通り魔
まあなんやかんやあって次の日。
それにしてもこの体ヤバイね。私、もう二徹してるのに全然眠くならないの。まあ、便利だから良いけどね!
後、ヤバイといえばこの町。マジモンの心霊スポットが二桁もある。それに数キロ先まで全方位見れて瞬間移動できる私が、二日もサーチアンドデストロイしてるのに、一向に減る様子の無い怪異。どこから補充されてんの?てくらい減らない。幽霊だけじゃなくて、妖怪とか、呪いとか、バリエーションも豊富!
つまり、今の私にとってはすごくありがたい。
色んな味が楽しめて、いくら食べても減らない。そして何より無料!これぞまさにユートピア!
おまけにどんどん私の力が増していってる気がする。知識や技術も蓄えてってるから、すごく楽しい。
あ、そういえば昨日、面白いもの拾ったんだよねぇ。先生達に会ったら自慢しよう。
そんなことを考えてたら学校に到着。ちなみに昨日より五分早い時間。
お?なんだろう、職員室の方でなんかバタバタしてる?見に行ってみよっと♪。
というわけでやって来ました職員室。気配を消して、瞬間移動ですぐです。さてさて、何があったのかな?
「各家庭にメールしたか!?」
「しました!」
「たく、なんで通り魔なんか…」
「野咲さんの容態は!?」
「血まみれで倒れてたらしいけど、詳しいことはまだ!」
「朝のホームルームで使う資料の作成、めんどい。」
「とりあえず、人通りの多い場所を通るよう通達を…」
へー。通り魔か。もしかして、私を刺した奴と同一人物?可能性はあるよね。もう少し詳しく知りたいけど、会話を拾うだけだとこれくらいが限界だね。誰かに聞こうにも、答えてくれるかわかんないし、凛導先生か、諏藤先生なら教えてくれそうだけど二人とも、忙しそうだし、昼休みにでも聞いてみようかな。見つけた物の自慢もそのときでいいよね。
それじゃあ、今から何しようかな?日課───まだ二日しかやってないけど。───を済ませても良いけどそれだけだとなんか味気ない。…そうだ!刺された女の子を見てこよう。死んでたら魂食べてみよう。そしたら、記憶を奪えるからね。今回の事件の詳細がわかるし。生きてたら…何しよう?…まぁいっか。それは見てから考えよう。
野咲さんて子が運ばれた病院は、先生達の会話からわかった。
隣町にある、篝火病院。けっこう最先端の医療器具も揃ってる、大きな病院だね。
さてさて、どこにいるのかなー。
およ?あれかな?
ベッドに寝かせられてる女の子がいる。
お腹には包帯が巻かれてて、酸素マスクや点滴、その他諸々色んな機械に繋がれてる。
その横では、夫婦っぽい二人と、白衣を着たおじさんが何か話してる。たぶん、この三人は野咲さんの両親と、お医者さんかな?病室の入口に、名前が書いてないからわからないけど、他にそれっぽい人はいないし、きっとこの子でしょう。
「それで、娘は、娘はどうなんですか!?」
ちょうど女の子のお母さんが、お医者さんに尋ねてる。
ジャストタイミングだったのかな?
「手はつくしたのですが、一命をとりとめたかどうか。」
「なんでそんなにあやふやな答えなんですか!?娘は、娘はちゃんと生きてるんですよね!?」
「…まだ、確かなことは言えないのですが、もしかすると娘さんは、脳死、かもしれません。」
「脳死?脳死ですか?てことは、娘はもう目覚めないかもしれないってことですか!?」
「おそらく。私はその可能性が高い、と判断しました。」
「でも、まだ、まだ決まってないんですよね?」
「はい。まだ決まってはいません。しかし、野咲さん、覚悟だけは、決めておいて下さい。」
そう言って、お医者さんは病室を出ていった。そしてお母さんは泣き崩れ、それをお父さんが慰めながら病室から連れ出す。
病室には、野咲ちゃんだけが残った。
それにしても脳死か。どうしよっか。
最近、ふと思うんですよ。
幼女が、二メートルぐらいある金属製の柱みたいな棒を持って、敵を薙ぎ倒していく話とか、TSの話が読みたいなって。
おすすめの話とかあったら、教えてください。




