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悪霊はコーラ

 はい、朝です!

 おはようございます。5時です。いつもこのくらいに起きるけど、昨日は寝てないんだよねぇ。眠くならないし。あ、死後硬直は無事解除できてました。ただ、背中に血が集まって、真っ赤になっててびびった。調べたら、死斑って言うらしい。なんか嫌だから、思いきって血を抜いてみた。

 そしてその血は、何かに使えるかもしれないから、靄の中に収納してる。

 さて、いつもはこれから朝ご飯を作るところだけれど、もう食べる必要が無くなったし、いいかな。ただ、そのうち食べたくなるときが来るかもしれないから、食材とか食器とか、色々靄の中に収納しとこう。そうだ!家の中の物全部収納しちゃおう。多分、全部入るだろうし。

 …よし、入った。うーん、学校までまだ時間あるし、何しようか。ラノベ…もなんか今は特にそんな気分じゃないし、うーん。…今日の予習でもしようか。



 …やばい。何がやばいって、この体の記憶力よ!

 一回見たら、絶対忘れないの。それに、透視能力レベルの視力に、高い動体視力とものすごい速い思考速度。何が言いたいかというと、教科書を開かなくても、少し眺めるだけで内容を全部暗記できちゃったの。これすごくない?

 後、試しに四桁の数字を適当に十個作ってかけ算したら、解くのに1秒もかからなかった。しかも答えは電卓と同じ。つまり合ってる。これ、勉強しなくてもいいんじゃない?まあでも、学校には行くけどね。女子高生なんて、一生に一度しか体験できないんだしね。


 さて、まだまだ早いけど、この部屋でやることも無いし、学校に行こうか。…寄り道しながら。




 私が通ってる高校は、アパートから徒歩30分ぐらいのところにある。地味にきついんだよね。でも、死んでる私に疲れるってことはない。それに急ぐ必要も無いから、色々見て回る。

 早朝だから、まだ開いてる店はかなり少ないし、人通りも少ない。けど、それでもいくつかは開いてるところもあるし、時折サラリーマンやOLみたいな人が歩いてたりする。

 それに、私には透視能力レベルの視力がある。全方位死角無しの視界で、色んな家の朝の風景も見れる。けっこう楽しい。

 へー、あの人朝からカツカレーとか、あんなにがっつり食べれるんだすごい。

 あっちの家庭ではお母さんらしき人が忙しそうにしてる。あ、子供がお味噌汁溢した。お母さんがキレそうになってる。

 あっちの夫婦?は新婚さんかな?行ってきますのキスとかしてる。

 あの家では、てなんかヤバくない?あれって、あれだよね?

 多分、悪霊って奴。しかもあの家のお爺さん、もうすぐ死ぬね。

 どうしようかな。例えあの悪霊を祓ったとしても、長くは生きられないし、…でもまあ、これも実験だね。私がどれぐらい強いかの。

 さて、まずは気配とか消せないかな?こう、存在感を薄く。

 …多分できた。目の前のサラリーマン風の人の前に立ってみたけど、避けようとしなかったし、念のため手を顔の前で振ってみたけど、何の反応もしなかった。多分大丈夫。これでいきなり消えたりしても大丈夫なはず。

 よし、悪霊に取り付かれたお爺さんのところに転移!


 さて、来たはいいけど、どうやって倒そう。

 いや、何も考えて無かったわけじゃないよ。ただ、どの方法を使おうか迷っててね。

 1つは靄。これを使えばなんとかなると思う。消えろ、とか念を込めてもいいし、撲ってもいいと思う。

 2つめは素手(霊体)で殴る。これでもいいと思う。ただ、なんとなく拳が痛そう。

 最後はエナジードレイン。バナナを砂に変えたあれである。多分、霊体にも効くと思う。これは靄でも霊体でもできるけど、どっちの方が効果が高いかわからないからね。実験にもなる。

 という訳で、エナジードレインにしようと思う。

 まずはバナナにもやった靄から。うん。いやがってる。でも、即死するほどじゃ無いね。次は霊体で…


 シュン


「え、」

 霊体でエナジードレインした瞬間、一瞬で消えた。後、味はコーラみたいな味だった。

 それにしてももしかして、霊体のエナジードレインて、滅茶苦茶強い?

 まだ確証はない。どこかに生贄(モルモット)はいないだろうか?…いた、部屋の角に鼠が二匹。ちょうどいいのでさっそくやってみる。うん。やっぱり靄ならけっこう時間がかかるけど、霊体なら一瞬で吸収できた。

 後、悪霊を吸収したからか、なんとなく力が強くなった気がする。それに悪霊の記憶?みたいなのもてに入れた。どうやらあの悪霊、強盗に入られて死んだ女の霊らしい。このお爺さんに取り付いてたのは、単なる生者への嫉妬から。けっこう便利。このエナジードレイン。

 でも、力の方はほんとに微妙。これはあの悪霊が弱かったのか、吸収の効率が悪いのか、わからない。できれば知りたいけど、近くに悪霊は…1キロ先だけど、いるね。

 まあ、後でいいや。それよりこのお爺さんどうしよう。ほっといたら、今日にでも餓死で死にそう。でも、面倒見るのも面倒くさいし。

 …よし、このお爺さんもエナジードレインしよう。このまま孤独死するより、私の糧になる方が何倍もいいでしょう。

 さて、それじゃあ触って…お、ほんのちょっとだけど、悪霊より時間がかかった。

 でも、お陰で色んなことを得られた。このお爺さんの知識や技術。そして、エナジードレインの吸収効率は悪くないってこともわかった。あの悪霊は、まだ弱い方だったんだと思う。まあ、全力で呪って、お年寄りを一人衰弱させるぐらいしかできて無かったしね。それにしても、幽霊や生き物を吸収すると、その人が持ってた力とか技術とか知識とかを得られるって、すごい力だよね。

 ちなみに、お爺さんの味は、最初は薄い甘酒みたいな味だったけど、最後にすごい濃厚なところがあった。多分、あれが魂なんだと思う。

 それにしても、初めて人を殺したんだけど、特に何も感じなかったなぁ。幽霊になったからなのか元からなのか…まあ、気にしても仕方ない。

 さて、そろそろ学校に行こうかな。







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