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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第20章 第一人者編
495/500

495杯目「痛み分け」

 ――大会2日目――


 バールスターズ準決勝の日を迎えた。まだやっていない競技の練習も十分にした。


 皐月も弥生もやる気満々だ。気分は常にうずうずしていて、今にも試合のゴングでも鳴りそうだ。


 会場に集まった人々は昨日よりも少なくなっているが、アメリカ代表の応援団はまだ健在。チームマイケルは生き延びたようだ。しかし、情けないことに、日本代表はチーム葉月珈琲を残して全滅した。アジア代表に至っては数えるほどしかいない。予選に参加した1000チーム中、今日残っているのは50チームだ。競技はどれもアメリカ発祥だし、必然的にアメリカが有利なのは否めない。


 この大会も段々と熟成されていくだろう。


 みんながルールに慣れてくれば、やがて戦力は均衡するようになるはずだ。予選は1回の負けでワンアウトだったが、準決勝からは1回の負けで参加人数分だけアウトが重なる。ルーレット次第ではスリーオンスリーとなり、全員が負ければ一発アウトも十分にあり得る。どちらかのチームが既にワンアウトかツーアウトになっている場合、試合の途中であってもスリーアウトになった時点で敗退となる。


 人数が一気に減った分、競技時間に余裕が持てる。30種類の競技の内、予選では15種類、準決勝では12種類、決勝トーナメントでは順番に3種類の競技が行われ、勝ち進むほどに競技の種類が絞られて楽になる。僕らが昨日練習していたのは準決勝の競技だ。準決勝はアウトになったバリスタは参加することができず、全員がアウトになればスリーアウトとなり、敗退が決定する。


 チーム葉月珈琲メンバーとして集まったのは、僕、弥生、皐月が会場に入場する。


 サポーターチームとして、リサ、ルイ、レオ、エマ、大輔、優太、吉樹、柚子、桜子が集まった。


 僕にとって最後の大会であることを伝えると、バールスターズのために予定を空けてくれた。いつもなら家のパソコンで見ているはずなのに……。


 かつて就職レールを勧められ、起業さえ反対されたが、結果的に成功してからは、文句も言わなくなったばかりか、葉月グループの一員となってくれた。皮肉にも就職レールの途中で勤めていた会社が潰れてしまったことで、思考停止のまま生きることがいかに危険であるかを思い知らされてからは、起業に対する考えを改めてくれた。就職という生き方もありだが、会社にぶら下がるのはナンセンスだ。


 唯たちは家で引退記念パーティの準備に忙しい。


 みんなしてこっちに来たら家も店も回らなくなるし、最も割を食うのは、メジャー店舗経験者だ。マイナー店舗のスタッフにとってはメジャー店舗を経験する絶好の機会ではあるが、教える人があまりにも少ないのが問題だ。こんな時くらい店仕舞いにしてもいいと思うが、予約が殺到している弊害なのか、なかなか休めない日々が続いている。残業がないのがせめてもの救いだろうか。


 午前10時、各国の旗を振りながら観客が応援に徹し、参加者はただ静かに競技を行う。


 一見地味にも思えるが、見るべき者が見れば、かなり高度な技のオンパレードだ。


「ねえねえ、準決勝はどんなルールなの?」


 リサが気さくに桜子の隣に並びながら尋ねた。


「ルーレットを回して競技を行うところまでは予選と一緒です。10チーム1組に分かれて、グループAからグループEに配属されます。予選はどのルールでも1回の負けでワンアウトでしたけど、今回からはツーオンツーならツーアウト、スリーオンスリーで負けた場合は一発スリーアウトで、アウトを宣告されたバリスタは試合に出ることができません。どの競技も1対1の形式で競技を行いますが、どちらかのチームが既にワンアウトやツーアウトの場合は、スリーアウトが成立した時点で試合終了です」

