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第4話 小松基地からの脱出

 異形の物体が侵攻してから2日が過ぎた。 


 佐渡島南方に半日で丸い構造物が確認できた。

 航空自衛隊の幹部たちは、これがレーダーサイトかそれに似たものだと直感した。


 同じ日、数発天空に向けて何かが発射された。


 それは軌道に乗った。

 地上からの監視によると、目の形のようなをした物体が地球を向いていた。


 自衛隊及び米軍はこれを監視衛星を断定した。




 1日足らずで異郷の地の監視体制を整備した。


その次は攻撃だった。


 




 佐渡島から40機の機影が上がった。

 目標は西南の方角、航空自衛隊の小松基地がいるところだった、



「スクランブルだ!」


 小松基地の格納庫に声が響いた。


 スクランブルは緊急発進ともいい、自衛隊では確認できない機体―――主に国籍不明機を追尾する目的があった、


「基地司令官より命じる! 基地司令官より命じる!」


 構内放送が響いた。小松基地司令官の山本だった。


「戦闘機は一斉に発進し、どこかの基地に退避せよ!」


 基地に衝撃が走った。しかし、命令に抗う兵は厳罰だ。




 

 第6航空団、第306航空隊のF15J戦闘機乗り(イーグルドライバー)、今谷一等空尉はタラップに乗った機付長に話しかけられていた。


「一尉、またお会いしましょう!」


「ああ、いつか必ず、どこかで」


 二人は会話を交わした後、F15戦闘機は滑走路に誘導され、緊急発進した。


 F15戦闘機は2機同時に発進した。


 そこに正三角錐の戦闘機が40機が西方向から襲来してきた。今谷のF15Jはアフターバーナーをかけ、一気に離脱する。

 僚機は一歩遅く、右側の穴から発せられる誘導弾が発射。

 僚機は胴体エンジン部分に誘導弾に当たり爆発、滑走路外れに落下した。


 小松基地で脱出できた航空機は今谷一尉のF15Jのみとなった。


 基地は炎上し、格納庫や管制塔、兵舎はことごとく燃えた。






「小松基地全滅! 離陸したF15Jを残して全機破壊された模様!」


 木本二佐の報告に、統合任務司令官の梶原陸将は唸った。


 梶原は思った。

 敵地に近いとはいえ、整備された航空基地の一個を失ったのは大きな痛手だ。

 しかし、今はかろうじて残った、わずかな戦力のことを考えなくては。


 

「残ったF15Jを小牧基地に誘導しろ。新田原の第5航空団を小牧に進出させるんだ」



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