体調不良の女の子を介抱していたら肉体関係を迫られたシチュ:リクエスト
1周年記念SS、リクエストシチュエーション回その3です。
第三者視点でお送り致します。
「へへっ、かかったな! もう逃がさねぇぞ……」
セーラー服に明るめの茶髪。白い肌を薄らと赤く染めている小さな顔。この部屋の主である少女、さやかが自らのベッドでブレザーの制服に身を包んだ男子高生、光輝を押し倒してその上に馬乗りになっている。
「逃がさねぇぞじゃないよ、しんどいってのは嘘な訳?」
世の男性ならば誰もが羨むシチュエーション。女の子の部屋で、セーラー服を着た女子高生に馬乗りになられているというのに、光輝と呼ばれた男子高生は心底うんざりとしたような表情で呟いた。
「何だよ、今日はやけに大人しいじゃん」
馬乗りになったまま、セーラー服の棒タイを左手で外すさやか。そのまま胸元のボタンへと手を掛ける。右手は仰向けに寝転んだ光輝の左手をぎゅっと絡み付かせて、文字通り逃がさないようにと抑え付けている。
「そりゃあこれだけ回数が多いと、なぁ?
でもさすがに体調不良を理由に部屋に上げておいて、この仕打ちはないだろ」
「なりふり構ってらんないのよ、っと」
さやかが胸元をはだけさせ、ブラウスの裾を掴んで左手でたくし上げようとした瞬間。ばばばっと態勢が変わって、馬乗りになっていたさやかが光輝に馬乗りになられていた。
「へぇ~、ついにやる気になった?」
さやかのその問い掛けには答えず、互いの額がくっ付きそうになるほどに顔を近付ける光輝。目を見つめ、無表情。
さやかは口角を上げて笑みを浮かべると、そのまま両目を閉じて唇を付き出した。
ゴツンッ!!
「いった! はぁっ!? 何で頭ぶつけるんだよ、これだから童貞は……」
言いかけて、はっと口を閉じるさやか。その目線の先には、無表情のままの光輝の顔。
先ほどと変わって、ぶつけたままの額がくっついたままの状態。
「童貞が、何だって? 非処女」
辛辣な、温度を感じられないほどに冷たく言い放たれた光輝の言葉。さやかの両手は光輝によってベッドへと抑え付けられており、まるで今から光輝がさやかの柔肌を貪るのではと思われるような状況。
「あ~あ、世間では幼馴染だ何だって幻想抱いてる奴多いけどさ、現実の幼馴染なんてもんは知らん間に処女捨ててんだよな。
急に茶髪になって、急に色気出して来て、急にヤらせろだなんだって。ちょっと前までズボンにTシャツ着て一緒に遊んでたのによ、化粧もし出すし。
何なの? お子様の君に大人の世界を教えてあげちゃうぞって?」
顔を離し、馬乗りを止めてベッドへ腰掛けた形で座る光輝。さやかに背を向け、その独白は続く。
「お前と一緒に虫捕ったり川を泳いだり、女だって気を遣わないで遊ぶのがすげぇ楽しかったのによ。
それが最近になったら顔合わすたびにキスだセックスだって、何なの? 俺が好きだったさやはどこに行ったんだよ!
