表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

166/212

台本その4をひめとプレイ

結衣崎早月様からご提供頂いた台本を元に、優希達が実際にプレイをしてみるという回です。

台本その3と台本その4を同時投稿しております。

こちらは同時投稿の2話目です。

「それじゃあ次はボクの番だね」


 そう言って声を上げた姫子(ひめ)の格好を見れば、白地のフリル付きブラウスに花柄膝丈のスカート、白いニーソックスという装い。初めて2人きりでデートをした時の格好だった。

 ボク、と自分の事を呼んでいる事から、すでに役柄に入っているようだ。紗雪とのクーリングタイムの間に着替えに戻ったのだろう。


 女の子らしい服装。姫子という名前の通り、どこかのお姫様なんじゃないかと思わせる可愛らしい、それでいて凜とした顔。

 思わず胸がドクンと波打つ。プレイとはいえ、俺は今からこのコに対してお断りをしなければならないのだ。


「あら、わざわざ衣装までご用意されて本格的ですね。姫子さんは元々スペックスで受付嬢をされていたのでしたか。

 最近の舞台のご活躍、私も耳にしておりますよ」


 へぇ~、月崎(つきさき)さんにまでひめの噂が入って来ているのか。

 嬉しいな、と思いつつも、ひめがどこか遠くに行ってしまうんじゃないかという焦燥感を覚える。


「ひめちゃんはもうすぐ映画に出るんですよ。お義兄(にー)ちゃんとあの結城(ゆうき)エミルとのW主演の映画なんですけど、ひめちゃんはエミルのライバル役なんですって」


