表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第17章 死闘編
412/500

412杯目「戦略と戦術の旋律」

 ――大会3日目――


 WTD(ワテッド)に参加した100チームは、16チームにまで数を減らした。


 敗者復活戦により、優勝候補の大半が脱落した。ロサンゼルスに残って結果を見守るチームもいるが、大半のチームは財政に余裕がないのか、はたまた他人の競技に興味がないのか、早々に帰国していった。


 外国ではプロスポーツでも試合途中で帰宅する観客が当たり前のようにいる。とことんドライな気もするが、それが一般的なファンというものなんだろう。みんなには最後まで観客がいてくれる競技者になってほしい。何故こんなにも他人任せなんだろうか。昔ながら自分がそうなりたいと願っていたはずだが、やはり競技会への興味を失いつつあるのだろうか……。


 身支度を済ませ、全員がホテル内にある僕の部屋に合流する。


 今日も特に相手の情報は伝えない。プレッシャーを与えると焦るのは場数を踏んでいない証拠だ。もっとこいつらのメンタルを考慮するべきだった。気づくのが早かったのは自分でも意外だ。必要に迫られている部分もあるが、チームメイトを顧みている自分に驚いた。


「みんな知っての通り、決勝トーナメントは1回勝つ毎に1杯ずつカップが増える。ベスト16は2杯、ベスト8は3杯、準決勝は4杯、決勝は5杯のカップを使って3Dラテアートを作る。その分体積の大きい3Dラテアートを作れるし、表現の幅も広がる。つまり、今の実力がもろに反映されるってわけだ」

「ずっと2杯から5杯のカップで訓練してきたのは今日のためだもんね」

「そゆこと。大会は予選を突破してからが本番だ。極端な話、決勝以外は1位じゃなくても通過できるからな。でも決勝は残った連中の中で必ず1番を取らないといけない。みんなそのために来てる。トーナメントは後がないし、連続で続く決勝と思っていい。準優勝も1落ちも同じ価値だ。勝てない相手とどこで当たったかの差にすぎないからな。大会は決勝を戦うための訓練がどれだけできたか選手権だ」

「あず君が言うと説得力あるな」


 何を隠そう、最も重要視してきたのは決勝用の練習だ。


 予選は勝てる相手ばかりだし、基礎能力が高ければ突破できる。本気で勝つ気があり、実力も伴っている相手と戦えるのは決勝のみ。予選で苦戦するのが初心者、予選突破ができるようになれば中級者、決勝しか見えていないのが上級者なのかもしれない。僕と他の参加者とでは、見えている世界が全く違う。


 大会の日に昼食はない。控えめの朝食で昼に備え、終わってから夕食を楽しむのが梓流だ。


 最後の練習をしてから会場へと向かい、午前10時を迎えた――。


「さあ、いよいよ決勝トーナメント開幕です! 泣いても笑ってもここで終わり。昨日までは1つのコーヒーカップを使っていましたが、3Dラテアーティストたちの真骨頂はここからです! 1回戦毎に使えるカップの数が増えます。3Dラテアートは段々大きく、迫力あるものへと変わっていくでしょう!」


 司会者が会場を盛り上げ、観客は既に興奮状態だ。


 全ての対戦を同時に行い、試合が決すれば10分休憩で次の戦いが始まる。


 制限時間は30分。この間にできるだけミルキューを積み上げながら3Dラテアートを完成させ、3人中2人が対戦相手に勝てば勝利となる。ミルキューとエスプレッソ以外に着色料の使用が認められ、色をうまく使えているかどうかも総合スコアに加算される。課題は全くの自由であるため、架空の生物や神話の建物なんかを作ってもいい。課題が自由だと、一見簡単に思えるかもしれないが、実は自由な課題が最も難しい。テーマを絞っている方がまだ難度は下がるし、アイデアの豊かさが諸に反映される。


