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新婚初夜に『トロフィーワイフ』と暴言吐かれて放置されました  作者: 鴉野 兄貴
終章 勝杯の乙女

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竜を育む大輪よ

 皇帝はわたくしどもと話すよりたたかうことを望んでおりました。

 かがなにゆえたたかうのかは存じかねます。



 されどわたくしどもは逃げること叶わず、そのたわむれによってわたくしどもの命運が儚くなるのは望みません。



 かれの人間観に従えばわたくしども人間種族は。


1.飼料の確保容易なり

2.成長著しく

3.飼育下で繁殖し

4.穏やかな気性

5.容易に取り乱さずして

6.序列化した集団を形成す


 そして飼育環境下により選定され品種改良を受け続ける。

 すなわち家畜にございます。



 王国が帝国にきばをむいたそのわけ、

 わたくし改めてさとることとなりました。


 王国には太陽王国や三部族のような手真似(手話)なきことのわけを。


 帝国をしりぞけてよりあらわれいずるようになった盲目なるものをはじめ身体のいずこかに欠損あるもの、精神薄弱なるもの、気性極めて社会性とぼしきものたちが王国にあふれるその理由。


 わたくしどもかれとつるぎまじえて悟りました。


 独立後なにゆえかわからずあふれかえるようになり、すくう手もなく地にまみれる彼等彼女等は『不幸ゆえに』帝国においては生まれることすら許されなかったのですね。


 パラサイト。

 皇帝、かれの感覚では人間種族は人間種族自身を家畜とするいきものにすぎず、かれらこそ人間種族を飼うものとなります。


 ミカが、女神たちがわたくしども人間種と彼らパラサイトに違いを見出せなかった理由もわたくしどもはさとりました。


 わたくしどももいずこにてパラサイトゆえに。



 我が背はのちの世にて神話のごとき猛者と伝えられることでしょう。


 されどここまで。


「聖杯や。いずこにあらんか」

 お別れです。みなさま。楽しゅうございました。


 わたくしの両の手輝き、聖杯が姿を見せます。

 もちろん今のわたくしが使えばいのちを落とすことでしょう。


 わたくしは聖杯を掲げ持ち。


「させん」

「っ!? マリカよせ!」


 起動しませんでした。

 何ゆえ。


 皇帝の刃が伸びます。

 わたくしの頬に血の匂い。

 わたくしをかばいしリュゼ様の背より刃が。


「我背よ……」


『人としての争いは人同士にて』


 祖母はその不文律を破り黄泉比良坂よもつひらさかを彷徨い戻りました。

 されど今はおまえの力が必要なのです。


 聖杯よ。

 皆を救って。



「興醒めだ」


 皇帝は続けます。


「ここまでのようだな。なんじの手品は種切れかね」


 いえ、まだございます。

 切り札は最後まで。


 私は刃のないミスリルの守り刀を抜き、皇帝に対します。


「お相手仕る」


「その短剣を抜くか。神の短剣抜き放たれるとき世は変わりおまえは全てから忘れ去られる」


 ええ。わたくしあなたを倒します。

 たとえ我が背から忘れ去られても。

 人々から忘れ去られ永遠をひとり彷徨うことになろうとも。


 これぞ神話のときより世界を守りしものアルダスの剣。

 運命の剣。神の刃オリハルコン。


「わたくしに力を……リュウェイン!」

 ミスリルの刃に隠されし、輝くオリハルコンの短剣は光を増し、わたくしは腰ために剣を構えて皇帝に向かいました。



 ……ここは何処や。

 首をくくられ汚物を流して垂れ下がるわたくしと目が合いました。

 自ら喉をついたわたくしの死骸がわたくしを見つめています。

 貝殻で肉を削ぎ落とされた学者のわたくし。

 民衆に犯し尽くされ首だけになって槍に掲げられし王妃のわたくし。


 闇と血と毒と病と瘴気漂う視界全て。


 百とも千ともいえぬ無数のわたくしめの死骸たちがわたくしを眺めております。



「……マリカぁ。悪いけど君には使えないんだ」



 小さな足音とともに童にしては大きな槍を背負った養い子がわたくしの手を取ります。


「フェイ……ロン?」

「君はここにいちゃいけない。でも……」


 酸鼻を極めるところ、えづきかけるわたくしをかれは支えます。


「あなた、海にいたのでは」

「『実はここにいた』のさ。そういうもんだよ」


 彼はわたくしを支えて立ち上がります。

 そして振り返ると、無数のわたくしに語りかけます。


「ねえねぇ。君たちは救える。

 君たちの悲願はここにて叶えられる。

 それでいいかな。


 このひとをさ、君たちの仲間に加えるのは嫌じゃないの」


 首無きものも手足失いしものも、一様に頷きます。


「よしよし。じゃそういうことで」


 フェイロンは彼女らに手を振り、彼女らも右手を……右手失いしものは左手や他を動かしました。


 下半身や上半身がないものなどいますゆえ文章で説明をするのはいささか困難てすが。



「さて。と。……楽しかった。

 マリカ。リュゼ。お別れだよ」


 彼はわたくしから神の剣を奪い取ります。


 ……!