 あ、そうだった。遠くに行くも何も俺も同じ速度で歩いていたんだ。ひめは俺と共に歩いている。何も焦る必要なんてないんだった。


「……、エミルさんは紗丹(さたん)さんの幼馴染みでしたね。もしかして……」


 その問いに、嫁達が薄い笑みを浮かべて頷いて見せる。

 いや、頷くんならはっきりと言ってくれた方が俺も気が楽なんだけど。


「そうですかそうですか、まぁそれはそうとして……。

 コホンッ、姫子さん。設定(プレイ)要望(オーダー)を伺いましょうか」


 はい、と頷いて、ひめが台本を見ながらプレイオーダーを口にする。


「ボクの呼び名は、名字が姫川(ひめかわ)だからひめ。この格好をしているのも合わせて、そんなあだ名になると思います。プレイヤーの呼び名は優希(ゆうき)で。

 プレイの流れの希望としては、シリアスでもなくコントでもなく、甘いラブストーリーでお願いします。

 ただし、お断りの仕方として、性別を理由にしてほしくないというオーダーを入れます」


 性別を断る理由としない、甘いラブストーリー……。男同士の友情ではなく、男女のラブストーリーにより近付けて、という事だろうか。

 いや、男同士であってもラブストーリーになるんだろうとは思うけど……、俺には想像が出来ないな。

 どうしたもんか……。


「なるほど、紗丹さんにアドバイスを差し上げるとすれば、ですが。

 この台本を選ばれる方は、男同士の恋愛物語を好まれるお客様(アクトレス)だろうと思います。

 正直この台本は正式にスペックスから配布されると想定して書いた訳ではありません。あくまでこのような潜在的需要もあると思いますよ、という提示のつもりでした。

 結果として牡丹(ぼたん)さんにはとても気に入って頂けたようなので、やはり需要はあるのだと思います。

 今回はプレイヤーとしてやりやすいかどうか、その部分のみ考えたテストプレイでもいいと思います。

 あくまで意識する部分は性別を理由としないという一点のみです。

 思うままにプレイしてみて下さい」


 プレイヤーとしてやりやすいかどうか、か。確かに月崎さんが仰るように、プレイヤーが御しきれないような台本を採用してしまえば、アクトレスの満足度が下がってしまう。

 この台本が使えるのかどうか、そういう意味でのテストプレイでもある訳だ。台本があるからと言って、上手くプレイ出来るとは限らない。


「分かりました、とりあえずプレイしてみます。

 ひめ、ラブストーリーを意識してやってみるから、変だったら止めて訂正してくれ」


「大丈夫、ボク達なら上手くやれるよ」


 そう言って微笑むひめの顔は、可憐というよりもどこか性別を越えた端正であるという意味での綺麗な表情をしていた。

 いや、難しく男性っぽさを見出す必要はないか。

 ひめはひめだ、可愛い女の子だ。男になんてまるで見えない。


 例えば瑠璃(るり)がこの台本を選んだとして、俺は瑠璃の男性的な特徴をわざわざ見つけた上でプレイに望むだろか。いや、そんな事はしない。

 大前提としてアクトレスとは女性であり、プレイヤーは全て男性なのだ。


 その上で、アクトレスとプレイヤーは男友達。女の子のような格好を好むアクトレスを、プレイヤーは受け入れて友達付き合いをしている。

 男の娘であっても友情は成立している、と少なくともプレイヤーは思っている。その事をより意識してプレイしてみよう。



 ロケーションとしては街中を当てもなくプラプラと歩いている感じか。

 俺とひめはオフィスの真ん中に2人で立ち、オーディエンスである月崎さん達に向かい合うようにしている。



「それでは参りましょうか。台本その4、男の娘だけど、好きです。

 あなたには仲のいい男友達がいる。あなたが女性の装いをするようになっても、変わらず友達として扱ってくれる彼に、だんだんあなたは特別な想いを抱くようになっていた。

 今日は休日、彼の用意に付き合って買い物と昼食を済ませていた」


 で、俺のセリフだ。


「あー、彼女欲しいなぁー!!

 どんだけお洒落な格好しててもさ、女の方からは寄って来ないもんだな、やっぱ顔かなぁ」


 ラブコメを意識して、自分のほっぺたをぐにぐにと引っ張ってみる。鼻をつついている手をひめが掴み、そしてぎゅっと握った。


「え~? こんなに可愛いボクがいるって言うのに、贅沢なんだから優希は」


 ふふんっ、と得意げに笑うひめ。

 その表情にドキリとするが、ひめは男。ひめは男、ひめは男……。


「いやいやいや、お前男だからな?

 ってかさ、お前がいるから俺がモテないんじゃね?」


 だって、見た目だけならばそんじょそこらの女の子よりも可愛いんだ。こんな女の子(にしか見えない男)が常に隣にいるんだから、そんじょそこらの女の子が優希に声を掛ける訳がないんだ。


「それって被害妄想だよ?

 可哀想に、ボクのせいで彼女が出来ないとか、現実味ないよね? 言いがかりだよ?」


 握ったままの手を口にやり、ひめがチュッと口付けをする。可愛い。これってもう男でも良くないか?

 いやいや良くない、あくまで優希が好きなのは女の子だ。

 口付けをされた手をパッと払いのけ、ひめに向き直る。


「けっ、そんな事するから別の意味でキャーキャー言われるんじゃないか!

 俺は純粋にモテたいんだよ。女の子とイチャイチャしたいんだよ」


 振り払われた手を気にする事なくひめが笑う。


「あははっ、ある意味清々しいねぇ、素直でいいよっ!」


 でもね、ボクは今の2人の関係がとても気に入ってるんだ。いつまでも君と一緒にいたいと、君の特別でいたいと、想ってるんだよ?


 小さな、とても小さな独り言。優希に向けて発したその言葉だが、でもその言葉が優希には届かないでほしいと思っているような独白。

 その言葉を聞いてしまった優希は、話を変えるしかなかった。


「っ、そうだ、ゲーセン寄らね?」


「ん~、良いけど何か新しいの入ってたっけ?」


「それがさ、ソシャゲがアーケード版になってんだよ。めっちゃ金掛かるヤツ!」


 ひめが優希の誘いに乗ってくれた為、ひめの独白を上手く流す事が出来た。

 それでも、優希の中に広がった波紋はまだ、静まってくれないでいる。



「行きつけのゲームセンターでひと通り遊ぶと、外は暗くなっていた。帰らなければならないが、帰りたくないほど楽しい時間だった」


 月崎さんのナレーションが入る。ゲーセンフロアならば本当に遊べるだろうが、今回はテストプレイだし仕方ないな。


「ねーねー、最後にプリクラ撮ろうよっ!」


「いやいや、あのコーナーは女がいないと入れないだろ? 通報されんぞ?」


 ひめの事は男として見ている、という優希からの言外のメッセージ。

 それに対してのひめの答えは……。


「ボクは女の子にしか見えないからへーきでしょ? ほらっ!」


 そう言って、俺の手を引いて行くひめ。

 先に打ち合わせしていたのか、紗雪がタブレットを持って待っていた。自撮りモードにされているタブレットへと無理矢理引っ張って行かれ、パシャパシャとシャッターボタンを押す。