「……どういうこと?」

「つまり片方がツーアウトだったら、1人で3人抜きしないといけないってことだよ」

「それって大変なの?」

「大変なのはお姉ちゃんの理解力だと思うけど」

「どうせ理解できないですよーだ」


 レオの言葉に両頬を膨らませるリサ。冗談だよとレオが宥めるが、リサは言葉巧みに奢らせようとしている。まんまと口車に乗せられてしまったレオが売店に赴こうと席を立つ。リサは複雑なルールを理解するのは苦手だが、人を動かす処世術に長けている。


 大会のルールなんて、全部理解している人の方が少ない。参加者でもルールが分からずに違反してしまう人もいる。昨日予選落ちしたバリスタの中にもちらほらいた。だが準決勝まで生き延びたバリスタは端から端までルールブックを読んで理解している猛者ばかりだ。


 あくまでも推測だが、生き残っているのは大卒クラスのバリスタばかりだ。いくら才能があってもルールを理解しきれずに失格になるようでは実力以前の問題だ。ルール違反で失格になるのは、主に基礎文法の段階で躓いてきた連中だ。以前、恐ろしい実験をしたことがある。練習の一環と称して、大卒バリスタと高卒バリスタにルールを把握しているかどうかペーパーテストを受けさせた。


 結果は期待を裏切らなかった。大卒バリスタの方がルールをしっかりと把握していたのだ。高卒バリスタにもルールを把握している者もいたが、合格者の割合が少なく、平均点にも大きな差が出てしまった。ルールを把握しきれなかった連中は総じて読解力が低く、話を聞くだけの集中力もなく、元々は施設にいた連中だった。だが同じ高卒でも、葉月珈琲塾を卒業した者たちは問題なく満点を叩き出した。一方で大卒バリスタで不合格となった連中は、いずれもFラン大学にいた連中だ。しかもワースト5位までを独占している。Fラン大生の大半は中身が中卒であることが数字の上でも証明されたのだ。いっそ小学校の段階で躓いている連中のために、学力がなくても活躍できる職人コースを創設してもいいのかもしれない。


 チーム葉月珈琲はグループEに入った。


「1つ提案があるんだが、あず君は控えに回ってくれないか? 切り札は最後まで取っておきたい」

「何言ってんの。チーム葉月珈琲は全員が切り札だ。そのことを忘れるな。何のためにトッププロの訓練を積んできたと思ってる? ワンオンワンの競技は僕が行く。ツーオンツーは2人が行ってくれ」

「――分かった」

「分かりました」


 弥生と皐月が軽く頷いた。思うことはあるだろう。


 協調性を発揮することが苦手な僕がワンオンワンの競技に徹することは、予てから決まっていた。


 誰かにだけ負担が集中してはいけない。昨日は僕だけが突っ走りすぎた。ツーアウトになってから盛り返せたのは2人が休憩時間を稼いでくれたお陰だ。30種類全ての競技をこなすのは簡単ではない。得意とする競技を教え合う形式を採った。弥生も皐月も教えるのがうまい。息を合わせる必要はなく、やるべきことだけをこなし、相方に希望を託すのみ。


 ツーオンツーの競技で相方がミスをしても、2人は決して諦めようとはしなかった。


 50チーム中決勝トーナメント進出を果たせるのは10チーム、つまり10チーム1組のグループ内で上位2チームに入らなければならないのだ。スイスドローが始まり、AIが回したルーレットの結果で対戦相手と行う競技が決まる。今度はレベルが違う。優勢に立った時、差を広げるチームはあれど、逃げの一手を打つチームはいない。思い出作りで参加したチームもいるが、やはり真剣勝負の世界において結果は嘘を吐かない。優勝以外は頭にないコーヒー大好きマンばかりが揃っている。