今日だって駅で見かけたらしんどそうな顔してっから家まで送ってやったのに。中学卒業して、別々の高校になっても変わらず幼馴染としてやってけるって思ってたのに。
お前となら、いつまででも楽しく一緒に過ごせると思ってたのに!!」
小さい頃からずっと一緒だった光輝とさやか。隣同士の家、お互いの両親も仲が良く、どこへ行くにも一緒だった2人。
お互いの進路が別々になり、登校のタイミングも合わない日が続いていたある日、よく知っているはずの幼馴染の髪の毛が茶色に染まっていた事にショックを受ける光輝。
さやかの事であれば何だって知っていると思っていた自分が間違っていたのか。
自分が知らない間に妙に色っぽくなり、そしてさやかは顔を合わすたびに身体に触れたり、大人びた表情を見せたり、あからさまに身体の関係を迫ったりと、光輝はさやかのその変化に戸惑い続けていた。
そして光輝は、さやかが急変した態度の原因は高校で彼氏を作って大人の階段を一歩二歩と上がったのだろうと決めつけ、さやかの為にもと距離を置こうとしていた。
しかしさやかはそんな光輝の複雑な心境など慮る事もなく、光輝はさやかから身体を求められるたびに必死の思いで躱し、逃げ続けていたのだ。
「こうちゃん、酷いよ……」
上擦った声、スンスンと鼻を啜る音。そして、最近は光輝と呼び捨てだったのに、中学に上がるまで呼ばれていたその名で呼ばれ、光輝がさやかを振り返る。
「あたし達、付き合ってるんじゃないの……?」
「えっ……?」
「だって、ずっと一緒だったし、こーちゃんもあたしの事、好きだろ? あたしもこーちゃんの事好きだしさ……。
もうそれって付き合ってるんじゃん……?」
「ええ……」
光輝からすれば困惑しかない。
さやかが、さやが俺の事を好きだって……?
そう本人は思いにふけるのだが、中学を共にした同級生達から言わせれば、あれだけ仲良し恋人オーラを出していた2人が今さら何をやっているんだと罵りの嵐になるだろう。
「だって、高校で彼氏が出来たから茶髪にしたり化粧し出したりしたんじゃないのか……?」
光輝はそう思い込んでいたのだが。
「違う!
これは……、長く付き合ってる恋人と、その……、キスすらしたことないって言ったら、友達がもっと色気を出してみたらって……」
さやかの友達のアドバイスがあったのはその通りだが、さやかが馬鹿正直に突き進んだ結果、アドバイスされていないボディタッチやベッドへ寝転ばせての馬乗りなどという残念な方向に突き抜けてしまった。
「ふざけんなよ、俺が今までどんな気持ちでさやを見てたか……」
吐き捨てるように呟き、光輝はベッドから立ち上がって部屋のドアへと向かう。
「こうちゃん、待って!!」
「待たない、俺が好きなさやに戻るまで、お前とは会わない」
「えっ……?」
「茶髪で、ネイルして、化粧の匂いをさせているような女なんかさやじゃない。
俺が好きなさやは黒髪で、ネイルなんてしてなくて、化粧してなくてもめちゃくちゃ可愛い奴だ。
俺は元のさやに戻るまでお前とは会わない」
「こうちゃん……」
「じゃあな」
バタンッ、と扉を閉めて、光輝が部屋を出て行った。1人残されたさやかは、ベッドに仰向けになったまま、悲しくもないのに涙を流していた。
俺は再び扉を開けて、部屋へと戻る。
「お疲れ様でした、いかがでしたでしょうか?」
仰向けになったままのお客様へと声を掛ける。
「うん、期待以上だったよ。あの日の事を思い出して、ホントに泣いちゃった」
俺にはあの日の事、というのが分からないが、アクトレスにご満足頂けたようで何よりだ。
「これはね、私と旦那が経験した事のリプレイなんだけどさ、実際はもっと雰囲気悪くて、非処女って言われた時にはり倒したのよ」
笑顔で教えてくれるアクトレス。設定要望に非処女と罵って欲しいと書かれているのを見た時は大丈夫かと心配したが、本当に言われた経験があったとは……。
「それでね、はり倒した上で旦那をまたベッドに仰向けに寝かして、それで……」
あ、それ以上は結構です。
ツイッターにて頂いたリクエストは以下の通りです。
・クラスメイトor職場の同僚(世にいうヤリマン)
・女の子の自室
・体調不良の女の子を介抱し自室へ→女の子は体調不良のふりで実は元気→本気で惚れていた主人公に身体だけの関係を求められるがお断りされる(実は両想いパターン
リクエストに沿った内容じゃないだろというお気持ちだけ頂いておきます……。
間に合ったプレイ回は以上の3話分です。
次の本編更新までに後もう1話分投稿出来ればと思っています!
電子書籍版お断り屋もよろしくお願い致します!!!