 これだけ開放的な条件で力を発揮できないバリスタもいるが、僕らは違う。ものが違うんだよ。


 WTD(ワテッド)開催前、僕は知り合いの芸術家を招いた。納得がいくまで作品を見てもらった。バリスタの世界大会でジャッジを務める人はバリスタばかりだ。しかし、3Dラテアートのジャッジを務めるのは芸術家の人ばかりだ。マイナー競技会はメジャー競技会よりも自由度が高い。参加者のレベルもバラバラで、今回もモチーフとなるイラストを見るのを忘れて作成に失敗したチーム、モチーフをあまり作れず同じ作品ばかりを作ったチームもいた。この大会は減点式レパートリーポイント制度があり、同じ作品を作った場合は減点さてしまうのだ。無論、決勝トーナメント進出を果たしたチームはいずれも減点なしだった。加点式ではなく、減点式なのが実に興味深い。


 つまりスイスドローは落とすための戦いだ。決勝トーナメントではカップ数が増えていくため、全く同じ作品を作ることができない。2つの場合は2つ作品を作るのではなく、2つのカップを重ねて体積を増やし、より大掛かりな作品が出来上がるわけだが、感覚としてはショーピエスに近い。


 制限時間が長いということは、試行錯誤は重ねさせてくれるということ。高さや大きさのある3Dラテアートを作るのは難しく、練習では何度も失敗した。牛乳を総動員する勢いで購入し、結果的に桃花の実家を儲けさせる結果となった。本来の用途ではないし、飲むことさえしなかったが、味を楽しむ以上の意味がある。千葉で特別な餌を与えられながら育った牛から採れる佐奈牛乳は、数ある牛乳の中でも特に脂肪分が多く、当初は固まりやすいという理由から売れなかった。どちらかと言えば、生クリーム用だが、3Dラテアートの登場で出世した。この固さなら城も作れそうだ。


 ルールを細かく確認し、ルール違反でないことを確認してから競技に臨んだ。


「桃花、凜、最後の戦いだ。気を引き締めていくぞ」

「はい。必ず勝ちましょう。あたし、頑張ります」

「うん。私も頑張る。チーム葉月珈琲のために」


 僕が手の甲を2人の目の前に掲げると、桃花と凜がすぐに手の平を僕の手の上に置いた。


 観客の声は僕らの耳に届かなくなった。それからは会話をすることなく、ステージに足を乗り上げた。必要なものが用意され、僕らの目の前には、6人分のアイランドキッチンがあり、上にはエスプレッソマシンやいくつかのコップが置かれている。二丁スプーンを持ち、司会者が両チームの準備確認を行った。


 笛が鳴ると同時に、決勝トーナメントの火蓋が落とされた。


 1回戦の相手はチームミラノ。ミラノはラテアート発祥の地とされ、地元の威信が懸かっている。


 ミラノ、ヴェネツィア、トリノから集ったイタリア人チームで、チーム名はくじ引きで決めたらしい。


 コーヒーの入ったカップ2つの縁を隣り合わせに置き、1つ目のカップにユニコーンの角と前足、2つ目のカップにユニコーンの後ろ脚と尻尾を組み立てた。足の幅を短くすることで崩れることを防ぎ、泡どころか塊と言っていい固さになったところで手早く乗せていき、造形を進めていく。ミルキューが徐々に馬のような形へと変わっていく。正確さとスピードが肝心だ。崩れてしまった場合のオプションも用意されており、完成直後に写真に収めていれば崩れてしまっても減点はなく、写真を参照にして審査を行う。競技者の後ろには常にカメラマンが待機しており、競技者が撮影するように言えば撮ってもらうこともできるという徹底ぶりだ。他のチームはコーヒーにミルキューを浮かせる形で作っていたが、やはりチーム葉月珈琲は違っていた。地盤をミルキューで固めると、ミルキューで作った頑丈な地面の上にユニコーンが立っているように見せると、すぐに写真を撮ってもらった。