 ルーレットが止まり、最初の競技が決まる。


『コーヒー・ファクトリー』は10分以内にひたすらドリップコーヒーを淹れ続ける競技だ。スリーオンスリーの競技であるため全員参加となる。コーヒーの合計数が多い方の勝ちというシンプルなルールだ。なるべく早くコーヒーを淹れるスピードが求められる。1人から3人まで自由に同時参加でき、負けた場合は参加している人数分だけアウトになり、3人全員が参加している場合は一気にスリーアウトになる。スピード対決に自信がない場合は1人だけ参加し、被害を最小限に抑えるのも手だ。チームのどちらかの人数が足りない場合は補正がかかり、1対3なら1人の方が合計数の3倍扱いとなり、小数点は切り捨てとなる。淹れたコーヒーは観客に配られるため、無駄に捨てられることもない。


 チーム葉月珈琲も対戦相手であるチーム上海珈琲も全員参加となった。


 ――いきなりアジア勢で潰し合いかよ。


 運営スタッフの合図で競技がスタートすると、カウントダウンが始まり、競技用キッチンがドリップコーヒーで埋め尽くされていく。だが早ければいいものではなく、量がカップ内のラインを超えていなかったり、色が悪かったりした場合はカウントされないのだ。競技で使われる全てのコーヒーカップには十分な量を示す目安ラインが引かれており、昨日と同様に目安ラインを超えていなければ入っていないと見なされるのだ。無我夢中でコーヒーを淹れた。ケトルを持ちながら熱湯を注ぎ、コーヒーがポタポタと落ちる度に、観客の声が聞こえなくなっていく。歓声の集中砲火を浴びているはずなのに、全くと言っていいほど気にならない。コーヒーから目を離そうとは微塵も思わない。


 僕は今、アロマを漂わせる最愛の恋人に夢中だ。


「チーム葉月珈琲の動き、滅茶苦茶早いぞ」

「文字通り、工場のコンベアーみたいだ」

「3人で役割分担をしてくるなんてな」


 チーム上海珈琲はグラインダーでコーヒー豆を砕く作業、熱湯を注いでコーヒーを淹れる作業、コーヒーサーバーに溜まった茶色いコーヒーをカップに注ぐ作業の全てを各自で行っているが、チーム葉月珈琲は役割分担を行い、コーヒー豆を砕く作業は弥生が、コーヒーを淹れる作業は僕が、カップに注ぐ作業は皐月が行っている。別々の作業を地道にこなすよりも、たった1つの作業を淡々と繰り返す方が早い。特に僕のような、過集中になりがちな人間にはうってつけの作業法だ。しかも皐月はコーヒーを待っている間にカップを作業用キッチンに並べ、いつでも淹れられるよう仕込みを進めていた。


 勝負はチーム葉月珈琲の圧勝だった。


 一気にスリーアウトを取ったため、チーム上海珈琲はここで敗退となった。


 項垂れながらステージを去っていく。


 厳しいかもしれないが、これが勝負の世界だ。バラバラの作業にしてはスピードがあった。工夫さえできていれば、もっと伸びるはずだし、相手から見たこっちは良い手本になっただろう。


 再びルーレットが回され、新たな競技を針が示す。


『ロースティング・アロマ』はお題となるコーヒー豆を10種類の焙煎されたコーヒー豆の中からクイズ形式で当てるスリーオンスリーの競技であり、1人から3人まで参加できる。正解となればセーフになるが、外した場合はアウトになり、全員正解となった場合は解答タイムが短いバリスタが所属するチームの勝利となる。負けたチームは参加者の数だけアウトとなり、3人参加なら一発スリーアウトだ。


 チーム葉月珈琲からは僕が参加し、チームシンハラからも1人が参加する。既にツーアウトで2人が参加できない。相手を侮っているわけではないが、万が一を考え、参加人数を控えた。運が絡む以上、3人いれば勝てる競技ではない。前回大会の映像を参考に模倣練習したが、知っている豆である保証はなく、不安定要素の大きい競技だ。実力勝負なら自信はあるが、唯一負ける可能性が高いのが運ゲーだ。人生は運によるところが大きいと言わんばかりの競技だ。


