─75─贈る言葉
こんにちは!本久禅です!
この作品を手に取っていただきありがとうございます!この話が初めてだよーって方は是非1話から読んでみてください!そっちの方がより楽しめます!
そして、1話から読んでくださっている方、読み続けて下さっている方々!本当にありがとうございます!
では本編どうぞ!
季節が移り変わり、生徒達の肌を灼熱の太陽の光がメラメラと焦がす、そんな夏が来た。
そして、一方では喜ばしくも、寂しさや悲しさが抑えきれぬ別れがやってきた。
パトラ先輩とペトラ先輩が卒業するのだ。
このタイミングで卒業するのは3名で、上の2人とユリアーノ先輩だ。
1年半も経たずに卒業というこの速さは、歴代の中でも稀であり、学校的にはここぞとばかりに宣伝材料にしているようだ。
それにしても、あまりにも実感が湧かない。いつも、同じ部屋で寝、体調が悪い時は気遣ってくれ、相談がある時は乗ってくれたあの2人が、この学校から去ってしまうなんて。
この部屋を1人で使うなんて……。
しかし、喜んであげなければ。せっかくの先輩の晴れ舞台なのだから。
今日、3人のための卒業式が夏休み前最後のこの日に行われるのだ。
そこで、各々の卒業生と相部屋だった、私、マーシィ、キルダーニの3人は送辞を述べることになっている。
私は、直前まで直し、自分の思いを素直に乗せた送辞を胸ポケットに押し込み、いざ、式が行われる会場へと入った。
式は進み、いよいよ私の番になった。
「在校生代表、ソフィーさん。前へ」
私は、3人が並ぶ舞台の前で3人を見据えながら、送辞を開いた。
「(前略)──私が、ペトラ先輩と初めて出会ったのは、入学式を終え直後のことでした。元気ハツラツな様子で迎えられたあの時は、緊張で溢れた胸が、すっと解けるようでした。
しかし、そんな元気な印象からは一転、荷解きの時には細々としたところまで気を使って頂き、先輩の心強さに胸を打たれました。
そこからの日々は、まるで流星のように速い、そんな時間でした。
ある時は、悲しみに暮れる私の肩をだいてくれ、話を聞いてくださいました。
ある時は、慣れない環境の中で路頭に迷っていた私を、的確なアドバイスで導いてくださいました。
ある時は、すごくくだらないことで笑い合ってくださいました。
そんな、短くも濃いこの半年弱を忘れることは、この先何があってもありえないでしょう。
私の中で、一生の財産となりました。
私たちよりも、一足先に冒険業を営む先輩に、最後に言わせてください。
何があっても絶対に死なないでください。
この学校で学んだこと、先生方に教えてもらったこと、それを駆使して立派な冒険者道を歩まれることを切に願って、送辞の言葉とさせていただきます。
寮内号室0001号室。ソフィー」
体育館の外では、セミが五月蝿く鳴いていた。
しかし嫌な気はしない。
きっと彼らは、今からここを旅立つ先輩達の門出を祝っているのだから。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!
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