 地盤を安定させることで、高さを追求しても崩れにくくなっている。


 桃花はバイコーンを、凜はペガサスを同様の手法で作製し、3対0で勝利した。


 2回戦の相手はチームカリビアン。キューバ人、ドミニカ人、プエルトリコ人の中米チームだ。


 中米は参加人数の都合上、南アメリカ予選を戦うルールとなっており、北アメリカ代表はアメリカとカナダのみとなっているため、事実上のアングロアメリカ代表である。


 コーヒーの入ったカップ3つの縁を上から見てピラミッド型になるように置き、コーヒーと隙間をミルキューで埋めてから作業に入った。ここまでカップが増えればかなり安定する。体重計の上で崩れないよう調整するようにミルキューを重ねていく。外科手術を後悔しているが如く、観客は時折静かにざわつきながら対戦の様子を見守った。どの国も自分たちのアイデアで勝負してくる。僕はグレムリンを、桃花はエルフを、凜はドワーフを作製し、3対0で勝利した。


 準決勝進出を果たすと、僕らは昼休みに入った。テーマは自由だが、どれかに絞らなければならないのも事実。迷うことがないよう常にテーマを一貫させた。チーム葉月珈琲はファンタジーモンスターをテーマとし、現代風の外見ではあるが、モチーフとなるイラストに合わせていれば、減点されることはない。


「ねえ、本当にランチ食べないの? みんな食べてるよ」

「だからどうした。本番中に腹が痛くなったら困るだろ? 空腹の時が1番集中できるんだ。まあでも、コーヒーくらいなら飲んでもいいぞ」

「遠慮しとく。トイレに行きたくなったら困るし」

「あたしは食べなくても大丈夫ですよ。それにしても、かなり集中してましたね」

「だって今日までやってきたことをやるだけだもん。練習の方がずっと辛かったなー」

「あず君、チームモルトボーノが負けたよ。次はチーム香港みたい」

「「「!」」」


 観客席から下りてきたチェンがサラッと軽口を叩いた。


 壁を隔てた先には他のチーム同士の対戦が行われていた。


 順当に勝ち進めば、次は優勝候補の一角、チームモルトボーノと当たるはずだった。


 ベスト4はチーム葉月珈琲、チーム香港、チームカフェフレーザー、チームシアトルが残った。アジア代表と北アメリカ代表以外は全滅した。ヨーロッパ勢やオセアニア勢が1人も残っていない。やはり他の大会とは勢力図が違うようだが、アジア勢はラテアート全般に対して強いことが窺える。


「アジア勢がベスト16の内の9チームを占めていましたけど、やっぱり強いんですね」

「ラテアートはアジア勢の十八番になりつつある。いくら天才が集まる国とは言っても、そう簡単には押し返せないかもな。でも勝てない相手じゃない」

「没頭するって、こんなに楽しいことなんですね」

「何、やっと気づいたの?」

「気づいてるつもりでした。でも気づいてなかったって、今やっと分かりました」

「安心するのは早いぞ――まだ倒さないといけない奴がいる」


 昼休みはあっという間に過ぎた。


 準決勝の相手はチーム香港。全員が香港生まれバンクーバー育ちだ。


 バンクーバーは香港からの移民が多かった時期があり、ホンクーバーと揶揄されるほどであった。彼らはバンクーバー市内のカフェに勤めており、北アメリカ予選を勝ち抜いてきた猛者だ。となればアジア勢は実質的に10チームいる計算になるが、国籍のみで言えば、アジア勢は僕らだけだ。


 コーヒーカップ4つの縁を密着させ、ミルキューで隙間を塞いでから組み立て始めた。


 僕はコカトリスを、桃花はキマイラを、凜はペリュトンをミルキューで作製し、2対1でチーム葉月珈琲が勝利した。桃花は僅差で対戦相手に負けたが、引き摺ることはなかった。全員の総合スコアに差がない場合、ルーレットの結果が違っていれば負けることもあるだけにショックが大きいと思われたが、昨日のように悲愴感を漂わせることはなく、淡々と決勝に備えていた。勝ち方を無意識に習得しつつある。