 顔と顔をくっつけてパシャ。

 向かい合って見つめ合ってパシャ。

 ウインクして真っ赤な舌をチョロっと出してパシャ。


 何度か写メを撮った後、紗雪がひめに差し出したタッチペンを手に取り、ハートのフレームを書く。『ラブラブゆうきとひめ』と書かれた文字を見て、俺はため息をついた。


「またこんなん書いて。本気にされたらどうするんだ? 俺とお前がラブラブだって」


 タブレットを操作する手を止めず、ひめが『ゆうき大好き』の文字をハートで囲みながら、俺の方へ身体を寄せる。


「えへへっ……。

 優希はさ、ボクと付き合ってるって勘違いされるの、イヤ?」


 タブレットに映し出された文字を見て、とうとう優希はひめに追い詰められた事を知る。

 このままの関係ではなく、友情でもなく……、ひめは恋人としての関係を優希に望んでいると、ようやく確信する事となった。


「……、勘違いされる事には慣れたよ。

 でもまぁ、お前は可愛いからな、それほどイヤって訳じゃないんだ」


 タブレットの上を走らせていたペンを止め、ひめが優希の目を見上げる。冗談で流されると思っていたのか、その目からは動揺の色が見て取れる。

 それから一転、キッと目線を見定めて、ひめは優希へと思いの丈をぶつける。


「絶対イヤって訳じゃないんだったらさ、このハートをさ、本当にしても、いいかな?

 ボク、優希が好きなんだ……」


「……、俺はお前の事、親友だって思ってる。伝わってなかったか?」


 明確には断れない。今までの2人の関係があるから、イヤだとは口に出来ない。

 無理だと断じてしまえば、友達としてのひめをも遠ざけてしまうから……。


「いきなりこんな事言ってゴメン、優希がボクの事を付き合う対象として見てないのは分かってるよ。でも、好きになっちゃったんだ!