 成功者は努力をした人ではなく、努力が運良く報われた人である。


 人事を尽くして天命を待つとはよく言ったものと改めて納得する。


 競技が始まると、問題が出されると同時に10種類焙煎されたコーヒー豆に駆け寄った。


 サンプルを嗅いで問題となるコーヒー豆とアロマが一致するかどうかを確認する。


 カッピングはできないため、嗅覚のみが頼りとなる。


 全てのコーヒー豆をじっくり嗅ぐと、すぐに正解となるコーヒー豆と同じ番号のボタンを押す。


 しかし、相手のバリスタも同じ番号のボタンを押していたのだ。しかも相手の方が早い。不正解の場合は同じコーヒー豆の中から別の問題を出され、どちらかが正解するまで続く。どちらも正解の場合は先にボタンを押した方の勝ちだ。つまり、正解なら僕の負けだ。


「2人共同じコーヒー豆を選びました。判定は……正解です! チームシンハラの勝利です!」


 負けた……弥生と皐月を引っ張るどころか、足を引っ張ってしまった。


 絶望が包み込むような罪悪感を覚え、2人の元へと戻っていく。


 今日はノーアウトで決勝トーナメント進出を果たしたかったが、余裕を持って進出したいと決めていたのに、どうやら相手は途中で正解を確信していたようだ。僕は最後の豆のアロマまで嗅いでいた。確信はあったが、ふと、もしかしたらと思い、慎重になってしまったことが敗北に繋がってしまった。最愛の恋人を信じ切れなかった。リスクを取ってすぐにボタンを押していれば……。


 アウトが宣告され、僕は準決勝の残り試合に出られなくなった。


 後はこの2人に……託すしかないということか。


「タッチの差だったな。後は私たちに任せておけ」

「……頼んだ」

「随分暗いな。いつものあず君らしくもない」

「そうですよ。ここで諦めたら、未来に託す希望も無くなってしまいますよ」

「! 何でその言葉を?」

「宇佐さんから色々聞いた。あず君は真剣に世の中のことを考えてるんだな」

「……」


 あいつ、あの時のこと話したのかよ。我ながらカッコつけすぎて恥ずかしいと思ってたのに……。


 しかしながら、2人は僕がアウトになったというのに、全く諦める様子はない。


 致命的な敗北がないだけで、競技の中で負けたことはある。負ける辛さを久しぶりに味わった。これが嫌だからこそ、誰もが努力を積み重ね、報われることを祈る。


 相手は優勝したような騒ぎだが、この後すぐにスリーアウトを取られ、敗退が決定した。


 これで残り5チーム。ワンアウトはチーム葉月珈琲のみであり、ノーアウトはチームタイムズスクエアのみ。最近アメリカ東海岸で最も勢いのある3人のバリスタによって結成されたチームだ。前回大会準優勝のチームにして、アメリカ代表のワンツーフィニッシュを飾った強豪チームの1つだ。今大会でも優勝候補の一角を担っており、チーム葉月珈琲がいなければティアーワンに入れたとさえ言われ、全員が20代前半である。バリスタオリンピック選考会でもファイナリストに輝いており、今後のバリスタ競技会は彼らによって変わると専らの噂だ。僕がいない状況で……こいつらのあいてをするのはきつい。


 けどそんなことを考えても仕方ねえ。今は2人だけの競技だ。


 恐らくここが今日の山場になるだろう。他のチームもツーアウトを記録し始めた。


 1対1の競技になれば、必然的にチーム葉月珈琲が優位に立つ。正真正銘の正念場だ。


『コピー・アーティスト』はバールスターズ予選開始までに記録された、各競技会のラテアートを競技者がコピーするというツーオンツーの競技だ。両チーム共2人以上残っている場合のみルーレットの対象となり、2対2で行われるが、ラテアートの一致率が低い2人がアウトになる。相手は3人から選べるが、うちは弥生と皐月の2人のみである。