 大会で勝ち抜くには、強者なら父性が、弱者なら不正が必要なのだ。


 決勝を迎え、チーム葉月珈琲はチームシアトルと対面する。バリスタオリンピックファイナリストにしてWLAC(ワラック)3連覇女王のジェシー・ブラウン、WLAC(ワラック)2023年大会チャンピオンのティム・レックス、WBC(ダブリュービーシー)2023年大会優勝のマイク・フィリップス。ここまで無敗の相手に今更臆する僕らではなかった。


 予想通り勝ち上がってきたか。3人共世界チャンピオンレベルの相手。


 目線を下に向けると、僕の手は小刻みに震えていた。


 実に久しぶりだ。僕の心は段々と競技会から離れつつあると思っていたが、もし本当にそうなら、ここまでワクワクするはずがない。やっぱり僕は戦闘民族だ。いずれ襷を渡す時が来ても、この気持ちと一緒に渡したい。全力でライバルと戦うのって、こんなに燃えることなんだな。


 葉月グループの安泰を見届けるまでは出続けよう。


 ジェシーと一瞬目が合うと、余裕をアピールするかのように片目を閉じた。


 同じ動作をやり返すと、ジェシーはクスッと笑いながらスプーンを持った。


 決勝は3位決定戦と同時に行われ、正真正銘の順位が決まる。3位までは賞金が出る。だがそんなことはどうでもいい。刀を抜くようなこの快感、今にも手が動き出しそうだ。


 競技が始まると、今まで以上に歓声が沸いた。準決勝までの作品は、全て展示ブースに飾られている。競技の後は展示物になるのも3Dラテアートの魅力だ。5つのコーヒーカップの縁を上から見て十字になるように接着させると、前足と後ろ足を作ってから胴体、顔、翼を仕上げると、着色料を混ぜた牛乳をペンスティックにつけてからミルキューに命を吹き込むように彩っていく。僕はワイバーンを、桃花はドライグを、凜はグイベルを作り上げた。心なしか、本来の姿よりも可愛く見える。


 ジェシーたちは名立たる古城を作り上げ、3Dラテアート特有の雰囲気も相まってよりメルヘンチックに見える。こりゃ難敵だとすぐに分かった。どちらが勝っても不思議ではない。


 全員の競技が終わると、ABCの文字が書かれたコンピューター式のルーレットが僕らの目の前に置かれた。ジェシーが僕以外と当たった場合、もう負けは許されない。


「それではルーレットを回します。同じ対戦文字の相手と総合スコアを比べ、上回っている方が勝者となるわけですが、今回も1人ずつ対決していただきます。どちらかが2連勝した場合はその時点で決着とします。ただ今それぞれの総合スコアを集計中であるため、しばらくの間お待ちください」


 試合終了から5分が経過したところで、ルーレットの結果が発表された。


 Aは凜とマイク、Bは桃花とティム、Cは僕とジェシーの対決となった。


 総合スコアが1人ずつ、司会者の口から公表されていく――。


「リンミズノ対マイク・フィリップスの対決は……マイクの勝利だー!」


 凜はマイクに敗れ、彼女の肩の力が抜けた。これで桃花の結果に全てが託された。


「モモカサナ対ティム・レックスの対決は……モモカサナの勝利だー!」


 桃花は両腕の拳を強く握ると、凜は息を吹き返したかのように笑顔が戻った。


 再び僕とジェシーの目線が一致する。両チームとも肩を組みながら頭を下に向けた。


「ここまでで1対1の同点です。次の発表で勝者が決まります……アズサハヅキ対ジェシー・ブラウンの対決は……アズサハヅキの勝利だー! よってワールドスリーディメンションズラテアートチャンピオンシップ優勝は、日本代表、チーム葉月珈琲ー!」


 僕らは抱き合いながらピョンピョンと足を飛び跳ねさせ、観客たちが大声を出しながら熱狂し、ワイバーンが城壁を燃やし尽くし、あっという間に廃墟と化した古城が崩れていく幻想が僕には見えた。


