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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第18章 包囲網編
438/500

438杯目「アパルトヘイト食堂」

 早朝、僕はバリスタランド・スタッフホテルで目を開いた。


 事実上の住み込みではあるが、そろそろここでの生活にも慣れてきた。


 葉月珈琲では伊織が僕を心配するあまり、無意識にココアを何杯も作ってしまい、千尋には呆れられ、皐月は笑いが止まらなかったという。独立なんてはなっから無理だったのがよく分かる。たった1週間離れるだけだってのに、今生の別れのように目をうるうると震わせながら僕を見送っていく光景を今でも思い出す。証拠が見つからないまま、月末まで残り3日を迎えた。


 スタッフホテルでは、誰でも1階の食堂で食事を取ることができる。バリスタランドに務めているスタッフは割引されるため、アルバイトも定価より安価で定食を食べられるのが救いだ。店舗は1つだけで、茶色い木製の机と椅子が100席分以上も設置されている。数種類の日替わり定食から1つを選んで注文するようだ。トッピングは追加料金を取られるが、それでもチキン南蛮定食が800円なのは安い。


 僕のトレイの上には、チキン南蛮、味噌汁、白米、漬物、緑茶が乗っている。


 これだけ用意してくれるのはありがたい。今日の仕事も頑張れそうだ。


 席に着こうと、トレイをテーブルに置いた時だった。


「おいっ! 何だその言い方はっ! 働いてる人たちに失礼だろっ!」


 1人の男性が大きく声を荒げ、周囲の人が男性に注目する。男性のそばには取り巻きと思われる数人のアルバイト仲間が佇んでいる。どうやらつるんでいるらしい。


「ねえ、あの人、どうかしたの?」


 僕はすぐそばにいた若手のアルバイトに声をかけた。


「どうしたもこうしたも、バイトは10月から全員ここで食えなくなるんだよ」

「食えなくなる?」

「食堂は10月から、役員と正社員専用の場所になるんだってさ。俺たちバイトは外でコンビニ飯を買って部屋で食えってことらしい」

「……マジで?」

「マジだ。はぁ~、世知辛い時代になったもんだな」


 若手のアルバイトが無力感を醸し出しながらため息を吐く。


 酷い待遇差別を見た。ようやく同一労働同一賃金が導入された矢先にこれかよ。


 役員らしき黒スーツを着用した男が見下すような目でアルバイトを睨みつけ、やり返すようにアルバイトの男が役員らしき男に詰め寄った。目から目の間には花火が見える。


 今にも殴り合いになりそうだ。周囲は固唾を呑んで見守る中、役員らしき男が口を開いた。


「お前らバイトはちゃんと努力をしてこなかったんだから当たり前だろ」

「ふざけんな! 何で急にそんなことが決まったんだよ!? まともな理由を言えっつってんだろ!」

「経費削減だよ。来年には清掃ロボットも導入される。まともな仕事もしていないバイトごときのために食堂を運営する意味なんてねえんだよ。ここは元々、出張してきた役員と正社員のために建てられたスタッフホテルなんだからな」

「何だとてめえ。バイトだろうと仕事は仕事だろうが!」

「バイトは仕事じゃない。ただのお手伝いさんの分際で出しゃばるんじゃねえ!」


 ――かつての親父の言葉を思い出した。


 正社員以外は仕事じゃない。親父自身をも振り回していた言葉だ。


 人生シミュレーション研究によると、人生は運によるところが大きいという結論が出ている。


 能力と収入が必ずしも比例するわけではない。稼げている人は自分の能力がたまたま環境と相性が良かっただけであることも少なくない。環境が変わった途端、無能になることもある。一緒に働く相手との相性もあるし、成功者以上の実力を持ちながら潰れた人もいる。運も実力の内ではない。実力も運の内なのである。実力を持って生まれてくるかどうか、実力を発揮できる環境に生まれるかどうかさえ、運で決まることを知る者は少ない。それが理解できない者ほど自己責任論に走り、自分がラッキーであることに気づけない。誰かの勝利は誰かの敗北と引き換えであることに気づけないのは傲慢以外の何ものでもない。みんなできて当たり前、だからできない奴は努力不足。実に単純な発想だ。


