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またかよ!?

「ふぅ……あともう少しですね」


「そうですね、お嬢様」


 魔物の群れはクラスター爆弾によって瓦解し、現在は生き残った魔物を銃器によって掃討する段階に入っている。

 残党も残り少ないので、そんなに時間をかけずに終えることができるだろう。

 まあ、多少は逃げ延びる魔物がいるかもしれないが、それを始末するのは冒険者や市の警備隊に任せても良いような気がする。


 むしろ俺の場合は、戦後処理の方が大変になるんじゃないかなぁ。

 またロゼーカンナ市の復興や防衛強化に力を貸さなければならなくなるだろうし、今回も派手に暴れたので、市の幹部であるコルニリカに口止めもお願いしないとならない。

 俺の能力を欲しがる者は多いだろうけれど、全員を相手にしていられないので、あまり有名になられても困るのだ。


 そろそろ大きな後ろ盾が欲しいところだけど、この国の王家や大貴族に売り込むのは時期尚早かな……。

 現状では万が一国家レベルの相手(そいつら)に睨まれた場合、争うだけの力が俺には不足しているからな……。

 いや、核でも使えば勝つことだけならできるけど、俺は虐殺がしたい訳じゃないし、交渉によって平和的に事を収めるだけの政治力がもっと欲しい。


 その為には少しずつ、国内外に俺の味方を増やしていく必要がある。

 ……まあ今回は市を守った功績で、非公式に市への影響力が大きくなるだろうから、それで十分だ。


 そんなことを考えていたら──、


「ちょっ、おい!?」


「うわっ!?」


「地竜だわっ!!」


 離れた場所に、何か大きいのが現れた。

 あれは……ゴ●ラなのでは?

 そう思わずにはいられないほど巨大だ。


 見るからにヤバイな、あれは……。

 ドンガトさん達の動揺の仕方でも、それが伝わってくる。

 普通ならば、絶対に戦ってはいけない相手なのだろう。


 実際、あの地竜とかいうのに近づいたら、熱線を吐かれてアウトな気がする。

 だけどそれだけに、あれが市に突入したら、間違い無く街は壊滅するだろう。

 死者も万単位に達するのではなかろうか。

 つまり、全住民の全滅に近い被害が生じる。


 それは駄目だ。

 まだまだ俺にとっては馴染みの無い土地だが、あそこにはお世話になっているルエザリクさん一家がいるからな。

 最悪の被害を防ぐ為にも、ここは俺がもう一肌脱ぐとしよう。


「皆さん、ロケットランチャーを配布するので、後退しつつ攻撃してください!」


 これならあの怪獣の攻撃範囲に入ることなく、最大で約1km弱の遠方からでも一方的に攻撃することができる。

 まあ、あくまでも最大射程距離なので、離れすぎると命中率は落ちるが、あれだけ巨大な的になら命中しやすいし、外れたのなら当たるまで撃てば良いだけだ。

 俺の魔力にはまだまだ余裕があるから、いくらでも弾丸は補充できる。


 そしてあの巨大生物でも、ロケット砲による波状攻撃を受ければ、さすがに倒れるだろう。

 まあ……ゴジ●みたいな耐久力があるのなら、核を使っても勝てるのか怪しいが、さすがにそんなことないよな……?


 で、実際に攻撃を始めてみると、それは確実に効いているように見えた。

 どうやら問題無く倒せるようだな。

 さすがにあんな怪獣が何匹も出てきたら厳しいけど、運用コスト的に、何匹も用意できないんじゃないかな……と、魔物の素人なりに愚考してみる。


 そんな訳で、少し気を抜きかけたその時──、


「!?」


 何か違和感を覚えた。

 そしてその瞬間、足下の影が大きく円形に広がる。

 理解を超えた現象に、俺は咄嗟に動くことができなかった。

 動こうとした時には既に、影の中から何かが飛び出し──、


「あっ……!」


 俺は両足に衝撃を受けた。

 そして俺の身体(からだ)は、俺の意志に反して倒れ始める。

 俺の両足は、(すね)の辺りから両断されていたのだ。

 それは影の中から出てきた青い肌の男──こいつが魔族のギゼオンか!?

 そいつが手にする剣での攻撃が、俺の両足を奪った──。


 左手に続いて、またかよっ!?

 また身体を欠損するのかっ!!

 そんな思考は、直後に襲ってきた激痛に塗り潰された。


 そして地面に転がった俺の腹に──、


「がっ!!」


「坊ちゃま!?」

 

 ギゼオンの剣が突き立てられ、アンシーの悲鳴が上がる。

 (いて)ぇ!?

 だが、胸を狙われたのを、身をよじることによってギリギリで(かわ)すことができた。

 これならば、即死は(まぬが)れる。


「貴様か……!?

 貴様が我が計画の邪魔をしたのか!?」


 ギゼオンは怨嗟のこもった視線で俺を見下ろし、手を動かした。


「ひぐうぅぅぅ──っ!!」


 ギャアァァァァァ~、剣で腹の中をグリグリするなぁぁぁぁっ!!

 死ぬっ!! このままでは死んでしまうっ!?


「このっ!!」


「ふんっ!」


 アンシーが銃で男を撃つ。

 だが弾丸は、男が纏っているマントに(はじ)かれた。

 ただそれでも、ギゼオンが防御行動をとったことで、俺の腹から剣は引き抜かれる。

 それは良かった。


 しかしこれはまずい……。

 やはり魔族は強いぞ!?

 アンシー達では、絶対に勝てない!


 このままだと俺達は、全滅してしまう!!

 夏バテ気味です。

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