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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第6章 「友」との再会

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第110話 「和解」


 「それまで! 勝者、春風!」


 と、凛咲がそう叫んだように、春風とエヴァンの戦いは、春風の勝利に終わった。


 それが決まった瞬間、周囲から「わぁ!」と歓声があがる中、


 (す、凄い、勝っちゃったよ!)


 と、水音は目の前で起きた事に胸が熱くなるのを感じて、すぐに春風のもとへと駆け出そうとしたが、


 「春風!」


 「フーちゃん!」


 「春風君!」


 と、それよりも早く、レナ、歩夢、美羽の3人が駆け出したので、水音はタイミングを逃してその場にピタッと立ち止まった。


 その後、3人に抱きつかれて「うわぁ!」と驚く春風の姿を見て、少しずつ冷静になった水音は、ゆっくりと深呼吸すると、春風達に近づいて、


 「春風。右腕、大丈夫?」


 と、尋ねた。その質問を聞いて、春風はゆっくりと先程の戦いでダメージ受けた右腕をゆっくりと上げると、


 「まだちょっと痛むけど、問題ないよ」


 と、ニコッと笑いながら答えた。ただ、それでも何処か無理をしてそうに感じたのか、


 (春風……)


 と、水音は少しだけ悲しそうな表情になった。


 それからすぐに、


 『雪村ぁーっ!』


 『雪村くーんっ!』


 と、進をはじめとしたクラスメイト達も春風に駆け寄り、怒涛の勢いで彼に詰め寄ると、


 「春風ちゃーん! 凄い戦いだったわよぉ!」


 と、キャロラインも春風に駆け寄ってそう感想を言い、


 「ああ。実に見事だった」


 と、レオナルドも春風を褒めたが、


 「『化身顕現』、見たかった」


 と、アデレードは頬を膨らませながらそう言った。どうやら、楽しみにしていた春風のオリジナル魔術「化身顕現」を見られなかった事に不満があるようだったので、そんな様子の彼女を見て、水音は「はは……」と頬を引き攣らせていた。


 すると、


 「エヴァン……」


 という声が聞こえたので、それを聞いた水音が「ん?」とその声がした方へと視線を向けると、


 「ヘクター隊長、情けない姿を晒してしまい、申し訳ありませんでした」


 そこにはヘクターに向かって申し訳なさそうに頭を下げて謝罪するエヴァンの姿があった。


 そんなエヴァンに向かって、


 「いや、騎士に恥じない実に立派な戦いだったぞ」


 と、ヘクターはニコリと笑いながらそう言ったので、それを聞いたエヴァンは泣きそうになりながらも、


 「ありがとう……ございます」


 と、ヘクターに向かってお礼を言った。


 その後、


 「彼に言いたい事、あるんでしょう?」


 と言ったルイーズに向かって、エヴァンはコクリと頷くと、春風達……というよりも春風に向かって、


 「雪村春風……いや、春風殿」


 と、何故か丁寧な口調でそう話しかけてきたので、春風は思わずビクッとしながら「何でしょうか?」と返事すると、


 「あの日、斬りかかってすまなかった」


 と、エヴァンは春風に向かって深々と頭を下げながら謝罪した。


 それを聞いて、


 (……あ、ああ! あの時か!)


 と、水音がこの世界に召喚されたあの日の事を思い出すと、春風は申し訳なさそうな表情で、


 「いや……あの時の事は、俺が先に酷い事を言ったからだし、寧ろ、指、怪我させたり、蹴り飛ばしたりして、すみませんでした」


 と、なんと春風もエヴァンに向かって深々と頭を下げながら謝罪した。


 そんな春風を見て、周囲が「え? え?」と戸惑っている中、


 (いやいやいや! 春風が謝る事じゃないでしょ!? 危うく殺されるところだったんだし!)


 と、水音が心の中で春風に向かってそうツッコミを入れると、


 「春風様。そしてエヴァン」


 と、イヴリーヌがそう声をかけてきたので、春風とエヴァンが2人して「え?」となっていると、


 「お2人の戦い、とても素晴らしいものでした」


 と、イヴリーヌは穏やかな笑みを浮かべてゆっくりと2人に近づきながらそう言い、やがてその間に立つと、


 「ちょっと失礼します」


 と言って2人の右手を取り、


 「コレで、仲直りですね?」


 と言いながら、その2つの手を握らせた。


 それを見て、


 (いや、『仲直り』ってイヴリーヌ様……いや、ある意味『仲直り』なのか?)


 と、水音がそう疑問に感じている中、春風とエヴァンはお互い顔を見合わせて、


 「はは……」


 「ふ……」


 と、頬を緩ませると、


 「「はい」」


 と、イヴリーヌに向かって2人同時にそう言ったので、


 (ま、いっか)


 と、水音は「やれやれ……」といった感じで、心の中でそう呟いた。


 

 

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