「そのお手伝いさんのお陰で、美味い飯が食えてる自覚もないんだね」


 役員らしき男とアルバイトの男がこっちに顔を向けた。


「ここはお嬢ちゃんの来るところじゃねえぞ」

「私もこの人と同じ、お手伝いさんなんだけど」

「「「「「えっ……」」」」」

「あんたさー、ここにいるバイトたちがいなくなったら、仕事どころじゃないの分かって言ってる?」

「はあ? 何が仕事どころじゃないだ。ばっかじゃねえの?」

「馬鹿はあんただよ。今日も仕事だけど、あんたが態度を改めないなら、私は今日の仕事を放棄する」

「「「「「!」」」」」


 一瞬、役員らしき男が背中をのけ反らせた。


「ハッ、脅そうったって無駄だ。バイトごときが俺を動かせるとでも――」

「思ってるよ。力を持つ者には相応の責任が伴うの。あんたは責任を果たすどころか、人を貶めるために力を使ってるじゃん。あんた、経理財務担当の役員だよね。いくら経費削減のためだからってさー、あんまりバイトを蔑ろにしていると、いつか痛い目見るかもよ」

「あっ、お前いつの間にっ! 返せっ!」


 役員らしき男の名刺を見せた途端に取り上げられた。


 さっきピスポケットに入っていた名刺をバイトと話している時にこっそり抜いてやった。


 この男はオリエンタルモール経理財務担当、土門剛輝(どもんごうき)。オリエンタルモールの実質的な支配権を握っていることからも、鍛冶からは全幅の信頼を置かれていることが窺える。氷のように冷たい表情を崩したかと思えば、眼鏡の位置を人差し指で整えた。位置がずれたわけではないが、恐らく癖だろう。まさかこんなところでオリエンタルモールの幹部に会えるとは思わなかった。


「みんなに聞きたいんだけど、ここまで言われて何とも思わないわけ?」

「「「「「……」」」」」


 だんまりかよ。巨悪に何も言い返せないなんて、本当に残念な国民だな。


「もしこの食堂のアパルトヘイト政策に反対したい人がいるなら、嘆願書にでも署名して、こいつが撤回するまでは、仕事を一斉にボイコットすることだね。上層部の人に、この鬼畜眼鏡の不信任アピールができるし、みんなでやれば怖くないんじゃないかな」

「そうだ。こんな奴に見下されながら顎で使われるなんて、真っ平御免だと思わねえのか!?」

「「「「「……」」」」」


 アルバイトたちは顔を下に向けながら沈黙を貫く。


「はははははっ! お前らだけだな。まあいい、お前らはその内クビにしてやるから覚悟しとけ。反革命分子は早めに排除する必要があるからな」

「別にクビにしてもらわなくても私は近い内辞める予定だから、手間は取らせないよ」

「あっそ。まあでも、お前らはクビ確定だ。このことは人事部に報告しておく」

「……や、やれるもんならやってみろよ!」

「その威勢がどこまで持つか、楽しみにしてるよ」


 土門は鼻で笑い、後姿を見せながら遠ざかっていく。


 僕は他のアルバイトたちと共に席に着いたが、アルバイトは生きた心地がしなかった。このままだと、彼らは10月からこの場所を使えなくなっちまう。3日間見た限りだが、この食堂は正規非正規を問わずバリスタランドの仕事に携わる者たちの交流の場となっていた。仕事の疲れを癒すサードプレイスとも言える場所が、経費削減のためだけに、アパルトヘイトによって分断されつつある。


