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結局お泊まりです。

誤字脱字の指摘、ありがとうございます。

 とりあえず、残り物を使って、軽く食べられるように準備した。

 誰か起きても飯ぐらいは要るだろう。

 最悪朝食にしてもいい。

 それが終わると縮小化を解いた。

 するとスプーンが俺に連動するように大きくなる。

 ん? 魔力で縮尺が変わる? 

 とりあえずスプーンは立てかけておいた。1メートル以上になってるんじゃないかな? 


 このスプーンのメリットは、縮小化、つまり俺が小さくなり人サイズになれること。

 着けている物も小さくなるようで、服の心配はなさそうだ。

 ただ、デメリットは魔力の消費が大きい。

 自然回復量を若干上回っているようで、ずっと縮小化していると魔力が枯渇する可能性がある。

 魔法を使えばその分魔力の枯渇も早まるかもしれない。

 こりゃ、一度テストして、枯渇までの時間を確認しておく必要があるな。

 スプーンをなくさない対策も要る……。

 その前にベアトリスがこのスプーンを俺に渡したのを覚えているかどうか……。

 と言うか、おばさん、何でスプーンを選んだ……。

 考えても仕方ないので、俺もホールで横になった。


 顔をつつかれる感覚。

「ん?」

 目を覚ますと、周囲はもう暗かった。

 そして、皆の寝息が聞こえる。

 目の前にドリスが居る。でも目が開いてない。

 半分寝てる? 

「どうした、ドリス?」

「おしっこ」

「そこら辺でしてこい。

 トイレは無いんだ」

「怖い、付いて来て」

「おっおう」

 ドリスについて外に出る。

 そしてドリスは陰に入りしゃがみ込んだ。

 覗き見るわけにもいかないので、ちょっと離れる。

「ダメだよぉ、後ろ」

「後ろに居ろって?」

 コクリと頷く。

 ドリス幼児化?

 正確にはドリス寝ぼけて幼児化? 

 何だこのシチュエーション。

「終わった……寝る……」

 ドリスが服を直す。

 俺が呆然と立っていると、

「一緒に行く」

 そう言って俺を見上げる。

「おう、ついていくから」

 ドリスがコクリと頷くと歩き出した。

 んーわからん。

 ついていくと、結局毛布にくるまり寝始めた。

 一人残された俺……。

「こいつも迷惑」


 一度目が覚めるとなかなか寝られない。

「温泉だな」

 俺は、スプーンで縮小化するとウルの風呂に入る。スプーンは縮小化した後、ちょうどいい具合にスプーンの柄の部分に飾り穴があったので、そこらへんにあった紐を通し俺の首にかけた。

「ふえー、気持ちいい。

 源泉かけ流しの風呂。

 贅沢だねぇ」


 縁に頭を置き空を見上げる。

 大の字になり、すべてをさらけ出して浮いていた。

 気配を感じる。

 レーダーにも光点。

「ハッハッハッハッ」呼吸の音。

 その後、呼吸の音が消えた。

「誰ですか? ご主人様の匂いはしますが……」

 人化したグレアが現れる。

 まじまじと見たことは無かったが、グレアは銀色に輝き美しかった。

「おう、起きたか?」

 じーっと俺を見るグレア。

「ご主人様は小さくありません。

 でもやっぱりご主人様の匂いがします」

 俺に近づき、スンスンと俺の匂いを嗅いだ。

 と言うか、近すぎるだろ? 


 目鼻立ちがはっきりした人化したグレアの顔が近づく。

 胸元には形のいい乳房が見えた。

 これはちょっと困るな……。

 俺はパスを繋ぎ、

「これでわかった?

 間違いなくアリヨシだから」

 と声をかけパスを切った。

「パスが繋がりました、ご主人様です」

「そういう事」

 グレアの服が消える。グレアの服は毛を変化させたものなので消すことができるのだ。

「私も入ります!裸同士は初めてです!」

 興奮気味に言うと、風呂に飛び込み、俺に抱きついてくる。

 形のいい大きな胸が俺の腕に当たる。

 んー、俺、我慢できるんだろうか……。

 と言うか息子がヤバい。

「グレアよ、ずるいぞ!」

 そこには人化したノワルが居る。

 それも、全裸だ……。

 んーツルペタ。

「急にメスの匂いがしだしたと思ったら、風呂の方から音がする。

 覗きに来てみればこうじゃ。

 アリヨシもアリヨシじゃ、なぜ小さくなったのなら(われ)に言わん。 我がいろいろ喜ばせてやるのに」

 そう言いながら風呂に入ってきた。

 いろいろって何だよ? 

「人の男は興奮するとソコが大きくなると聞く」

「『聞く』ってお前、実際にどうすれば俺が喜ぶかなんて知らんだろ?」

「えっ、それは、聞いたことがあるぞ?

 あんな事やこんな事……」

 自信が無くなったのか声が小さくなるノワル。

「だから、したことないんだろ?」

「無いが、やろうと思えば……」

「んー、この前ノワルに聞かれたよな。

『記憶喪失って言葉を何で知ってる?』って……グレアはもう一度聞いてくれ。

 俺はこの世界に来る前、別の世界に住んでいたんだ。

 結構勉強もしたんだぞ?

 まあ結婚はしていなかったがね。

 だから、この世界の事はわからないがお前らを喜ばせ方を少々は知ってるんだよ」

 俺はグレアとノワルに触れる。

「あっ……もっと」

「なんなのじゃ……これは」

 二人は悶える。

「ね、こんな感じ。

 でもな、今はしない。ここに俺もグレアもノワルもウルもドリスも、そしてベアトリスもみんなが暮らせるようになったら手を出すよ、わかった?」

 グダグダの説明だな。

「ご主人様、我慢します」

「むー、我慢するのじゃ」

 俺も我慢してるんだよ……。

「あーあ、夜が明けて来たねぇ」

「アリヨシ、触ってくれんかの?」

「ご主人様、触って欲しいです」

「ダーメ、でもおいで、抱っこしてやるから」

 俺は二人を抱きしめる。そして三人で明るくなる空を見上げた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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