周辺を綺麗な道で繋ぎました。
岩塩の移動の事を考えると街道の整備が必要だと考えた。
「ベアトリス、ちょっといいかな」
「何でしょう? アリヨシ様」
「この辺の道って意外と整備されていないでしょ?」
「土を固めたものが多いので、結構凸凹しています。
馬車で移動するのは大変だと思います。
実際に私がここに来るときも結構揺れました」
そういや、ベアトリスが馬車でここに来た時、結構げっそりしていたなぁ。
この辺の道は使う人間が少ないのだから最低限の道があるだけだ。
ただ今後荷馬車とはいえ馬車を走らせるのであれば、道は綺麗にしておいたほうがいいだろう。
「うちから領都まで街道を整備しようか」
「えっ、莫大な労力が……」
とベアトリスが言ったが途中で気づいたのか、
「アリヨシ様なら問題ありませんね。
ですが街道というのは軍事にも使用されます。
一度お父様に聞いておくのが筋だと思います。
明日、ルンデル商会へ話し合いに行くときにでも聞いておきましょう。 その際にはお菓子があるとよろしいかと……」
ああ、母ちゃんの賄賂的な奴ね。
「菓子は明日までに作っておくよ。
それで、今更ながら聞きたいんだが……クルーム伯爵の領都はなんて名だ?」
「オピオと言います。覚えておいてくださいね」
「了解」
次の日、ベアトリスとノワルは俺の作ったプリンを持ってクルーム伯爵の館へ出かけた。
そのままルンデル商会との話と街道の話をまとめてくるということだった。
さてと、こっちはこっちでできることをやっておくか。
今日は巨人モードのままだ。
「グレア、ウル、手伝い良いか?」
「「はい!」」
「ここから、エルフの集落と岩塩鉱山、農場への道を作ろうと思う。グレアはフェンリルに戻ってもらって目標になってもらえるかな?」
「はいです」
見る間に巨大なフェンリルに戻るグレア。
「ウルは、とりあえずエルフの集落の地面を硬化させてもらえるか?」
「わかりました」
「最終的には俺が作った道と石化して繋ぐからな。よろしくお願いします」
「はい、承りました」
ウルはさっそく集落の方へ走っていった。
「まあ、ほどほどにな」
とりあえず、岩塩鉱山周辺の木を伐採した。
まあ、木材の需要は有るだろうからこれも乾燥し最終的には製材しておこう。
おぉ、見通しがいい。
遠くでグレアがぴょんぴょん跳ねているのが見える。
あそこが目標ね。
馬車が二台横で通れる幅かぁ……八メートル?
俺で一歩分ぐらいかな?
土の精霊に頼んで直線道路を作るわけだが、とりあえず俺の一歩幅で地面を硬化してもらった。
俺が足踏みしても足跡が付かないほどに硬化している。
グッジョブです。
あとは、メイスで硬化した地面を石化する。
これでいいかな?
俺は道を走ってみた。
ん、ヒビも入らないね。
「グレア、ありがとさん。いい目標になったよ」
ハフハフ言いながらフェンリル状態で俺にすり寄るグレア。
「ご主人様、よかったです!」
とりあえず岩塩が露出している周辺もエルフの集落を作った感じで、事務所一つと数個の倉庫も作っておく。
とりあえずこれでいいか。
次に農場までと村まで……の道を作る。
俺、あの村の名前知らないや……。
「グレア、うちの近くの村の名前は何てんだ?」
「確か……アーネコスでしたね」
農場までは平原なのでグレアを目標に再び直線道路を作る。
アーネコス村へは既設の道幅を広げ、凸凹を除去。土の硬化、石化を行った。
いきなり村の入口まで石の道ができたので村長は驚いていたが、それだけだった。
彼らにとって神である俺がやることに文句は言えないようだ。
申しわけないね。
そして、エルフの集落へ向かう。
ウルがエルフの集落の地面を硬化し終わっていた。
「私の魔力ではこれが限界です」
情けなさそうにウルが言うが、
「ありがとな、お陰で後は石化して終わりだ」
そう言うと、俺はウルを肩に乗せた。
エルフが馬車を持ってるって言ってたから、一度走らせてみてもいいかもな。
俺んちの周辺の道は整備できた。あとは、ベアトリスの報告待ちだね。
小説を読んでいただきありがとうございました。