 土門がここにいるってことは、恐らくあいつも遠征組だ。


 名刺をポケットに忍ばせているってことは、これから誰かに会うってことか。全く見ない顔だが、行き過ぎた権力欲は身を滅ぼすってことを思い知らせてやる。せめて葉月グループを陥れた物的証拠でも見つかれば、あいつ諸共一泡吹かせられるんだが、どうやって探せばいいのか分からず、攻めあぐねていた。交流の拠点が潰されようとしている。コーヒー業界の意向とは逆行するものだ。


「何だよあの野郎、超ムカつくぜ」


 チキン南蛮を口いっぱいに頬張る。社員食堂に置いておくには勿体ない味だ。一般的な店でもこれほどのクオリティを誇るのかと、僕は密かな危機感を募らせた。ただ美味い飯を作るだけなら誰でもできる。近くの商店街には、トンカツ、オムライス、カレーの店が多いが、どれも一度手順を覚えれば、素人でも比較的短時間で量産しやすい料理だ。この食堂も例外ではなく、手軽に作れる料理ばかりだが、レストランに出ていてもおかしくないレベルだ。定食に使われている食材も比較的高く、経費がかかっている理由があるとすれば、定食の味を落としたくないからであると考えれば説明がつく。


 ただ、それにしたって、さっきの言動は流石にどうかと思ったな。


「あーあ、お前ら終わったな」


 沈黙を貫いていたアルバイトの1人がようやく口を開いた。


「逆らわずにいればいいものを、俺たちの待遇がこれ以上悪くなったらどうすんだよ?」

「ああ!? お前こそあれだけ言いたい放題言われてるってのに、何で黙ってられるんだよ!?」

「しょうがないよ。だってみんな、上司には逆らっちゃいけないって学校で教えられてるからね。あんたたちは、ああいういけ好かない上層部の人間に馬車馬のようにこき使われるために教育を受けてきたってことが、これでよーく分かったでしょ」


 アルバイトの男が僕の真向かいに着席したまま、憮然とした顔で黙々と食べ始めた。


 さっき声を荒げていた男の名札には田辺(たなべ)と書かれている。カキフライ定食を食べている田辺さんと言い争い、権力には従順な男性の名札には塚田(つかだ)と書かれている。塚田さんはクリームコロッケ定食が乗ったトレイをテーブルに置き、僕の隣に陣取っている。田辺さんも塚田さんも30代くらいの中年男性で、センスの欠片もないヨレヨレのTシャツとズボンを着用している。


「……俺は大手ホテル会社に入ることを目指して、スタッフホテルのバイトに入った。非正規雇用の経験しかなくても、バリスタランドの社内貢献度で部署内の1番を取れば、望みの大手企業に雇ってもらうチャンスを掴めると聞いた。なのにバリスタランドは公約を無視しやがった。大手ホテル会社を紹介してもらうどころか、仕事を増やしてくるばかりで、店員の足りない部署に派遣された。ユーティリティー制度か何だか知らねえけど、もううんざりだ。あんな奴にクビにされる前にこっちから辞めてやる」

「でも入って半年も経たない内に辞めたら、転職活動で不利にならねえか?」

「ほっとけ。不利なのは元からだ。そんな変わんねえよ」


 吐き捨てるように田辺さんが言った。カキフライを歯でザクッと噛み潰す音が聞こえてくる。


 土門と田辺さんが言い争った影響なのか、悲愴感が漂う食堂はお通夜のように黙食が続いている。昨日のようにガヤガヤと談笑しながら食事を取る光景はない。


 なるほど、バリスタランドで働いている非正規雇用の連中はコーヒー業界での出世を目論んでいる他、コーヒー業界を経由職とすることで、転職活動を有利にする目的もあるようだ。バリスタとしての才能が開花すれば、富も名声も思いのまま。トップバリスタへの道がどれほど困難であるかも知らずに挑む者が後を絶たないが、大半はプロを諦め、良くてカフェのマスターに落ち着く。だがそうでなくても、バリスタ経験者というだけで、転職活動が有利になる状況だ。


