閑話 異世界酷暑の過ごし方
時間ができたので、なんとか週内に更新できました。忙しいのは継続中なので、次はいつになるか分からないけど……。
このエピソードは、本編の流れとは関係ありませんが、今の季節に書くべきだと判断しました。
俺が異世界に来てからそれなりの年月が経過したけど、改めて思うのは、どこの世界でも夏は暑いということだ。
むしろクーラーが無いので、余計に辛いとすら感じる。
「あづいぃ~!」
それはもう、溶けそうなほどに。
一応、冷気を出す魔法や魔道具は存在しているけれど、魔法は効果を長時間維持できるものではないし、魔道具は高価で流通量も少ない為、簡単には手に入らない。
そんな訳で俺にできた暑さ対策は、キャミソールにカボチャパンツという下着姿になって、少しでも肌を外気に触れさせ、熱を体内に溜め込まないようにすることだけだった。
しかしそれでも、汗だくになることは避けられない。
「はしたないですよ、坊ちゃま」
「今はアンシ一しかいないから、いいでしょ……」
自室でくらい、好きな格好をさせてほしい。
むしろ全裸でもいいくらいだ。
そもそもこんな貧相な子供の身体を、好んで見たいという変態は……いるかもしれないけれど、圧倒的に少数派だろう。
どちらかというとアンシ一の豊満な身体の方が、需要はあるはずだが……。
しかしアンシ一の露出度は低い。
この暑い中でメイド服を着崩すことがないのだから、物凄いプロ意識だな……。
顔も平然としているように見える。
「汗をお拭きしましょうか」
「うん?
ああ、お願い」
汗でベタベタの状態では気持ち悪いから、アンシ一によってタオルで全身を拭いてもらうことにした。
まあ、脇とかまで入念に拭かれてしまって少し恥ずかしかったけど、他者に身体を委ねるというのは心地よいものだ。
それは無防備になれるほど、相手のことを信頼しているからというのもあるのだろう。
「んっ……」
アンシ一の手つきは優しいが、ちょっとくすぐったいような、なんとも言えない気持ちよさもある。
むしろ身体が熱くなってしまいそうで、困るねぇ……。
そして汗を拭き終わると、アンシ一はタオルを丁寧に畳んだ。
これから洗うのに、そんな綺麗に畳む必要ある?
「坊ちゃまのがたっぷり染み込んで……。
この芳醇な香り……暫くの間、楽しめそうですね」
「……なんか言った?」
アンシ一が何事かを呟いたけど、それは俺の感度が上がっている聴力でも聞き取れないほど小さかった。
「いえ、私は他の仕事を片付けてきますね」
この暑い中でも仕事に前向きなアンシ一の姿勢には、頭が下がる思いだ。
尊敬できるが、真似したいとは思わない。
暑い時くらい、だらけてもいいじゃないか。
……うわ、また汗が。
なんとか体温を下げる方法は、ないものだろうか……。
冷たい物が食べたい……。
……そういえば、某あずき味のアイスは、武器にできるほど硬いと言われていたな……。
武器なら俺のスキルで、作れないかな……。
俺は冗談半分で「変換」を試してみた。
「マジか……!」
俺の手の中に、あのアイスがある。
成功しちゃったよ……。
でも、これは食べても大丈夫なのか?
まあ……元々は俺の魔力を変換した物なのだから、無害だとは思うが。
俺は恐る恐る、そのアイスを舐めてみる。
「冷たぁい……。
甘い……。
硬ぁい……。
美味しいぃ……!」
その懐かしい味に俺は、思わず感涙しそうになった。
しかしこのスキル、武器にできるのなら食物系もいけるのか。
それなら毒キノコ……は食べられないから、意味がないし……。
フグは調理免許が無いから、やはり食べるのは怖い。
じゃあ生の血が毒だというウナギならいけるかもしれないが、そもそも生き物を作り出すのは、さすがに気持ちが悪いな……。
生命に対する冒涜というか……。
たぶん生物兵器とか作れるから、不可能ではないのだろうけど、倫理的になんかねぇ……。
方向性を変えてみよう。
うん……植物系ならまだ抵抗感は少ない。
確か竹林の地面に身動きを封じた人を寝かせ、下から生えてくる筍に貫かせるという処刑方法があったような気がする。
あと漫画での話だが、、筍を突き刺して殺害するという手段も……。
……よし、「変換」できるな。
あとはパイナップルや椰子の実とかも、鈍器に使えないか?
おお、いけるいける!!
あ、沸騰した鍋とか、人にぶっかければ立派な凶器として使えるよな?
それもいけるか。
いや、暑いからやらんけど、冬になったらおでんでも作るかな。
それよりも今は、涼しくなるものだ。
そういえば噴き出した炭酸飲料を、目潰しに使うという攻撃があったな……。
「よし、コーラだ!!
冷たいコーラが作れるぞ!!
あはははは!!」
そんな訳で試行錯誤の結果、俺は前世の飲食物をいくつか再現できるようになった。
……それを食べ過ぎた所為で少々太ってしまい、アンシ一による厳しい食事制限を受けることになったが……。
だって懐かしい上に、美味しかったんだもん
仕方がないじゃん……。
アンシーはアーネストの耳がどの程度聞こえるのか把握しています。
感想などありがとうございました。個別にはなかなか返信できませんが、参考にして作品に活用させていただきます。




