第152話 対決前夜・2
前回の話ですが、あれから少し加筆修正しました。
そして現在、爽子達と共に春風達の家から宿屋に戻った水音は、自室に入るなりすぐにベッドに飛び込んで、
「あああああ、どうしようどうしようどうしよう!」
と、隣の部屋に聞こえないように小声でそう叫びながら、激しく悶絶しだしたという訳である。
ベッドの上で頭をかかえて、全身を激しくクネクネとさせながら、
「春風のあの目、あれ絶対に僕が嘘言ってるって思ってる目だよぉ〜」
と、弱々しくそう呟いた水音の脳裏に浮かんだのは、
(エレン。そして祈さん……)
帝都からこのフロントラルに出発する前日の夜、祈と共にエレクトラの部屋で一晩過ごした時の記憶だった。
あれから水音と祈は、フロントラルに向かう道中は進や祭、もっと言えばキャロラインらに知られないように、あの夜の事は必死になって隠していた。それは、このフロントラルに着いてからも、再会した歩夢や鉄雄ら他のクラスメイト達にもバレないように、必死になって隠していたのだ。
勿論、それは春風や凛咲に対しても同様だった。
しかし、何処までかはわからないが、春風は明らかに気付いているようだったので、いずれ全部が知られてしまったらと思うと、水音は気が気ではなかった。
何故なら、水音が知っている「春風」という人物は、普段は穏やかだが一度「やる」と決めた事は、何があっても、どれだけ時間がかかっても絶対にやり遂げるという強い意志の持ち主で、特に激しく怒ってる時は、どれだけの邪魔が入ろうとそれらを全力で潰してから目的を達成するタイプの人間だからだ。
(春風、怒らせると本当に怖いんだよなぁ)
そして今回、このエルードで水音は、理由はどうあれ春風から止められてるにも関わらず、爽子やクラスメイト達だけでなくウィルフレッドらルーセンティア王国の王族達や、ヴィンセントらストロザイア帝国の皇族達に、春風がどういう人物なのかを暴露してしまってる。
その事では春風は最終的に許してはいるが、先ほど見た春風の瞳には、激しい怒りの炎の他にドス黒い何かがあるのが見えたので、もしかしたら春風は、まだ水音の事を許してないのではいかと疑問に感じてしまっているのだ。
暫くベッドで悶絶した後、
(お、落ち着け、落ち着くんだ桜庭水音! 大丈夫! あの様子からして、春風はエレンの事は多少気付いてるけど、祈さんの事は気付いてない筈だ!)
と、心の中でそう呟いた水音は、ベッドの上で仰向けなると、ゆっくりと上半身を起こして、ゆっくりと深呼吸した。
そして、どうにか気持ちを落ち着かせると、
「うん、ここでウジウジしててもしょうがない」
と、結論づけて、水音は気分を変えようと部屋の外へと出た。
廊下は灯りがついてはいるがとても静かで、水音は1人スタスタと歩きながら、
(みんな、もう寝てしまってるのかな?)
と、疑問に感じていた。
やがて、宿屋の中庭に繋がる廊下に出ると、
「あれ? 誰かいる?」
と、壁に張り付いている複数の人影があったので、水音は気付かれないようにソーッとその人影に近づくと、
「あ、祈さん。それに、祭さんに絆さんも」
その正体は、祈、祭、絆の3人だったので、
「あのぉ、みんなここで何してるの?」
と、水音が静かにそう話しかけると、
「「「っ!」」」
ビクッとなった3人はすぐに水音の方へと振り向いて、大慌てで水音に近づくと、
「「「シーッ!」」」
と、水音に「静かにして!」と言わんばかりに自身の人差し指を立てて、自分達の口に近づけた。
それを見た水音は、
「ちょ、ちょっと、どうしたの?」
と、大慌てで3人に向かってそう尋ねると、3人は強引に水音を壁に引き寄せて、
「「「アレ! アレェ!」」」
と、何故か中庭を指差しながら小声でそう言ってきたので、
「ん? あれ?」
と、水音はソーッと3人が指差した先を見ると、中庭の中央にあたる部分に2つの人影が見えたので、水音は「んん?」とその人影をジーッと見つめると、
「……あれって、エヴァン君と……」
そこにいたのは、ルーセンティア王国の若き騎士であるエヴァンと、
「小日向さん?」
クラスメイトの少女だった。
(何で、エヴァン君と小日向さんが……?)
と、水音はそう疑問に思いながら2人をよく見てみると、
「……え?」
月の光に照らされた2人の顔が、真っ赤になってのが見えた。
謝罪)
遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。
前回の話ですが、ちょっと体調を崩してしまい、その日のうちに書いて投稿する事が出来なかったので、予定よりもかなり遅れた投稿となってしまいました。
また、前書きにも書きましたが、前回の話を読んで、少しおかしかったところがあったので、少し加筆修正させてもらいました。
本当にすみません。