 誰かのラテアートをマネするのは得意だが、弥生と皐月に関して言えば、実力は未知数だ。


 競技が始まる前にフェニックスのラテアートが表示された。


 ――あのラテアート、確か初めての世界大会、WDC(ダブリューディーシー)で僕が描いたフェニックスじゃねえか。まさかここで再び見ることができようとは。


 そういやあの頃の僕は美味いかどうかなんて気にせず、風の向くまま気の向くまま描いていた。


 固さのない描き方からも、当時の僕が伸び伸びと描いていたことが窺える。ラテアーティストとしての美味さは今の僕が断然上と言える自信はあるが、もっと別の何かを持っていた。


 1人1台用意されたエスプレッソマシンを作動させ、いつもの手順でグラインダーで粉々にしたコーヒー豆からエスプレッソを淹れると、見本と睨めっこをしながらスチームミルクを回しながら投入し、当時のラテアートの中では特に難度の高いフェニックスを完成させた。


 決して朽ち果てることのない不死鳥の如く、我武者羅に耐え抜きながらもラテアートを究めた時期に一発本番で完成させた当時の僕自身を象徴していた。翼の書き方は他の鳥類にも代用できるし、弥生と皐月は対戦相手よりもお互いに負けたくない思いで集中しているのが背中から伝わってくる。精密機械のような手捌きでミルクピッチャーを体の一部のように動かし、フェニックスを完成させていく。


 制限時間5分の間であれば何杯分描いてもいいが、AIに提出するのは1杯のみである。


 全員が競技を終えると、制限時間の5分を過ぎた。


 心躍る瞬間は尊し、されど矢の如く短し。


 手に汗握る競技は競技前よりも時間を早く感じさせた。自分が競技をしているような感覚を覚え、2人と意識を一体化させていたかのようだ。チーム戦の醍醐味を忘れていた。できるだけ多く勝ち星を稼ぎ、2人を楽させようとばかり考えていたが、自分が負けても味方が取り返してくれると信じてさえいれば、さっきの競技だって、早く切り上げてタッチの差で勝てたかもしれない。


 僕にもまだ成長の余地があるということか。


「AIが一致率を発表しますので、モニターをご覧ください。結果は……1位がサツキタチバナ、2位がエドワード・ハリス、3位がヤヨイホンダ、4位がメアリー・リカータです。よってヤヨイホンダとメアリーの2人がアウトとなります。両者痛み分けです」


 チームタイムズスクエアのリーダー、ヘンリー・ベイカーが興味深いと言わんばかりに、手を顎に添えている。彼の専門はシグネチャードリンク。ラテアートは得意だが、他の2人ほどじゃない。総合スコアは皐月が上回っているし、ヘンリーが出ていたとしても結果は変わらなかっただろう。


 事実上の引き分けとなり、残るは皐月のみとなったが、僕らの自信が揺らぐことはなかった。


 残り4チームとなり、次のワンオンワンの競技は皐月が制した。


 個人の力が強いチーム葉月珈琲が残り1人になったことで有利に傾いた。


「グループEから明日の決勝トーナメント進出を果たした2チームは、チーム葉月珈琲とチームタイムズスクエアです。おめでとうございます!」


 会場から声援と共に、惜しみのない拍手の音が鳴り響く。


 皐月が生き残ったお陰で、チーム葉月珈琲はツーアウトで決勝トーナメント進出を果たした。


 チームタイムズスクエアはワンアウトであるため1位通過となる。グループAでは優勝候補のチームマイケルが0アウトのまま、余裕の1位通過を決めていた。チームフォルモサはグループBを2位通過した一方で同じくグループBの根本率いるチーム穂岐山珈琲は、惜しくも準決勝の敗退となった。悔しさを滲ませる根本のそばには水無と芽衣が駆け寄っている。個人的に交流のある芽衣とは何度か話したが、チーム穂岐山珈琲は全面的に協調性が高く、チームワークが売りではある。


 しかし、個人の力が物を言うバールスターズでは力及ばずだった。


 日本代表はチーム葉月珈琲のみとなった。

読んでいただきありがとうございます。

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