「待ってくださいましフェイロン。

 あなたはわたくしを、リュゼ様を捨てるのですか。

 あなたがふみを重ねるミマリからも忘れられるのですか」

「うん? まぁそういえば……そっか。そうだね」

 戸惑いつつ彼は頷きました。


 しばし考えるそぶりを見せて彼はつぶやきます。

「じゃ、男の子たちが生まれたら僕の名前をつけてよ。それで」

「だめです。おやつ抜きです。行ってはなりませぬ」


 後ろから肩をいだかれます。

 首のないわたくしめがわたくしを慰めてくださいました。

 それなのに不思議と嫌悪は抱きませんでした。


 彼女らは全てひとしくさだめに抗いしかつてのわたくしなのです。

 酸鼻極める中なのに安らぎとぬくもりがわたくしどもを包んでおります。


「リュウェ……そっか。そうだね」

 神の短剣を抜かんとし、一度ミスリルの鞘におさめてフェイロンはいいます。



「見てて、マリカ。この銘はさ、アルダスを忘れなかったたった一人の友人の名前なんだ。


 だから、……ぼくが彼の代わりにこの剣を持つならば別の名前が必要だ」



 捏造ともされる上位古代語で『リュウェイン』と書かれた銘はみずから蠢き書き換えられてゆきます。


 わたくしのしる、やまとのことばに。

 わたくしの、おそらくフェイロンもが愛する我が妹の名前に。


 フェイロン。

 あなたは皇帝を倒すために現れたのではないのですね。

 わたくしを救いに、どなたかの祈りと願い受けてあらわれてくれたのですね。


 それはおそらくふたはしらの。

 そしてわたくしのいくすえに涙してくれた祈るものたち。



「この世界を変えてくれ。

 君の姉を救う物語を生み出してくれ。

 このものたちを新たなる光の世界に導いてくれ。


 ……なんじの名はミマリ!」


 彼の剣が光を放ちました。



 闇と血と病と嘆き猖獗しょうけつ極める世界に光がさし、いくつものわたくしは新たな姿を得て光と共にのぼり旅立って行きます。


 皆一様にカーテンシーや剣の礼をして。


 あるものはくちづけを。あるものはわたくしを抱き寄せて。

 礼儀ただしきものもはすっぱなお転婆も一様に。


「ありがたく存じます」「頑張って」「やっと解放されもうした」「これよりが肝心」「かの方少々。わたくしなら選びませんが内面は良き」「あんな不細工でいいんだ。信じられない」「よしなに」……。



 ……痛みは幻をうみます。

 わたくしはもはやしゃべることもかなわず、這いずりながら進みます。


 刃のない守刀を握りしめて。


 ただ、我背を斃し、かわいい森番を屠ったにくいかたきに抗うべく。



 レッドロータスの痛みを消す力を用いれば仮に胴が切断されてもわずかな間ならば。


「そこまでだ。よくやった。ほめて遣わす。

 ここまでだ。わからぬか。


 命とそうでないものをよりわける愚かなる学徒よ。

 我となんじら、なんじらが足蹴にする路傍の石となんぞ違いあるか。

 書物の知識で今私を倒せるか。その男を救えるか」


 わたくしにできること……?!


 なにか、なにがございましょう。

 わたくしだけがいまここにいる理由。


「皇帝よ」


 振り向き動かぬ我背を想い這いずる力すでにつきかけ。

 リュゼ……さま。



 いま、そこに。


 わたくしとミカ。

 寄るべなき童ふたりを抱きしめてくれたかた。


 その方のためにできること。

 わたくしにできること。


 わたくしは最後の力振り絞り、膝を立て、片手で身体支えて彼の指輪がはまった手をそっと下腹にそわせました。


 そのことばはわたくしにもなぜ漏れいずることになったのかわかりかねます。


 母を見ていたからかもしれません。

 ミカの微笑みを思い出したからやもしれません。


 この地に訪れてあった方々の笑顔すべてを。



「子を成すことができます」



 わたくしはリュゼさまのように剣を使えません。

 ライムのように獣に変わる力を持ちません。

 ポールのように純粋に強くありません。


「……貴様たちやまとびとどもの伝説には虎を絵から取り出そうとした僧侶がいたというではないか。朕を楽しませろ」



 なにもできかねます。

 わたくしはわたくしでしかなく。

 わたくしはミカのように優しくも強くもない。

 だけど!