 それほどにまでバリスタの価値は上がっている。


 本命に辿り着くための足掛かりにする目的で、本命ではないが、市場価値の高い職に就くアドバンテージを利用する者もいる。バリスタもまた、出世のための経由職となりつつあるのだ。別の道で結果を出してから、芸能人に転身した人が多くいるのを見ると、下積みで芸能人になるよりも、いっそ他で得意分野を究めてから芸能人になった方が早いのではなかろうかと思ってしまう。あれもあれで1つの生き方だ。僕も何度かバリスタ役で映画やドラマに出演したことがあるし、有名になればコラボという形で芸能活動に参加する機会が必然的に増える方程式だが、僕はうるさすぎる芸能界から撤退した。


 仕事を目的としてではなく、あくまでも手段として利用する。


 バリスタランドはアルバイトを経由職とすることを売りとしているが、早くも公約は破られた。それでも転職を渋る人が多いのは、何のスキルもなく弱い立場であることを見透かされているからだ。こいつらは毒沼に嵌って喘いでいる哀れなピエロだ。


 ましてや土門みてえな奴にこき使われる立場だし……。


 仕事ができる人はそもそも毒沼に入らない。


 勉強は何のためにするのか。スキルは何のために磨くのか。


 答えは人それぞれだが、僕の場合は嫌な奴と仕事をしたくないからだ。


「お前さー、昨日買ったエロ本回収したか?」

「あっ、やべっ! 忘れてたぁー! 見つかってたらどうしよー」

「早く戻ってカバンに入れとかないと、今日ここを担当する清掃員に見られちまうかもよ」

「だな。わりい、先に戻るわ」


 1人の男が慌てて食堂から立ち去った。目的がダサすぎてつい笑いそうになる。


「なあ、待遇改善の嘆願書、本気で書くつもりか?」

「もちろん。どうせ辞める予定だったんでしょ。だったら好き放題できるじゃん。これからここに入ってくる哀れなピエロたちのためにも、今の内に改善させようよ」

「その話、私にも協力させてくれない?」


 隣に腰かけた井岡さんが話しかけてくる。井岡さんの後ろには岡野さんが佇んでいる。


「田辺さん、私にも協力させてください」

「私も嘆願書にサインします」

「お前ら……ふっ、どうなっても知らねえぞ」

「雁来さんの働きぶりを見て、私もあの鬼畜眼鏡に一泡吹かせてやりたいと思ったんです。バイトを怒らせたらどうなるか、思い知らせてやりましょうよ」

「じゃあ、俺も協力しようかな」

「塚田、お前反対じゃなかったのか?」

「誰も反対なんて言ってねえだろ。君が雁来さんとは知らなかったよ。うちに破天荒な清掃員がやってきたとは聞いたけど、雁来さんが味方にいれば心強いね」

「えっ、破天荒な清掃員って、お前だったのか?」

「結構噂になってるんだ」


 こりゃちょっとまずいな。忍者の如く静かに探るよう言われていたが、僕には不向きの役だ。


 しかしながら、こっちが潜入していることはまだばれていない。ばれたら二度と調査はできない。


 珈琲屋川崎には正攻法では入れないし、夜中に入店する方法があるとすれば、忘れ物を装って入れてもらうことくらいだが、この方法も一度きりだ。唯一鍵の入っているロッカーが匂うが、あれを開けられる最後のチャンスがあるとすれば、ロッカーの鍵を持っている誰かからこっそり借りるしかない。


「じゃあとりあえず、嘆願書にサインしておいて。みんながサインしてくれれば、小石1個分の打撃は与えられるはずだよ。バリスタランドは宣伝に力を入れているし、不祥事を起こすような人がいれば、役員であろうと容赦はしないはず。だからできるだけ多くの人に書いてもらうよう協力してほしいの」


