が聞こえてきた。


「接触目的、了解しました。

貴船には導きの縦笛が見受けられますね。

私たちは、高度文明圏国家の監視と保護を任務としております。

航行を許可しますが、制限速度を守って進んでください。

航路から逸脱したり、

不審な行動を取った場合は警告なしに攻撃を行いますので、

ご注意ください」

「了解しました。航路を守って進みます」

「承知しました。安全な航行を」


加藤は、相手の戦艦とのやり取りが終わった後、一息ついた。

導きの縦笛の案内人が、巡視船「あきつしま」の船橋にいる隊員たちに向かって微笑む。


「無事に接触できそうですね。このまま航路を守って進んでいきましょう」


巡視船「あきつしま」は、霧に包まれた海域を進んでいく。


「あの船、本当に高度文明圏国家のものなのか?」


と加藤が心配そうに尋ねると、案内人は微笑みながら答えた。


「はい、間違いありません。彼らは監視と保護を任務としているようです。

安心して進んでください」


巡視船「あきつしま」は黒い船と向き合い、

警告を受けた後、制限速度を守りながら航行を続けた。

船長と隊員たちは、高度文明圏国家との接触を果たすことに胸を躍らせていた。


「これで、日本の新たな展望が広がるんだな」


と一人の隊員がつぶやいた。


「そうだな。これから先のことは分からないが、

一歩ずつ進んでいくしかない」


と加藤が頷いた。

巡視船「あきつしま」は、霧の向こうに高度文明圏国家が待つ海域へと進んでいったのである。

日本は新たな未知の世界との出会いに胸を躍らせ、平和な航海を続けていくのだった。

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