第145話 そして、「学級裁判」へ
純輝達が、春風に対して「学級裁判を行う」と決意したその時、
「むむ?」
と、凛咲が何かを感じたので、
「師匠、どうしたんですか?」
と、水音がそう尋ねると、
「ちょーっと失礼」
と、凛咲はそう言って部屋を出て行った。
その後、
「うぅ。アメリアさん、辛かったんですね」
「あはは……」
と、純輝達がアメリア達から、自分達の事情から春風との出会い、そしてギデオン達との戦いから今日まで過ごしてきた日々について聞いていると、部屋の扉が開かれて、
(……あ、春風)
と、水音がそう気付いたように、扉の向こうから春風が現れたので、
「あ……」
と、純輝はそう声をもらした。
それからすぐに、
「フーちゃん!」
と、歩夢が春風に向かって駆け出し、それに続くように、美羽や鉄雄達も春風に向かって駆け出した。
そんな中、
(春風。どうやらそっちも話し合いが終わったみたいだね)
と、水音が心の中でそう呟くと、
「雪村君!」
と、純輝が春風に鋭い視線を向けながらそう言ったので、
「あ、正中君」
と、それに気付いた春風がそう呟くと、
「桜庭君達から、全部聞いたよ」
と、純輝は怒り顔でそう言いながら、ズンズンと音を立てて春風に近づいた。
そして、春風のすぐ傍まで近づくと、春風の両肩をガシッと掴んで、
「君は……君って奴はぁ!」
と、震えた声で怒鳴るようにそう叫んだ。
それを見て、
「ま、待ってくれ正中く……!」
と、水音は純輝を止めようとしたが、言い終わる前に春風が口を開く。
「正中君、それにみんな。事情があったとはいえ、何も言わずにみんなのもとを去って、ごめんなさい」
と、そう謝罪した春風に、純輝達が「う……」とたじろいでいると、春風は更に話を続ける。
「俺がルーセンティア王国を飛び出した後の事は、ユメちゃん達から聞かせてもらいました。俺の事、『許せない』と、『裏切り者』と思うなら、そう思ってくれて構いません。それだけの事を、俺はしてしまったのだから……」
と、そう言った春風を見て、
(ああ、春風。僕達の元を去った事、本気で辛かったんだな)
と、水音は何とも言えない表情になりながら、心の中でそう呟いた。
その後、
(でもね春風。正中君が怒ってるのは……)
と、水音がチラッと純輝を見ると、
「そうじゃない!」
と、純輝は春風の肩を掴んだままそう叫んだ。
その叫びを聞いて、
「……え? ま、正中君。今、なんと?」
と、春風は恐る恐る純輝に向かってそう尋ねると、
「君が僕達のもとから去った理由は理解出来た! それもまぁ許せないけど、それ以上に僕達は……」
純輝は、春風の肩を掴む力を強くしながら答える。
「君が僕達に黙って、立派なマイホームと可愛い弟&妹と美人のお姉さんをゲットした事に怒ってるんだぁ!」
その叫びから数秒後、
「そっちかよぉおおおおおっ!」
と、春風はそう叫び、
(そうなんだよぉおおおおお!)
と、水音は心の中でそう叫んだ。
それはさて置き、純輝は春風の叫び(?)を無視すると、
「先生!」
と、いつの間にか部屋に入ってた爽子に声をかけた。それを聞いて、
「な、何だ正中……?」
と、爽子は恐る恐るそう返事すると、
「今すぐ『学級裁判』をしましょう! 被告人は雪村君で!」
と、純輝は爽子に向かってそう言った。
その言葉を聞いて、
「ちょ、ちょっと待って正中君! 今はそんな場合じゃ……!」
と、春風は猛反対しようとしたが、
「わかった! すぐにやろう!」
と、爽子はあっさり「OK」を出したので、
「え、えぇ!? そんな先生……!」
と、春風がショックを受けていると、
「それなら丁度会議室が空いてますから、そこでやりましょう」
と、オードリーがそう提案してきたので、その言葉に「え? え?」と戸惑う春風を無視して……。
「これより、学級裁判を開始する」
あれよあれよという間に、春風を被告人とした「学級裁判」が始まった。
「何でこうなった!?」
と叫ぶ春風を見て、
(自業自得だからだよ、春風)
と、水音は心の中でそう呟いた。




