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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第7章 「邪神」との対決

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第160話 怒る者達・2


 「どういう事だ貴様ぁ! 説明しろぉ!」


 と、ジェフリーに向かって怒声を浴びせたウィルフレッド。それを受けて、


 「ひ、ひぃ!」


 と、ジェフリーはその場に腰を抜かしそうになった。


 そんな2人のやり取りを見て、


 (う、うわぁ。ウィルフレッド陛下、凄い怒ってるなぁ)


 と、水音はタラリと汗を流しながら、心の中でそう呟いた。


 その後、鬼のような形相で睨んでくるウィルフレッドを前に、ジェフリーは深呼吸すると、


 「し、失礼しましたウィルフレッド陛下。そして、勇者様方。どうやら、我々の方で何か手違いがあったようですね」


 と穏やかな笑みを浮かべながらそう言った。


 しかし、


 (……は? 『手違い』だって?)


 その言葉は、水音の神経を大きく逆撫でした。


 いや、水音だけではない。歩夢や美羽、爽子ら他の勇者達も、ジェフリーの言葉を聞いて怒りに満ちた表情になった。当然だろう、春風が止めなかったら、自分達は危うく()()()()にされそうになったのだから。


 しかし、そんな水音達の心境を知らないジェフリーはというと、


 「ま、まぁそれよりも……雪村春風ぁ!」


 と、ギロリと春風を睨みつけたので、


 「あぁ、そういえばお久しぶりでしたね、ジェフリー・クラーク教主殿?」


 と、春風は不敵な笑みを浮かべながらそう挨拶(?)した。


 その挨拶を聞いて、ジェフリーはピキッとなると、


 「黙れこの悪魔め! 貴様、よくも我々を騙してくれたな!」


 と、怒りに任せて春風をそう罵った。


 その罵声を聞いて、


 (こ、コイツ……!)


 と、水音が更に怒りに満ちた表情になったが、


 「おやおやぁ? 『騙す』とは一体何の事を言ってるのですかぁ?」


 と、春風は落ち着いた表情で、まるで挑発するかのようにジェフリーに向かってそう尋ねた。


 その言葉にジェフリーは更に怒りが増したのか、


 「な、何の事だと!? 貴様、自分が固有職保持者だという事を我々に隠してたではないか!」


 と、怒鳴るようにそう答えたが、


 「ま、確かにそれだけなら『騙す』って事になるでしょうけど、全て嘘って訳じゃないですよぉ。ほら、俺、『勇者』じゃないですし」


 と、春風は「あっはっは……」と笑いながらそう言い返したので、


 (ああ、春風。すっごい悪い顔してるなぁ)


 と、水音は苦笑いした。


 その後、


 「き、貴様ぁ! 私をこれ以上怒らせたいのかぁ!?」

 

 と、ジェフリーは顔を真っ赤にしながら怒鳴るようにそう尋ねると、


 「それはこっちのセリフだ! 手違いだかなんだか知らねぇけど、よくも先生やクラスのみんなに変なものをつけさせようとしやがって! こちとら怒りではらわた煮えくりかえってんだよ!」


 と、春風は先ほどまでの他人を小馬鹿にしたような態度とはうって変わって本当に怒りに満ちた表情でそう怒鳴った。


 その言葉にジェフリーは一瞬怯んだが、すぐに首をブンブンと横に振って、


 「だ、黙れ黙れ黙れ! 仲間を置いて去った貴様に、そんなセリフを吐く資格などない!」


 と、春風に向かってそう怒鳴り返した。


 しかし、春風はそんな言葉に怯まず、


 「確かに事情はどうであれ、俺はみんなを置いてルーセンティア王国を飛び出した。その事については本当に申し訳ないって思ってるよ。だからこそ、こうして再会した今、俺はもうみんなのところから離れる気はない。まぁ、離れる時はその前にきちんとみんなと話し合うさ。そして、無事にこの世界を救ったら、俺はみんなを連れて故郷に帰る。当然、この世界と俺達の故郷『地球』、どちらも幸せになるようにしてからな!」


 と、毅然とした態度でそう言い切った。


 その言葉を聞いて、


 (うぅ、春風。この世界に来てまた大きく成長したなぁ)


 と、水音は目をウルウルとさせながら感動した。勿論、他の勇者達だけでなくウィルフレッド達も「おぉ……」と感動していた。


 だが、


 「き、貴様。やはり貴様は、ここで滅ぼさねばならないようだな!」


 と、ジェフリーは更に怒りを募らせたので、


 「待て、ジェフリー・クラーク!」


 と、ウィルフレッドが春風とジェフリーの間に入った。


 突然の事にジェフリーが「何故ソイツを庇うような事をするのですか!?」とウィルフレッドを問い詰めると、


 「確かに、春風殿には『悪魔』の力が宿っている。しかし、彼は異世界『地球』の神々がこの世界に遣わした、いわば『異世界の神の使徒』だ。その使徒に手を出す事は、たとえ5柱の神々が許しても、私が絶対に許さん!」


 と、ウィルフレッドはジェフリーに向かってそう言い放った。それに続くように、


 「そうだぜ!コイツはいずれ、俺達『ストロザイア帝国』がもらうんだ! 勝手な事はさせねぇよ!」


 「そうですよぉ。春風ちゃんを傷つけるなんて、絶対に許しませんからぁ」


 と、ヴィンセントとキャロラインも、春風を庇うようにジェフリーに向かってそう言い放った。更にそれに続くように、


 「ちょっとそこのお二方、あなた達も勝手な事を言ってはいけませんよ」


 「そうだ! 春風は大事なレギオンメンバーなんだから……!」


 「僕達に話をつけてからにしてほしいですね」


 と、ハンターギルド総本部長のフレデリック、大手レギオン「紅蓮の猛牛」リーダーのヴァレリーと、もう1つの大手レギオン「黄金の両手」リーダーのタイラーまでもが、春風を庇うように前に立った。


 そして最後に、


 『……』


 水音を含めた勇者達や、レナをはじめとした春風の仲間達も、皆、春風の前に立ってジェフリーを睨みつけた。


 大勢の人達に睨まれて、


 「こ、こんな……こんな事が……!」


 と、ジェフリーがショックで顔を真っ青にした、まさにその時、


 「いやー、良いもの見させてもらったわぁ!」


 という声がしたので、水音達は思わずその声がした方へと振り向くと、そこには1匹の黒い大きな狼がいたので、


 (え? 狼?)


 と、水音が首を傾げると、


 「あ、()()()()()!」


 と、春風はその黒い狼をそう読んだので、


 『……え?』


 水音を含めた勇者達は、一斉に首を傾げた。

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