 ふと、横を見て見れば、ジェシーが大粒の想いを流しながらチームメイトに謝っている。


 ティムもマイクもよくやったと言わんばかりに、ジェシーの肩に軽く手を置いた。


 表彰式が終わり、次回大会の開催場所が発表されると、司会者が大会の全日程終了を告げた。


 僕はもう出ないが、葉月グループの社員から優勝チームを輩出したい。


 ジェシーがようやく冷静さを取り戻し、僕に歩み寄った。


「アズサ、優勝おめでとう。良い勝負だった」


 目の前に差し出された手を強く握り、お互いの健闘を称え合った。


「ありがとう。順番が入れ替わっていたら怪しかったかも」

「そんな野暮なこと言わないの。コーヒーの神様はアズサにべた惚れみたいだね」

「最愛の恋人だからな」

「ふふふふふっ、やっぱりアズサって面白いっ!」


 勢い良く僕に抱きつくジェシー。


 いやいやっ! やばいって! マジで息子が興奮するって!


 目の前のメロンが僕の頭に強く押しつけられ、形が変形している。桃花と凜はジト目で僕を見つめながら呆然とし、会場の設置物が次々と運営スタッフたちによって片づけられていく。


 競技者としての僕らはもう用済みらしい。


「アズサ、明日の昼、空いてる?」

「空いてるけど、どうかしたの?」

「良い所に連れて行ってあげる。楽しみにしてて」

「お、おう」


 用を済ませたジェシーたちが去っていき、会場の周辺を散歩している内に日が沈んでいく。


 夕刻、ホテルで夕食を頬張りながら談笑した。ホテルにはアメリカ料理の他、メキシコ料理までもが揃ったバイキングレストランがある。凜が口を空けながらジーッと見つめている。一緒に入ると席へと案内され、6人分の席に腰かけた。凜、僕、桃花の向かい側にはチェン、皐月が対面するように座っている。チェンと皐月は席を立ち、プレートを持ちながら店内を回った。


 チーズバーガーとフライドポテトはアメリカの典型的な食事であり続けている。ロサンゼルスではどのブロックでも見かけるだろう。とはいえ全てのチーズバーガーが同じように作られているわけではない。ビーフにアメリカンチーズをかけたベーシックなものから、ピーナッツバターやアボカドなどを添えたユニークなものまで豊富に揃っている。実にアメリカ(この国)らしい。


 メキシコ料理の定番であるタコス。ロサンゼルスでは形や大きさも様々で、トッピングもビーフやチーズといったものから、アボカド、サワークリーム、各種サルサなどがバラエティに富んでいる。フードトラックや屋台まで、レストランは活気に満ちている。地元民がタコス通と自認しているように、この町では風味豊かなビーフから定番のバルバコア、更にはラム、モロンガ、パンシータなど、珍しい具材が入ったタコスを味わうことができる。自分でカスタムできるのも楽しみの1つだ。


「やっぱり勝った後のご飯は美味しいねー」

「桃花、凜、お疲れさん。よくやってくれた」

「何言ってんの。あず君が1番貢献してたじゃん。あんなに精巧な作り、私には真似できない」

「あたしもこんなにワクワクする勝負をしたのは初めてです。コーヒーイベントも頑張ります」

「期待してるぞ。凜、1つ良い知らせだ。4月から葉月ローストのマスターに就任してもらう」

「ええっ!」

「頼んだぞ」


 思わぬ知らせに凜は大きく目を見開き、桃花はチームメイトの出世を心から祝福している。


 ジェシーとの会話でもジョークのつもりで言ったが、この優勝で決定事項となった。まだまだ経験こそ足りないが、凜なら十分やってくれるはずだ。


 周囲を小物のように飾っている3Dラテアートの動物たちは、終始僕らを見守っていた。

読んでいただきありがとうございます。

気に入っていただければ下から評価ボタンを押していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