 わたくしができないことをどなたかが行います。

 その方ができないことをどなたかが。

 弱いものが寄り添って、そのわずかな力を補い合います。


「……あなたたちは食事も快楽も必要としない。

 人々を、すべてを幸せにすることができる。

 ゆえにあなたたちは世界そのものであり人間というのですね」

「である」


 皇帝は頷きます。

 私は血を吐きながらのどをふるわせ、もはやどこにここまで力あったのかという声を出しました。


「ならば! あなたたちにはできぬこと!

 わたくしは子を育みましょう!」


 彼は、皇帝はつまらなさそうにつぶやきました。


「貴様は今死ぬ。

 貴様らがいう物質にもどるのにか。


 身体は獣が食い血は蟲どもがすい、木々や草花おまえを覆いつくす。

 そしておまえは物言わぬ土になる。


 そうだ。きさまたちやまとびとの言葉で九相図くそうずとよぶのだったか」


 彼はわたくしの血を地面から埃と共にひとさしゆびですくい舐めました。


「血液型を無視して輸血できる血。不味くはない。貴様を素体に生産しても良いな」



 さようなるものではございません。

 わたくしは。今、ここにいるのはわたくしのみ。


 そして無数のわたくしがいま、わたくしを見守り、激励してくれているのです。



「いくらつくられても繰り返しても。

 たとえわたくしの血が絶えてもその意思を継ぐ弱きもの達がいます。

 それは、そのものたちはいずれあなたを、パラサイトの帝国を打ち倒します」


 皇帝。

 彼は笑ったのか、戸惑ったのか、もはやわたくしにはわかりかねるようになっていました。



「……700年! 700年です!

