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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第6章 「友」との再会

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第107話 新たな再会・2


 「彼の名は、エヴァン・クルーニー。私達と同じルーセンティア王国の騎士にして、こちらのルイーズの弟にございます」


 (へ? お、弟ぉ!?)


 ヘクターの言葉を聞いて、水音は大きく目を見開いた。


 いや、水音だけではない。


 (え? え? みんな知ってた!?)


 と、水音がチラッと周囲を見ると、進、耕、祭、絆、祈の5人も、皆「え、マジで!?」と言わんばかりに目を大きく見開いていた。


 ただ、彼らとは対照的に、歩夢、美羽、鉄雄、恵樹、詩織の5人は驚いている様子はなく、寧ろ目の前にいるエヴァンという騎士をジトーッと睨み付けていたので、


 「えっとぉ。の、野守君達は、彼の事知ってたの?」


 と、水音は近くにいた恵樹に向かって小声でそう尋ねた。


 それに恵樹が「ん?」と反応した後、「あぁ!」と納得の表情を浮かべて、


 「そういえば桜庭君達は、帝国に行ってたんだから知らなかったよね。うん、ヘクターさんの言う通り、彼はあそこにいるルイーズさんの弟さんだよ」


 と、小声で水音にそう説明した。


 その説明に水音が「そうなんだ……」と返事すると、


 「お、オイ待てよ! 何でアイツまでここに来てんだよ!?」


 「も、もしかして、雪村君にあの日の()()()()しに来たの!?」


 と、ハッとなった進と耕も、小声で恵樹にそう尋ねた。それに恵樹が「うわ!」と驚いていると、


 「しっ! 静かに。今、その理由を説明するみたい」


 と、詩織も小声でそう言ってきたので、水音達はすぐに肝心の騎士の青年ーーエヴァンに視線を戻した。


 水音達に見つめられる中、エヴァンは体を震わせながらも、アマテラスに向かって口を開く。


 「あの時の事は、私も大変申し訳なく思ってます。こちらの都合に巻き込んでおきながら、ウィルフレッド国王陛下にハッキリと自分の意志を示した彼に剣を向けたのですから」


 「あら、意外ね。で?」


 「その後、彼がギデオン・シンクレア大隊長を破ったという話を聞き、彼にもう1度会う為にウィルフレッド陛下に無理を言って、イヴリーヌ様達に同行させてもらいましたが、私もヘクター隊長と共にあなたの話を聞き、ショックを受けた時に……」


 「あなたもレナちゃんの『神を殺す宣言』を聞いて、頭に血が上ったと?」


 「その通りです。大変、申し訳ありませんでした」


 と、アマテラスに向かってそう謝罪したエヴァン。その謝罪を聞いて、


 「へぇ、確かに意外だな」


 「うん。てっきりまだ()()()の事怒ってるのかって思ってた」


 「いやぁ、わかんないよぉ? 口じゃああ言ってるけど、本心はかなり()()()かも……」


 「だよな。今だって、また怒り顔で入ってきたし……」


 「で、でも、『神様』を前にしてるから、大丈夫……かも?」


 と、進、耕、祭、絆、祈が小声で口々にそう言い、


 「……」


 水音は無言でエヴァンを睨み付けていた。


 すると、


 「春風くーん」


 と、アマテラスが春風にそう声をかけてきたので、それに春風が「何ですか?」と返事すると、


 「彼、春風君ならどうする?」


 と、エヴァンを指差しながらそう尋ねてきたので、


 (は! そ、そうだよな!)


 (うん! 雪村君なら、彼をどうこうする権利はあるかも!)


 (なんてったって、雪村君あの時斬られそうになってたもんね!)


 と、進、耕、祭は「さぁ、どうする!?」と言わんばかりに春風を見た。


 (春風。君ならどうする気なんだ?)


 当然、水音も。


 そんな様子の水音を他所に、春風はエヴァンに近づくと、


 「えっとぉ、エヴァン・クルーニー……でしたよね?」


 と、エヴァンに向かって恐る恐るそう尋ねた。それにエヴァンが「あ、ああ」と返事すると、


 「改めてはじめまして。アマテラス様の話を聞いていたなら理解出来てると思うけど……俺は雪村春風。アマテラス様が言ってたように、地球の神オーディンの契約者にして固有職能『見習い賢者』の固有職保持者だ」


 と、春風はエヴァンに向かってそう自己紹介した。


 それを聞いて、


 (……いや、何やってんの春風ぁ!?)


 と、水音がギョッと目を大きく見開いていると、


 「あのですね……指、大丈夫ですか? 確か、右手の指だったと思ったんですけど……」


 と、春風が再び恐る恐るエヴァンに向かってそう尋ねてきたので、水音は思わず「え?」と首を傾げると、


 (あ、そういえば……!)


 と、水音はハッとなってその時の事を思い出した。


 そう、この世界に召喚されたあの日、春風は斬りかかってきたエヴァンの指に向かって、「師匠」こと凛咲から貰った「お守り」……鉄扇をぶつけた時の事を。


 そして、水音と同じようにその時の事を思い出したエヴァンが、


 「あ、ああ問題ない。あれからしっかりと治療してきたからな。問題なく剣を握る事が出来る」


 と、そう答えたので、


 「そうですか」


 と、春風はそう言ってホッと胸を撫で下ろした。


 そんな春風を見て、


 「いや、『そうですか』って、それだけかよ」


 「殺されそうになったんだから……」


 「もっと怒ったって良いのにぃ」


 と、進をはじめとしたクラスメイト達は、皆、呆れ顔になり、


 (はは。相変わらずだな春風)


 と、ただ1人、水音だけは盛大に頬を引き攣らせていた。


 そんな心境の水音達を他所に、


 「それじゃあ、エヴァンさんとやら」


 と、春風がエヴァンにそう話しかけ、それにエヴァンが頭上に「?」を浮かべていると、


 「あの日のリターンマッチ、する気はないかい?」


 と、春風はエヴァンに向かってそう尋ねた。


 それを聞いて、エヴァンだけでなく周囲の人達までもが、


 『……え?』


 と、皆、一斉に首を傾げ、水音はというと、


 (いや、だからぁ! 何やってんの春風ぁあああああ!?)


 と、心の中で春風に向かってツッコミを入れていた。


 


 

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