 諦める覚悟は出来てるんだ、だからちゃんと答えてほしい」


 タブレットを胸に大事そうに抱えて、真っ直ぐに俺の目を見つめるひめ。うっすらと涙を溜めて、それでも俺の想いからは逃げない覚悟をしている。



「ひめの事は好きだ。でも、付き合う事は出来ない」


「それって、ボクが男だから?」


「う~ん、はっきりとは言えない。例えお前が女でも、こうやって仲良く遊んでたんじゃないかって思うんだ。

 でもな、それって付き合うとかどうかって話ではなく、気の合う親友として……、好きなんだと思うんだ。

 だから、俺はひめとは付き合えない。親友だから、な」


 休みの日に約束をして、2人で出掛けるのはひめだから。男だからでも女として見ているからでもなく、親友であるひめだから。

 自分には理解出来ないような事を言って振り回すような事はしないし、同じ事を趣味として一緒に楽しんでいる。

 2人の間にあるのは友情であり、それをとても心地良いと感じていたから。

 だから、恋愛感情として付き合う事は出来ない。


「そっか、じゃあ……、仕方ないね……」


「俺はお前の事、親友として好きなんだ。こうやって分かり合える友達ってそうそう出来ないと思うんだ。

 俺の事を理解してくれて、俺もお前の事を理解している、つもりだったんだけどな。

 付き合う対象として見てしまうと……、今までみたいな関係ではいられないよ。

 だから、恋人としては見る事が出来ない」



 その言葉がきっかけになり、ひめの目からはボタボタと堰を切ったかのように涙がこぼれ落ちる。

 ひめは優希に恋をしていて、それは優希の想う友情とはかけ離れた想いだった……。


「ボクは恋愛対象として優希を好きになったんだ……。

 優希のいう友情ではないから、もう一緒にはいられないね。

 ボクはもう友達として君の前に立つ事は出来ないから……、バイバイ優希」


「ちょっと待ってくれよ! 友達として続けて行く事は、出来ないのか……?」


 バイバイと振った手を胸に当て、小さく俯くひめ。台本上のプレイのラストを示すセリフを口にすれば、本来はそこで終了になる。

 しかし、どうしてもそこで終わってしまうのはダメだと思い、待ってくれと口から出てしまった。


「ダメ、だよ。

 ボクはもう、優希に、恋してるんだから……」


 そう言って背を向け、ひめはこちらを見ずに走り去ってしまった。




「はい、以上でよろしいでしょうか?

 まず私から一言。思い切りましてね、プレイ終了のセリフの後、さらに被せてアクトレスを引き留めた上で、アクトレスからのお断りを引き出す。

 賛否はあると思いますが、私はとても良かったと思いますね。

 ただ、新人アクトレスが虚構(プレイ)を優先して別れの結末を選び切れるか、という意味では不安定だと思います。

 もっとも、この台本を選ぶ新人アクトレスがどれだけおられるかという疑問もあるんですけどね」


 月崎さんの仰る事は俺も理解している。

 今回はあくまで、相手がよく知っているひめだからこそ踏み込めたプレイだ。これを新人アクトレス相手にやってしまうと、最終的にトゥルーエンドになりかねない。

 トゥルーエンドが発生してしまうと、お断り屋の存在意義がぶれてしまう。

 お断り屋? え、スペックスってただのイメプレ屋さんでしょ? って認識になってしまう。


 それではダメだ。収益は変わらないかも知れないが、牡丹が持っている理念から逸れてしまう。

 プレイヤーからお断りされる事で、現実で叶わぬ恋に折り合いを付ける。これこそがお断り屋の存在意義だからだ。


「ボク……、じゃなくて私の感想としては、新人アクトレスにはそこまで対応し切れないかも知れないんじゃないかな。

 でも、プレイしている中でアクトレスが台本に入り込んでいるかどうか、プレイヤーに判断出来ると思う。

 少なくとも私はプレイに入り込んでいたし、男の娘として報われない恋に区切りを付ける事が出来た。

 お断りの後もその世界(プレイ)は続いていて、さらに自分からのお断りでその世界(プレイ)を終わらせる事が出来るのは、とても良かった」


「そうね、ひめちゃんの言う通りだと思う。

 何なら、この台本を好まれて2週目に挑むアクトレス向けの隠しエンディング的な感じで出すのもありなんじゃないかな?

 あたしなら嬉しいよ、前と展開が違う! ってテンションが上がると思う」


「どうしてもあそこで区切ってしまうと、ただお断りしたってだけになってしまうような気がしたんです。

 その後2人がどうなるのか、モヤモヤした思いをアクトレスの方で区切りを付けてもらう方が、アクトレスである男の娘が告白した意味があるんじゃないかって思って、セリフを被せました」


 皆が俺のプレイ後の感想に対して頷いてくれる。


 ひめも紗雪も、アクトレスの熟練度に応じた対応をするべきだ、という意見。

 台本自体、新人アクトレスのみが使用する訳でなく高ランクアクトレスにも認知され、プレイヤーによってセリフの違い、そして展開やお断りの仕方が違うという楽しみ方をしてもらえると想定している。