 わたくしたちは血を繋ぎます! 人間は必ず腐敗する! 人間は欲望に屈する! 人間の世は必ず崩壊する! それでも!」


 わたくしたちは抗います。

 書物に刻み血に刻み魂を継ぎます。


「皇帝。あなたの支配を不要とする世をいずれ作ってみせます。


 いかがでしょう完全なる命よ。

 そのさまそのいのちその意思の物語。

 私どもの代わりに見届けてくださいませ」


 もはやどこまではなしたのやら。

 目は見えず己の声すら聞こえず血の臭いも嗅げず痛みすらない中もの言い続けます。


 もちろん、血を繋がない、一人の幸せというものもありますわ。


 ですからわたくしたちは寄り添って生きるのです。

 一人の幸せを追求する中で救われるものもきっとございますゆえ。


 たとえ血が繋がずとも、たとえ憎きものの子だったとしてもわたくしたちは社会を作り育みます。


 定命のわたくしたちの命など、700年など。

 皇帝陛下、あなたにとってほんの戯れでしょう。



 でも。

 ね。リュゼさま……。


 指を伸ばします。

 何も見えずいまのわたくしにもはや小指ひとつあることすらわからないままに。


 せめて小指だけでも。

 すこしだけ。少しでいいから繋がっていたいのです。


 ねえ皇帝。

 お母様。


 ほんの少しだけ時間をください。

 あいのことばを紡ぐほどだけ……。



「マリカ。マリカ。しっかりしろ」


 ……声が聞こえまする。



 わたくしのいとしいかた。

 お父様。いえ違います。


 より力強く泣き虫で、意地っ張りで、初夜の睦言に暴言を放って立ち去るようなお方です。


 もう少し揺蕩うございますれば。


 熱いしらたまがわたくしを濡らします。

 もう起きねばなりません。



 目覚めるとわたくしどもの傷は消えていました。


 遺跡の外、城主館があった街を見下ろす高台の上、晴々とした星空のもと、朝日が登らんとしております。


 遠く離れていたはずのわたくしどもの街はすでに街を覆う炎なく、されどあちこち燻っているのが闇の中でもよくみえます。



 遠き遺跡前に置いてきたはずのペガサスが駆け寄り、わたくしに額寄せてきました。


「ペガサス。やめなさいまし。リュゼ様も助けてくださいまし。笑っていないで助けてくださいまし……もう」


 きっと皇帝の興味を得ることができたのでしょう。

 彼もしくは彼女は正しくわたくしたちの命を繋ぎました。


「リュゼさま……」

 彼の傷は消えておりました。

 いえ、わたくしの傷も。


 ……そしてこれより育まれるこのいのちも。

 わたくしは下腹をさすります。



「やつは我々の一部に? やつは勝っていた。何故だ」


 上位種族を名乗るものの戯れがわたくしごときにわかるとでも。傲慢ですわ。


 ただ、彼らはとても知的好奇心豊富なのです。

 わたくしと同じく。


 きっと彼は姿をかえわたくしたちのそばでいつも待っています。

 時を経て必ず姿を表すでしょう。


 その時までに彼らを、パラサイトたちバイドゥを超えなくばなりませんね。



「リュゼさま」


 いっぱい、いっぱい生きましょう。

 いっぱい、いっぱい愛し合いましょう。


 わたくし、いのちのかぎり民に尽くします。


 たとえ途中で斃れても。

 たとえ憎きものに屈する時があろうとも。

 わたくしたちは意思を継ぐ者たちを育みましょう。



「それが人間というものです。皇帝陛下」



 人間とは多種族を巻き込み取り込み成長し異種族となる敵と永遠に戦うための仕組みに過ぎないというあなたの結論はあえて否定致しません。


 ただ、そのカシラがパラサイトである必要がない国を、差別も偏見も身分すらも互いに乗り越えいつくしみあえる国をいつかつくって見せましょう。


 あなたに約束した700年では人間がカシラになる程度の変化しか起こせないでしょうが、ひょっとしたら猫や木々、そしてやはりあなたがその位置に在る日がくるかもしれませんよ。


 いつかきっと。

 いつかきっと。

 思いを繋いで。


「リュゼさま」


 何度も呼ばずともいい。

 彼は行動でわたくしのくちびるをふさいでしまいました。


 朝日がのぼります。

 風はいまだ冷たく私どもの肌を苛みます。

 わたくしどもは互いの身を寄せ合い日が昇るのを待ちます。


 わたくしどもの足元で蠢くものどもあります。

「スライム……さん?」


 大量に湧き出でた小さなスライムさんたちのひとつが手を振りました。

 すこし笑ってしまいます。


「あいたたた……お嬢様ひどいですよ強く抱きついたりして。

 後で倒れてしまいました。謝罪と賠償を要求します」


 振り返ると、わたくしの魂の半分。


「ミカ……?」

「やりましたね。お嬢様」


 彼女は親指を立てて日輪のごとく微笑みます。

 蘇生したせいか、化粧が取れております。


 その愛らしさたるやリュゼ様とわたくしでなくば心臓もろく儚くなっていたことでしょう。



「ミカっ! みかぁ!」

「あーもうよしよし」


 彼女はわたくしを抱きしめ。

 そして互いに泣いて笑いました。



「見たまえ。マリカ。ミカ。日が昇る」


 わたくしどもは見ました。

 小さなスライムさんたちがむれつどい、無数の大きな蘭に姿を変えてゆくのを。


「これが『りゅうをはぐくむたいりん』だよ。

 君に、君たちに見せたかった」


 蘭はひかりとともに香りをひろげ、朝露たたえてゆっくりと開いてゆきます。


 一部のランは収斂進化でキノコに似た特性をもち、蝿の仲間を育てると書物にありまする。


 その花々のつぼみ一つ一つに、小さな竜がうまれいずり姿を見せます。


「ドラゴン……ドラゴンは卵をうまず、ある時煙のように世界の気そのものが姿を変えてうまれると……」

 ミカがつぶやきます。耳学問ながらわたくしの助手ゆえ詳しいのです。


「そうだ。かつてはそうだった。

 そして新たなるドラゴンが生まれる時、世界は変わっていく」


 小さなドラゴンたちは愛らしい声をあげ、あるものはよちよち這いいずり花びらから落ちて泣き、あるものは彼を舐めて慰め。


 光が降り注ぎ、虹色をしたドラゴンたちは徐々に大きくなり、ゆっくりと飛び立っていきます。



「新しい世界が始まるんだ。マリカ。ミカ」



 彼は微笑みます。

 それは美形とされる赤毛の勇者よりずっと魅力的にわたくしには思えました。



「旦那様は赤毛の勇者よりは清潔ですしね」

 ミカは微笑みます。


 彼女は月影より美しく太陽より暖かく、旅立つ竜たちに手を伸ばし見送り続けます。


「君は、結局なにものかね」


 リュゼ様とわたくしに彼女は背を向け、ドラゴンたちの旅立ちに祈りの言葉を紡いでおります。


 そして振り返りくちびるに指立て呟くのです。


「乙女の秘密にございまする」と。



 ーー朝日が昇る。

 月が巡り星が見守る。

 花が咲き実がつき種を残す。


 人々は鍬をとり歌を紡ぐ。

 唄え賢きおとめのものがたり。


 空に唄え地に満ちよ。

 希望と命を繋げ娘たち。

 剣と鋤もち未来を守れ男たち。


 掲げよう栄光の盃。

 構えよう勝利の盾。


 次代に繋ぐトロフィーを。


 初代『ひざのくに』辺境伯。

 その彼を支えし賢妻マリカ。


 その知恵と愛のみでバイドゥの侵攻を止め、人類の存亡の危を救いし少女。


 護りの一族700年の始祖。


 彼女を後の歴史家は記す。

 『勝杯の妻』と。ーー


挿絵(By みてみん)

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