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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第7章 「邪神」との対決

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第153話 対決前夜・3


 (え、えぇ? 何この状況? 何でエヴァン君と小日向さんが!?)


 と、目の前にいる騎士とクラスメイトの少女を見て、水音はそう戸惑いながらも、その少女について思い出し始めた。


 彼女の名前は、小日向(こひなた)(ゆう)


 水音のクラスメイトにして、エルード(この世界)に召喚された「勇者」の1人だ。


 性格はとても真面目で、同じくクラスメイトの1人で親友である御影(みかげ)千寿(ちひろ)と共にクラスを支える委員長的な人物である。


 水音自身はクラスメイトである以外で小日向優……以下、優との付き合いはないが、思い出す限りでは彼女に関する恋愛話は聞いてないので、現在、自分の目の前で起きてる事に内心では驚いていた。それ故に、


 「え、ええっとぉ、これどういう状況?」


 と、水音が小声で祭達にそう尋ねると、


 「し、知らないわよ! 私達だって今ここに来たばかりなんだから!」


 と、祭が怒鳴るようにそう答えた。勿論、水音と同じように小声で、だ。


 その後、


 「静かに! 2人が何か話すぞ!」


 と、絆も小声でそう言ってきたので、水音と祭は黙って様子を見る事にした。


 さて、一方水音達に見られているとは知らないエヴァンと優はというと、


 「「……」」


 2人とも恥ずかしそうに顔を赤くしながら黙ったままで、一言も声を発しようとしなかったが、


 「「あ、あの……!」」


 と、2人同時にそう口を開いたので、


 「な、何?」


 「え、えっと……()こそ、どうしたんだ?」


 と、お互い更に顔を真っ赤にしながらそう尋ねあった。


 それを聞いて、


 「ゆ、優!? 今、エヴァン君、小日向さんの事、名前で呼ばなかった!?」


 「よ、呼んだ呼んだ! 確かに、『優』って呼んでた!」


 「何だ!? アタシらが帝国に行ってた間に何があったんだ!?」


 「……」


 と、水音達は驚きのあまり目を大きく見開いた。


 その後、エヴァンと優はお互い深呼吸すると、また暫く黙り込んだが、


 「……エヴァン……さん」


 先に優が口を開いたので、エヴァンはそれに「な、何だ?」と返事すると、


 「その……雪村君には、会えたの?」


 と、優は気まずそうな態度でそう尋ねた。


 その質問を聞いて、エヴァンは「あ……」と声をもらすと、


 「ああ、会えたよ。あの日の事、彼に謝罪した」


 と、夜空を見上げてそこに浮かぶ月を眺めながらそう答えた。


 その答えを聞いて、優が「そう……」と呟くと、


 「ただ、その前に彼に『あの日のリターンマッチをしないか?』と尋ねられて、私は……彼と戦ったんだ」


 と、エヴァンはそう話を続けたので、


 「は、はぁ!? 戦ったって、何をやってるの!?」


 と、優は驚きのあまりエヴァンに掴み掛かる勢いでそう問い詰めたが、すぐにハッとなって、


 「ご、ごめんなさい」


 と、謝罪した。


 それを聞いて、エヴァンが「いや、気にしないでくれ」と言うと、


 「そ、それで、勝敗はどうなったの?」


 と、優が再びそう尋ねると、


 「結果は、私の負けだ。そして、それが決まった後、私は彼にあの日斬りかかった事を謝罪したんだ」


 と、エヴァンはその時の事を説明し始めた。


 そう、春風とのリターンマッチから、彼に負けた事。その後、春風に謝罪した後、春風からも……。


 ーー指、怪我させたり、蹴り飛ばしたりして、すみませんでした。


 と、謝罪された事についても、だ。


 その話をして、


 「そ、そんな事があったんだ。雪村君、優しすぎるよ」


 と、優は最後呆れ顔になると、


 「……そうだな、彼は優しい人間だよ。あれから彼とは何度も話をしたりしてるんだ。口では『自分の幸せの為に人を利用してるだけ』などと言ってたが、それでもこの世界の為に一生懸命動いているんだ。悪いのはこちらだというのに……」


 と、エヴァンはそう言うと、最後は本当に申し訳なさそうな表情になった。


 それを聞いて、優は「そ、そうなんだ」と言うと、


 「じゃあ、あなたはもう雪村君に対して何か思ったりしてないの?」


 と、エヴァンに向かってそう尋ねた。


 その質問を受けて、


 「ああ。私はもう、彼に対して恨みも怒りも抱いてはないよ。寧ろ、『良き友人』が出来たって思ってるんだ」


 と、エヴァンは穏やかな笑みを浮かべながらそう答えた。


 その答えを聞いて、優が「そうなんだ」と笑みを浮かべる中、


 「ああ、確かに春風とエヴァン君、あれからすっかり仲良くなったなぁ」


 「うんうん。彼、人と仲良くなるの凄く上手いよねぇ」


 「ああ。普段教室で見てる時とはえらい違いだな」


 「そ、そうだね」


 と、水音達はウンウンと頷きながらそう言いあった。


 すると、


 「優……」


 と、エヴァンはガラリと真剣な表情になって優を見つめてきたので、


 「な、何?」


 と、優は若干警戒すると、


 「明日、優もループス様と対決するのだろ?」


 と、エヴァンは真剣な表情を崩さずにそう尋ねてきた。


 その質問を聞いて、水音達が「むむ!?」と緊張する中、


 「う、うん、そうだけど……」


 と、優が恐る恐るそう答えると、エヴァンは更に真剣な表情で、


 「私は……優に戦ってほしくないと思ってる」


 と、優に向かってそう言った。

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