第114話 エステルの「力」
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
あれから水音達は、エステルひたすら謝罪をし、
「だ、大丈夫です。私なら大丈夫ですから」
と、彼女から許しをもらうと、改めて話を聞く態勢に入った。
少しの間沈黙していると、
「えっとぉ、ちょっと良いですか?」
と、恵樹が「はい」と手を上げたので、それに水音達が「ん?」と反応すると、
「アメリアさんに、エステルさん。ディック君とピート君ってどういう関係なんですか? なんかお互い顔見知りって感じなんですけど……」
と、恵樹が恐る恐るそう尋ねてきたので、それを聞いて水音達も、
『あ、そういえば……』
と、皆ハッとなった。
その質問に対して、アメリアが「あぁ……」と声をもらすと、
「私達4人は同じ村で育った幼馴染みだよ。ただ、その村はもうないけどね」
と、アメリアは悲しみを含ませたような笑みを浮かべながら答えたので、その瞬間、食堂内がなんとも微妙な雰囲気になった。
水音をはじめ、誰もが気まずそうにしていると、
「エステルちゃん、ちょっと質問して良いかしら?」
と、今度はキャロラインがエステルに向かって声をかけてきたので、それにエステルが「は、はい」と返事すると、
「『呪術師』の職能だっけ? それっていつの間にか持ってたものなの? 固有職保持者って生まれた時から職能を持ってるって話だったから」
と、キャロラインがそう尋ねてきた。
その質問を聞いて、エステルは「それは……」と答え難そうに表情を暗くしたが、すぐに首をブンブンと横に振るうと、
「はい。この力に気付いたのは、私がまだ幼い時でした」
と、真っ直ぐキャロラインを見ながらそう答えた。そして、そんなエステルに続くように、
「エステルと一緒に遊んでた俺が、酷い怪我を負ってしてしまったんです」
と、ディックが申し訳なさそうな表情でそう説明した。
その後、エステルが再び口を開く。
「その時は私達以外周りには誰もいなくて、『私が何とかしなきゃ!』って思ってたら……」
「その『力』が発現して、彼を助けたって事ですか?」
そう尋ねてきたイヴリーヌに、2人がコクリと頷くと、
「あの時は、一体何が起きたのか私にもわからなくて……」
「それで、ちょっとふざけた感じで、『ステータス出してみたら?』と彼女に言ったんです。そしてら……」
と、2人は表情を暗くしながらそう説明したので、
「まさか、出てきたというのか?」
と、今度はレオナルドがエステルとディックに向かってそう尋ねた。
それにも2人はコクリと頷くと、
「ステータスを出せるのは15歳……『成人』になった時からだと、5神教会の信者だった両親からそう教わってきました。ですから、ディックに言われた時は私自身も『まさか』と思ってたのですが、本当に出せただけでなく、既に職能まで身に付けていたとわかった時は凄く驚きました」
と、エステルは暗い表情のままそう言った。
それを聞いて、誰もが何も言えないでいる中、
「……ところで、その『呪術師』ってどんな職能なの?」
と、それまで黙って話を聞いていたアデレードがそう尋ねてきたので、
「わかりやすく言いますと、相手に良い影響を与える『呪い』と、逆に悪い影響を与える『呪い』を扱う職能です」
と、エステルはそう説明した。
それを聞いて、
「ま、呪いと……」
「呪いって……」
と、進と耕がタラリと汗を流しながらそう言い、
「なるほど。まさに『表』と『裏』、『光』と『闇』といったところか……」
と、レオナルドは納得の表情を浮かべながらそう言い、
「ちょっと辛い質問になるが、君のご家族はその力を知ってたのかい?」
と、エステルに向かってそう尋ねると、彼女は未だに暗い表情のまま、
「……いいえ。この力の事は、姉さんと両親には内緒にしてました。特に先程も言いましたように、私の両親は5神教会の信者で、2人からいつも神々についての事から、職能について、そして固有職保持者がどういう存在かを聞かされてきました。だから、両親にも姉さんにも言う事が出来ず、私以外に知ってるのはディックだけでした」
と、首を振りながらそう答えると、最後にチラッとディックを見て、それに気付いたディックも、
「その事は、俺も幼い頃からずっと聞かされてきました。だから、エステルが固有職保持者だってわかった時、言おうか迷いましたが、エステルは……その……大切な存在ですので……」
と、そこまで言って最後は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。それと同時に、エステルもディックを見て顔を真っ赤にした。
そんな2人を、水音達も「え?」と顔を赤くしながら見て、キャロラインはというと、
「あらあらぁ……」
と、「ちょっと良いかも」と言わんばかりの笑みを浮かべていた。
その後、エステルとディックはハッとなって真面目な表情になった後、
「と、とにかく! そんな感じで私達はずっとこの力の事は秘密にしてきたんです」
と、エステルは恥ずかしさを吹き飛ばすように語気を強くしながらそう言った。その言葉を聞いて、
「そうだったのですか。それは、お2人にとって辛い事だったのでは?」
と、イヴリーヌがそう尋ねると、
「はい、特に今年は私もディックも『成人』になる年でしたので、この力の事がついに知られてしまうのではと、不安になる日々でした」
と、エステルは悲しそうに表情を暗くしながら答えた。その答えを聞いて、
(それは……当然だよな)
と、水音も心の中でそう呟きながら、エステルように表情を暗くした。
すると、
「そんな時です。あの『事件』が起きたのは……」
と、エステルがそう口を開いたので、
「あら、『事件』って何が起きたのかしら?」
と、今度はキャロラインがそう尋ねてきて、エステルが再び「それは……」と答え難そうな表情になると、
「ブレント……村の村長の息子が、エステルを無理矢理自分のものにしようとしたんだ」
と、ディックが震えた声で、エステルの代わりに答えた。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ず、結果、1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