 小石1個で安心しきっているところにもう一発でかいのをぶち込んでやる。


 食堂から人気がなくなると、僕、岡野さん、井岡さん、田辺さん、塚田さんの5人のみとなる。


 奥からは水道水が流れる音が聞こえる。あれだけ大勢の食事を作ったんだ。相当な量だろう。役員と正社員だけが使うようになれば、儲けは少なくなるが、理由は恐らくアルバイトの大量リストラだ。土門は思った以上に労働の機械化を推進する考えを持っているようで、キャストの一部が廃止されたのも、土門が一枚噛んでいると見て間違いないだろう。


 非効率と見なした仕事は片っ端から潰していく。経費削減の基本だ。


「でもさー、嘆願書のことが土門にばれたらどうすんだよ?」

「そうだよ。オリエンタルモールとつるんでる杉山グループは証拠隠滅がうまいっていう噂だ。きっと嘆願書を奪いに来るぞ」

「心配ない。俺に良い考えがある」

「どんな考えだよ」

「嘆願書は俺の部屋に隠しておく」

「そんなんじゃすぐにばれると思うけど。私だったら家に持って帰るけどなー」


 岡野さんが提案するが、家は調べられる可能性が高い。過去に杉山グループの陰謀が暴かれそうになった時、新聞記者の家に保存してあった証拠のフィルムが丸ごと消えた事件があったことからも、ある意味では最も危険な隠し場所と言っていい。水道の点検を装って入った業者が杉山グループの差し金だった。新聞記者の自室の机の引き出しからまんまとフィルムを盗み出した。しかも手袋をしていて証拠も残さなかった。そのことを新聞記者から知った優子は、探偵の中に杉山グループの味方をする者がいると確信を持った。この時点で探偵を頼る選択肢が失われたのは痛い。


 だが持っていれば、いずれ身体検査でばれるし、有力な隠し場所なんて――。


 僕は片手で頭を抱えた。奴らをやり過ごすのは難しい。


「心配すんな。自室ってのはな、一度は疑われる場所だけど、うまくやり過ごせば、二度と疑われない場所でもある。スタッフホテルの部屋にはな、清掃員でもまず見つけられない場所があるんだよ」


 田辺さんがドヤ顔を浮かべながら言った。


 清掃員でも見つけられない場所――いくつか思い浮かぶが、相手が思いついていない可能性もある。


 作戦会議を練った後、何事もなかったかのように自室へと戻る。


 田辺さんと塚田さんは昼から夜にかけて外の清掃を担当している。開園後時間と閉園前時間を担当する清掃員は自然に溶け込みながら外の掃除を担当し、客に話しかけられた場合の道案内も担当する。


 オリエンタルモールに関連付けるように土門のことを調べた。土門の親父は神奈川県に拠点を置く大手コーヒー会社の社長であり、杉山社長とはズブズブの関係である。顔写真に写っていたいけ好かない老人顔、以前杉山社長のオープン記念挨拶の時に見たことがある。コーヒー会社は川崎市。


 そうか、珈琲屋川崎は土門の親父のコーヒー会社から出店されたカフェだったんだ。


 それだと矛盾が生じる。杉山社長が贔屓にしている企業店舗は軒並み中央エリアに建てられている。


 何故不遇に扱われがちな南東エリアにあるんだ?


 土門親子は杉山社長と鍛冶議員の両方に深く関わっていると僕の勘が教えてる。オリエンタルモールの役員に就任できたのは単なる実力だけでなく、コネで入ったと見て間違いない。仕事はできるが人心掌握はできない。これじゃ杉山社長の後継者候補たちと同じ?


 目をギラギラとさせながら杉山社長の一家をスマホで調べた。


 やっぱりそうか。土門には杉山社長の親戚が嫁いでいる。しかし、土門は名字を変えておらず、娘婿ではないのが引っ掛かる。もしかしたら杉山グループの後継者候補ではないのかもしれない可能性もある。鍛冶の下でバリスタランドの運営を任されているとなると、ここから導き出される結論は1つ。


 鍛冶はバリスタマネージャーとしては有能だが、経営者としては無能ということだ。

読んでいただきありがとうございます。

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土門剛輝(CV:野島健児)

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