第118話 幾つかの疑問
今回はいつもより短めの話になります。
アメリア達の事情と「先の事」についての話を聞き終えて、
(と、取り敢えず、これで一応話は纏まった……のかな?)
と、水音がそう疑問に思っていると、
「あー、あのぉ、ちょっと良いでしょうか?」
と、恵樹が「はい」と手をあげたので、
「ん? どうしたの野守君?」
と、耕がそれに応えると、
「さ、さっきは重苦しい雰囲気だったから聞けなかったけど、村長の息子さんって人はどうなったの? 全員殺されたって話だったがから……」
と、恵樹は気まずそうにアメリア達に向かってそう尋ねてきた。
その質問を聞いて、水音達も「あ、そういえば」とアメリア達に視線を向けると、アメリアも「ああ、そういえば」と今思い出したかのような表情になった後、
「その……説明の後で話すのもなんですが、実は村のみんなは全員が殺されたという訳じゃなくて、何人かは私達第2小隊が来る前に村を脱出していたんだ。その中には、ブレントと彼の母親も……」
と、アメリアも気まずそうにそう答えた。
その答えを聞いて、
「え、じゃあ生きてるって事なんですか!?」
と、今度は美羽が目を大きく見開きながらそう尋ねてきたので、
「そ、それは、わかりません。あの後私達は、殺された両親と村のみんな、そして姉さんの仲間達を埋葬して、すぐに村を離れました。ですから、ブレント達がどうなったのかは、私達にもわかりません。ただ、生き残ってたとしても、私の『呪い』を受けたブレントは、今後まとも生きられるかどうかは……」
と、アメリアの代わりにエステルがそう答えた。
その答えを聞いて、美羽だけでなく水音達までもが「マジか……」とタラリと汗を流していると、
「そうだったのですか。それで、アメリア様達は村を出た後どうしていたのですか?」
と、イヴリーヌがそう尋ねてきたので、それにアメリアが答える。
「村を出た後、私達は五神教会から逃げるようにあちこちを旅してました。そして、このフロントラル付近の森で休んでいた時に……」
「春風様に出会ったのですね?」
「その通りです。その後、私達と春風君はギデオン大隊長らと戦う事になって……」
と、アメリアはそう答えると、最後に申し訳なさそうな表情になって、
「本当に、彼には申し訳ない事をしてしまったと思ってます。私達と出会った所為で、彼が大隊長と戦うなんて事になってしまったのですから」
と言うと、最後に顔を下に向けた。
そんなアメリアを見て、水音達が「うーん」となんともいえない表情になっていると、
「そうだったのねぇ。ところでアメリアちゃん」
と、それまで黙ってたキャロラインが口を開いたので、それにアメリアが「何ですか?」と返事すると、
「春風ちゃんとギデオン大隊長の戦い、アメリアちゃん達も見たんだよねぇ? それ、どんな感じだったの?」
と、キャロラインがそう尋ねてきた。
その質問を聞いて、アメリアは最初「ムッ!」と唸ったが、すぐにブンブンと首を横に振るって、
「それは……とても凄まじかったです」
と、答えた。
その答えを聞いて、
「へぇ、そうなのぉ。いーなー。私も見たかったなぁ」
と、キャロラインが「羨ましい」と言わんばかりに頬を膨らませながらそう言ったので、
(いや、あなた何を言ってるのですか?)
と、水音は「オイオイ」と言わんばかりの眼差しをキャロラインに向けた。
その時だ。
「あら。それなら私、みんなに見せる事が出来るよ?」
と、それまで黙っていたアマテラスがそう言ってきたので、
『え、出来るんですか!?』
と、水音達は「ま、マジで!?」と言わんばかりの表情でアマテラスを見た。
その視線を受けて、
「勿論よ! 神様を舐めないでよね!」
と、アマテラスは胸を張って親指をグッと立てながらそう言ったので、それに水音達がポカンとなる中、
「それで、みんなはどうする? 見たい? 春風君の大活躍を!」
と、アマテラスは満面の笑みを浮かべながら、水音達に向かってそう尋ねた。
その質問を受けた水音達は、皆、「フッ……」と笑うと、
『お願いします! 僕達にも見せてください!』
と、水音達はアマテラスに向かって土下座する勢いで頼み込んだ。
そんな彼らを見て。
「オッケー!」
と、アマテラスは笑顔でそう返事した。