 で、あるならば、アクトレスの反応を見ながらプレイヤーが展開を組み立てていくのは当然の事か。


「何も新人アクトレスしか台本を使わないって訳でないと思いますし、問題ないですね。

 それに月崎さん、台本が4つだけってのも、少ないんじゃないかなぁと思うんですが……」


 俺の言葉に対し、月崎さんが丸眼鏡の奥の目を鋭くされる。


「それは……、いくつあればいいとお考えでしょうか?」


 いくつ? いくつでも。

 バリエーションが多ければ多いほど全て制覇したいと思うもの。

 その中で特に気に入った台本があればリピートされるであろうし、もっと良い台本があるんじゃないかと手を広げるアクトレスもおられるだろう。


「何もこのハイプレイヤー総選挙の期間中だけ台本を用いる訳じゃありませんから。

 新人アクトレスのみならず、アクトレスから新しい台本はまだかと問い合わせが来るのは目に見えています。

 継続的に書き下ろして頂きたい。著作権や契約上の手続き、または1本当たりの単価などは牡丹が対応させて頂きます。

 取り急ぎ今の4本、いや実質5本ですね。それについて、明日からでもスペックス内で配布したいと思います」


「分かりました、ではまずその5本について牡丹さん、お打合せをお願い致します」


「ええ、ではまず……」



「優希っ」


「ん? っと、どうした?」


 牡丹と月崎さんが具体的な打ち合わせに入ったと当時に、ひめが俺に抱き着いて来た。胸にすりすりと顔を埋め、腰にぎゅっと手を回している。


「プレイとは言え、優希にお断りされた。傷付いた。叶わない恋、辛い。

 あの台本をどれだけの人が選ぶのか分からないけど、クーリングタイムは絶対に必要だと思う」


「あ~、俺もひめは男ひめは男って心の中で唱えてたよ。あくまでプレイだって。

 でも俺とひめはこういう関係でさ、その上でプレイしてるけど、あくまでアクトレスは俺にとってお客様だからな。こうやって抱き締めてあげる事は出来ないけど、現実と乖離していればいるほど抜けにくい、んだろうか?」


「それは人による、としか言えない。

 けど、現実ではアクトレスが男の娘である事は絶対にない。その人がどれだけ役柄に入り込めるかによって違うと思う。

 私は入り込めたし、本気で傷付いた。優希、責任取って」


 え~……。どうすればいいんだよ、月崎さんがいる以上抱き締める事くらいしか出来ないんだけど。

 あ、耳元で愛を囁くとかいかがでしょうか。


「その服、舞台の打ち上げデートで着て来た服だよな?

 ちゃんと覚えてるよ。とっても可愛いし、ひめによく似合ってる。

 また2人きりでデート、したいな」


「はいお2人さんそこまで、お断りされたのはひめちゃんだけじゃないんだからね?」


 紗雪からの邪魔が入ったが、ひめの頬が赤くなったので良しとする。



「アナタ、牡丹は月崎さんと権利関係のお話をしていますから、今のうちに明日からどういう風に台本を使って行くか考えましょう。

 プレイヤーへの周知が先ですから、とりあえずこの台本をコピーしてプレイヤーカウンターに置く事と、後は月崎さんの仰っていた少女漫画等を置いておくスペースの確保。アクトレスカウンターへもどうやってアクトレスに台本をオススメするかの打ち合わせも必要です。

 ハイプレイヤー総選挙ももう残り半分なんですから急いで手配して行きましょう!」


「そうだな、ゆっくりはしてられないな」


「ええ、ですから私もぎゅっとして下さい」


「あ~、あたしも~」


「ダメ、まだ私の番」


「ちょっと、本当に時間がないんですからね! 優希さん私も!」


 いやいや月崎さんが見てるから止めて!

 すんごい居心地悪そうにされてるから、ほらって何かブツブツ言ってる! あれ絶対俺達見ながら妄想してるヤツでしょ!?

 ダメだってほら俺達の事ネタに舞台のシナリオ書きかねんよあの人!!


「紗丹さんが王太子で、瑠璃さんが王太子妃で……ドロドロさせたいけど似合わないから、やはりベッドの上で大団円エンド……!?」


 ほらっ! ヤバいって、あれ絶対R15じゃダメなヤツだから!!


これにて台本プレイ回はお開き!

結衣崎様、台本のご提供と本編についてのご指導・ご指摘等ありがとうございます。

この場をお借り致しましてお礼申し上げます。

ちなみに月崎さんの最後のセリフは結衣崎さんに考えて頂きました。

また、結衣崎さんとは別でコラボ企画が進行中ですので投稿の目途が立ちましたらお知らせさせて頂きます。


結衣崎早月様のマイページはこちら ( https://mypage.syosetu.com/326383/ )


結衣崎様とコラボさせて頂いたお断り屋の短編、アクトレスサイドはこちら ( https://book1.adouzi.eu.org/n3990eg/ )

プレイヤーサイドはこちら ( http://book1.adouzi.eu.org/n8849eg/ )


誤字修正致しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