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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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一日の終わりに

本日2回目の投稿です。


10/26 感嘆符後のスペース追加、三点リーダーを偶数に変更、ルビ等その他追加修正

 バーから部屋に着くまでの間、身体に纏わり付く変態美人ズを必死で支えながら歩いていた。お尻をまさぐられ、耳の後ろに吸い付かれ、シャツのボタンの隙間から手を入れられつつも必死で支えて歩いていた。

 投げ捨てて帰ってもいいか?


「あれだけヤラれてまだ足りないのか」


 思わずポツリと呟くと、瑠璃るりさんと牡丹ぼたんさんの攻撃時間オフェンスタイムが終わったようだ。


「ホント、お義兄にーちゃんの攻撃(口撃)はクリティカルに決まるよね~」


 意外にも義妹モードの紗雪さゆきさんも、2人を支えるのを手伝ってくれる。


「たまぁにあるんだ、ここまで酷いのはなかなかないけどね」


 苦笑しつつも優しいその表情に、末っ子の姉達を思いやる一面を見た気がした。



 部屋に着くと、紗雪さんが手早く2人の服を脱がしにかかる。義妹モードでもメイドスキルは有効(アクティブ)のようだ。

 あっと言う間に裸にひん剥かれた瑠璃さんと牡丹さんを、寝室のベッドへ放り投げて扉を閉める。

 床に散らばった衣類を丁寧に畳みながら、「2人きりだね……」なんて言い掛けてくる。

 手にしているエロ黒いヒラヒラがなければもっとロマンチックなんだけどな。う~ん、エロンチック。



「お義兄ちゃんの目から見てさ、あたし達がどんな風に映ってるのか分かんないけどね、でもどうか受け入れてくれないかな? きっとみんな、とっても楽しいと思うんだ~。

 もちろんお義兄ちゃんも、ね?」


 ソファーに腰掛けた俺の膝の間に頭を置き、見上げながら同意を求めてくる。とても胸が強調される態勢だ。

 ソファーからふかふかの絨毯が敷かれた床へと座り直し、後ろから包み込むように抱き締める。


「えっ!? さすがにこれは予想出来なかったよ……」


 顔を真っ赤に染めるも嫌がりはしない。耳元で囁くように尋ねる。


「楽しんでいいのかな、俺。ただ流されてるだけな気がしてな」


 ビクッ、と反応する。ちょっと口が半開きで目を閉じる紗雪。


「いっぱい……、楽しんで……、欲しいな……」


「それじゃぁ俺からの提案、聞いてくれるか?」


 無言で頷く。髪の毛が頬を撫でてこそば良い感触。


「俺達2人きりの時は、俺の事は優希ゆうきと呼んでくれ。俺もさゆって呼ぶから。メイドモードの時と、あの2人を含む他の人がいる前では紗雪と呼び捨てにする。

 どうだ? 2人だけの秘密だ」


「はぁぁぁ……、嬉しい。心が締め付けられて痛いんだけど……。

 2人だけの秘密、か」


 後ろから抱き締めるのを止め、さゆの身体をこちらに向き直させる。じっと目を見つめ、待つ。

 トロンとしたその瞳が閉じると同時に、優しく唇を奪う。ゆっくりと中へ滑り込ませ、味わうように絡め合う。


「俺もさゆも今日が初めてだ、焦る事はないよな?」


「えっ……? あ、うん。そだね」


 少し残念そうな顔、しかしもう攻めるつもりはない。もう一度唇を合わせる。


「分かったよ、優希がそう言うなら」


 よく出来ました、ハグをしてあげましょう。



「実はちょっと気になってるんだ、プレイヤーカーアプリドのプロフなんだけどな、早めに設定しといた方がいいか?」


 ソファーに隣同士で腰掛け、ダイニングテーブルに用意されていたフルーツを摘まんでいる。


「そうだね、あたしも一緒に見るからちゃちゃっとやってしまいましょ」


 スマホを取り出しアプリを立ち上げる。設定画面を開き、プロフィールの項目を確認する。

 写真は撮られた画像をアップして、その他は年齢・身長・体重・血液型・出身地・飲酒喫煙の有無・得意なシチュエーションに、おっと一番上にプレイヤーネームなる項目が。

 見逃してたわ、本名のままでいい訳ないもんな。そりゃそうだ。


「プレイヤーネームか、どんなのがいいかな」


 ちょっと眠たそうな顔のさゆ。メイドの朝は早いのかも知れない。もう12時半か。耳たぶを噛んでやろう。


「ふぁっ! っ、もう……。

 えっと、さっき会った亀西かめにし君もプレイヤーネームだよ。姓名判断で決めたとか言ってたっけな」


「ふ~ん、俺は姓名判断とか気にしないしな。適当に決めようかな」


 そうは思っても、適当な名前なんて簡単に思い浮かぶもんじゃない。何かから拝借するか、モジるか、当て込むか。


「そうだ、フリックフリックっと。決定終わり~、どうださゆ?

 ……、寝たか」


 俺の肩を枕にし、気持ち良さそうに寝ている。

 そう言えば俺はどこで寝ようか。寝室のベッドは2つとも埋まってるし、ソファーでいいか。

 さゆをゆっくりと横にして、抱き枕にして俺も寝よう。


 と、その前にプロフ情報を一般に公開する設定に変更し、ポイッ。スマホをローテーブルへ放り投げる。



ヴィーン。



 ふぅ、思い返すと本当に長い一日だった。

 三姉妹には結構な感じで振り回されたな。そのせいで地元に置いて来たはずの、地の性格に戻りつつある。

 次に友一(ゆういち)に会ったら、あいつびっくりするかもな。

 まぁ元々あいつのせいでこの状況になって行ったんだ、性格が違うと言われようが知らん。お前が浮気するからだと攻めてやろう。



ヴィーン、ヴィーン。



 はぁ、人との距離感を離すよう意識してたのに、さゆと呼ぶだって?俺自身びっくりやわ、寝よ寝よ。



ヴィーン。



ヴィーン。


これにて第一部完!

今のところ章分けせずこのままで行こうと思います。

23時投稿予定分は幕間的なお話で、明日より第二部開始予定です。


コメント・評価・ブックマークよろしくお願いします!


9/6 R15指定相当へと描写を変更致しました。

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