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朝、俺の説明をしました。

誤字脱字の指摘、ありがとうございます。

 夜が明け、前日に作っておいた食事を温める。

 パンとスープだけだが体が温まればまた違うかな? 

 グレアとノワルは昨日使った円卓を拭いていた。

「ありがとな」

 そう言って二人の頭を撫でた。

 円卓に温まったパンとスープを並べると、ウル、ドリス、ベアトリスを起こしに行った。

「おはようさん」

 俺はウルをゆすって起こす。

「なっ、誰です?」

 寝起き良いな。

「んー、俺」

 パスを通し声をかける。

「アリヨシ様……なぜ……」

 パスを切る。

「後で説明するよ。

 軽い朝食ができてるから円卓のところで食べてきて」

 ウルは立ち上がと俺に抱きついてきた。

「やっと抱き着けます。

 ずっとしたかったんです。

 肩で熊の毛ばかり持ってました……」

 抱きつく力が緩む。そして、ニコリと笑うと

「それじゃ朝食頂いてきます」

 そう言って外へ向かった。


 次はドリスか……。あーあ、毛布被ってる。

「おーい、起きろぉー」

 大きめの声。

「んー、まだ眠たいですぅ」

 こりゃ、館じゃ寝坊助っぽいな。下男も大変だ……。

「ドリス様、そろそろ起きていただきませんと……」

「もう少し寝かせてよぉ、仕事は後でもできるんだからぁ」

「そう言いましても、出来上がった朝食が冷めてしまいますので……。

 せっかく温かい朝食がありますのに」

「もう、もうちょっと寝かせてくれてもいいのに」

 ばっと毛布がめくれ、ちょっと怒ったドリスの顔が現れた。

「おはようさん」

「…………」

 再び毛布で隠れるドリス。

「おはようさん」

 パスを通し、直接話しかける。

「おっ、おはようございます」

「お前寝坊助なんだな」

「ハッ恥ずかしい……」

「夜中、誰かさんのトイレに付き合わされたんだが……」

 パスを切って直接話す。

「すみません、夢かと思ってました」

「別に怒ってないよ。嫌味だ」

「意地悪です」

 ドリスがぷくりと膨れる。

「さあ、軽い朝食ができてるから食べてこい」

「抱っこで起こしてもらっていいですか?」

「仕方ないなぁ……」

 俺は、ドリスを抱き上げ立たせた。

 んー、鎧着てないから、胸があるのがよくわかる。

「ありがとうございます」

 ドリスはそう言うと、すれ違いざまに俺の頬へキスをして外へ走っていった。

 キスの跡に触れる。

 キスされるなんて、いつ以来やら……。


 最後にベアトリス。

 気付いているのか毛布がもそもそしている。

 ベアトリスの横に行くと、

「起きてるんだろ?」

 声をかけた。

 すると毛布が襲ってきた。そして毛布ごと抱きつくベアトリス。

「あのスプーン使えたのですね」

「ああ、おかげさまでね。

 ただ、ずっとではないみたい。

 そのうち魔力が尽きると思う。

 尽きたら元通りだ。

 まあ魔力枯渇で動けなくなると思うけど」

「抱き付けました」

 ベアトリスは上目遣いで俺を見る。

「あの体じゃ抱きつくのもままならなかっただろうね」

「これで、お父様に紹介できます」

「紹介?

 面倒だなぁ。

 ドリスの従魔でいいよ」

「それは困ります。

 有能な男性でないと私はあなたのお嫁さんになれません」

「本気なのか?」

「はい、本気です。

 ドリス殿も本気です。

 ウルさんもグレアさんもノワルさんもです。妻になり子を成すと言っています」


 うわ、包囲網完成。

 まあ、逃げる気はないが。


 焼き肉で話している間に、何かあったようだ……。

「まあ、その話はあとで、軽い朝食ができてるから食べてもらえる?」

「はい、わかりました」

「飯食ったら、父ちゃんに謝りに行くぞ。

 さすがに親の許可なしにお泊りしたら怒られるだろ?」

「父に会ってくれるのですか?

 楽しみです」

 楽しみって何だ? 

「さ、俺も外に戻るかな」

「私も行きます」

 先を歩く俺の後ろをベアトリスは追いかけてきた。


 まあ、簡単な食事なので、すぐに朝食が終わる。

「ちょっと言いたい事があるんだ。

 と言っても知らないのはドリスとウルだけかな?」

 皆が俺に注目する。

「俺の事を言っておこうと思う。

 今居るのは俺の大事な人だから。

 俺はこの世界に来る前、別の世界に住んでいたんだ。

 そこで事故をして、魂だけ飛んできてそんで巨人になった。

 色々知ってるのは前の世界の知識と巨人になった時に刷り込まれた知識を使ってる。

 わかった?」

「ご主人様、別にあなたがどこから来ていてもいいのです。

 あなたは強く優しいですから。

 あなたと一緒に居たいのです」

「じゃのう、アリヨシは強く優しくなければ、意味がない」

「オークに襲われ、もう犯されるしかなかった私を助けてくれました」

「アントン様の無茶な条件に困っている私を、助けてくれました」

「賊に襲われていたのを助けてくれました。要は、

 皆あなたと一緒に居たいんですよ」

 皆が言う。

「おう、わかった。グレアとノワルには言ったんだが、家を作ろうと思う。

 皆が住める家をね。

 皆が腹を決めてるのに俺だけダラダラって訳にもいかないだろう?

 まずは、ここの土地と農地を手に入れないと」

「岩塩鉱山がどうなるか……。楽しみですね。そう言えばドリスさんの手紙が来ていたようです。

 そろそろ、動きがあるかもしれませんね」

 ベアトリスが言った。

「さあ、解散だ。

 ノワル、俺とドリスとベアトリスの三人を乗せることはできるか?」

「簡単じゃ」

 ノワルは無い胸を張る。

「グレアとウルは留守番。

 時間があったら農場を見ておいて。

 俺はドリスとベアトリスを送るから」

「ご主人様、了解です」

「アリヨシ様、わかりました」

 俺たちはノワルの背に乗りドリスの村へ向かった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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