第1話「世界再構築中……」
2024年現在、エレメンタルワールドのバックアップ中……。
「世界再構築のために、過去の記憶を思い出して話すだけの簡単なバイト……?」
「そうそう、時空座標が定まらない! 的な感じで……!」
〈湘南桃花〉先生とゲームマスター〈星明幸〉は話し込む体制に入っていた。
質問1、湘南桃花の場合。
「まあ、それは良いんだけど。他の子達もそうだと思うけど、正確な年月は解んないと思うよ? たぶんその場その場のカンでさ」
「それでも良いから会話のキャッチボールを……! 時系列順に一番初めからで」
「ん~無理! 綺麗に時系列順にまとめるのはムリ! 断片的になるわね」
「そっかー」
「……あと、セルフイメージのバックアップの書物は一杯ある、その中からどれを本物だと決めつけてかかるのも、ゲームマスター次第なんじゃないかな?」
「例えば?」
「キーバックカバーとか、大海賊時代とか、VRMMOの世界とか、スターウオズの時系列とか……断片的には全部同じでしょ?」
「ふむふむ……断片的と言うのは?」
「私も記憶だいぶ混乱してるけど、……要するに皆が皆、それぞれの作品に適切だと思う〈空白の時系列〉に時間や物語をハメ込んでコントロールしようとしてる? んじゃないの?」
「そうなのか? 私はそれはそれ、これはこれとして、何となくハメ込んでるだけじゃぞ? 皆そうやって創作するんじゃないのか?」
「まあ、吸血鬼大戦の頃の画像を見れば一発なんだろうけど、あれって〈一週間の中で何やかんややった物語〉で終わるはずだよね? Uはその1ヶ月後で、それ以外は確定じゃなかったはずだし……」
「……まあそう、そしてヒルドやリスクの風の旅は、年月すら書いていない」
「ま、読み切り漫画だから、その前後なんて考える必要ないしね。むしろ漫画の読切でそれを考えたら考えすぎ、つまり全部〈蛇足〉になっちゃうよ?」
「蛇足とは?」
「〈余計なお世話〉、て意味ですね……」
「なるほど」
「まあ、最果ての軍勢は全体を通して、一番最初の物語で良いと思うけど。それ以外は全部微妙だよねえ~~~~」
「えぇ、じゃあ正確な年月や場所は言わないのか?」
「言わないも何も、そういう冒険をしてないの! まあ咲ちゃんは別だろうけどさ」
「でもアレ、ほぼ全部約10年後の未来じゃん」
「まあ咲ちゃんは別として、きっと皆、冒険に夢中で日記とか書いてなかったんだよ、だから正確な年月なんて本人に聞いても出てこない。記録しよう、て思ってる人からしか出てこないでしょうね、だから私からは出てこない。第一、2009年代は知らなかった組ですしね……!」
質問2、天上院咲の場合。
「私ってさ、ここだと未来人なのかな? 2037年の」
「……だろうな。私が咲の話を聞いたらワシは未来のことを知って、タイムパラドックスになっちゃうな」
「でも、星明幸さんって、オネーちゃんと記憶同期してる、アバターなんでしょ? 機械的じゃなく、超次元的存在の超能力者みたいな立ち位置で、なら私の記憶も年月も全部知ってるよね?」
「まあな、お前の場合、エピソードが長すぎるから全部の章に年月日付いてるのも知ってる……」
「なら何を聞きたいの?」
「VRゲームじゃなくて、エレメンタルワールドを主体主軸とした場合の整合性……かな。あと10年後の未来を知ってしまった以上どうするか、とか」
「えー、ジャンル違いとか、別の本棚でしたとか、そういう認識じゃダメなの?」
「ダメじゃないけど〈皆が使う〉から〈どうしよう……〉となってる」
「まあ、わからんでもないかな……」
「む~……」
「ん~……」
「とりあえずさ、10年後に実際に事件が起こるのはアリ? ナシ?」
「仮想空間的には何だかんだ、楽しかったからアリ何だけど。現実空間的にはただ寝てるだけじゃん? それはナシ何だけど……まあ場合によるかな」
「そっかー、……おk」
「うん、まあ、改めて言うのも何だけど、上手くやってね」
「あぁ、うん……はい……」
質問3、信条戦空の場合。
「ウチは何も変わってないし、何処にも行ってない。以上!」
「短いよー! それは絶対言葉足らずって言うのじゃー!」
「そうなのか?」
「お前それだから最初期の頃言葉足らずって言われたんじゃぞ!」
「……そっかーー」
「あー、これはこれで疲れる……」




