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ゲームコーナーへ行こうとした俺が部屋へ強制送還される件について

今回はゲームコーナーへ行こうとした遊が部屋へ強制送還される話です

ゲーセンにはゲーセンの、旅館のゲームコーナーには旅館のゲームコーナーのいいところは

いっぱいあります!

では、どうぞ

 理想と現実ってかけ離れたものだと俺、藤堂遊は思う。だって、そうだろ?理想の彼女は年上の美人なお姉さんがいいって豪語している奴に限って付き合うのは年下の可愛い妹系の女と付き合うって事もあるし、逆に年下の妹系の女と付き合いたいって奴に限って年上の美人なお姉さんと付き合ったりするし、妹系女子でも実は年上って事もある。逆に美人なお姉さんでも年下って事もある。まぁ、理想と女性の話は置いておいてだ。俺の今の状況はというと……


「なぁ、美月」

「なあに?遊ちゃん」

「あの2人は誰だ?」


 俺が指差した先にいるのは一心不乱に俺の服に顔を全力で押し付けている2人がいた。コイツ等は誰だ?


「誰って遊華ちゃんと香月ちゃんでしょ?遊ちゃん、忘れちゃったの?」


 忘れたんじゃなくて、認めたくないんだよ……家にいる時から身の危険は感じてたよ?遊華は俺が寝ている間に下着姿で俺にキスしてきたりしてたし。でもなぁ……自分の服の匂いを嗅がれるとなぁ……


「忘れてないが、俺と美月が風呂に行く前と今じゃ大分状態と言いますか、雰囲気が違う。そもそも、俺の服を全力で顔に押し付けている時点でおかしい」


 本当、同一人物とは思えないくらいだ。こんな姿は羽月さんにはもちろん、遊華のファンと香月のファンには見せられないよなぁ……


「見ているのが俺と美月でよかったな。いや、本当に」

「あ、あはは……そうだね」


 俺はもちろんだが、廊下のど真ん中で下ネタを吐いた美月もドン引きである。あれか?本能には逆らえませんってか?喧しいわ!1人でノリツッコミをするほどには余裕らしい


「とりあえず、あれを何とかしたいんだが?どうしたもんか……」


 考えろ俺。どうしたらあの行動を止められる?まだTシャツだからいいようなものの、パンツ被りだしたら目も当てられない。そんな事態は何としても避けたい。


「と、とりあえず、声だけ掛けてみれば?」

「え?俺が?」


 お解かり頂けただろうか?俺の今の状況は身内が自分の服の匂いを嗅いでいるという場面に遭遇し、理解が追い付かない。これを家の中でやられていると思うと少し遊華と香月に対する認識を改めなければならない


「だって、私には今の2人に声掛ける勇気ないし、それに……2人の気持ち解るから」


 うん、声掛ける勇気がないのは俺も一緒だ。あと、何かそれっぽく言ったみたいだが、美月よ、サラッと自分もあの2人と同類ですってカミングアウトしてんの気づいてるか?


「俺だってあの2人の中に飛び込んでいく勇気はないんだが……」


 誰がライオンの檻に飛び込むなんて無謀な事するか!俺はまだ生きていたいんじゃ!だが、現実逃避していても埒が明かないのも現状だ


「遊、いいから逝きなさい。これ以上あの2人の奇行を見たくないの。解るかしら?」


 美月さん?()()の字が違ってますよ?行くですよね?逝くじゃないですよね?あと、裏の顔が出てますよ?


「はい、解ります……」

「よし!じゃあ、張り切って逝ってみよ~!」


 元に戻っても()()の字は逝くのままかい!話し言葉だとわかりづらいが、読み言葉にすると逝くって言ってるのがよくわかるよ……


「はぁ……行ってくる」


 意を決して野獣もとい遊華と香月の元へ。正直、行きたくないが、あのままにしておくわけにもいかないしな


「がんばれ~」


 そう言うなら一緒に来てほしいよ。美月さん……まぁ、状況的には俺が行った方が多分いいのかもしれないが


「あの~、お2人さん?何をしているんですかね?」


 俺の服に全力で顔を押し付けている遊華と香月に声を掛けたくはないが、声を掛けた。


「「────!?」」


 いや、服から顔を離せよ!俺の服に顔を押し付けた状態でしゃべられても何言ってるかわかんねーよ!


「とりあえず、俺の服を離してもらってよろしいですか?」

「「…………」」


 おいコラ!黙るな!俺の服から顔を離せ!っていうか、1回俺の服を置け!そもそも人の服で何してんだ!?


「いや、黙らないでもらえません?」

「「えへっ!」」


 可愛く笑ってもダメなもんはダメだぞ?それで誤魔化されるのは親父くらいだぞ?


「はいはい、可愛く笑ってみせてもダメだからな?」

「「どうしてもダメ?」」

「ダメだ。俺の服から手を離せ」

「「嫌!!」」


 お前らは子供か!子供でももう少し聞き分けあるぞ?はぁ、仕方ない……


「美月、浴衣の予備ってまだあったよな?」

「う、うん、あったと思うけど?どうするの?」

「見てればわかる」


 俺はクローゼットの中から予備の浴衣を取り出した。そして、今着ている浴衣を────


「ほら!脱ぎたての浴衣だぞー!」


 部屋の中へ放った。今初めてやったが、早脱ぎ、早着替えって案外簡単にできるんだな。


「「「脱ぎたて!!」」」


 美月も一緒になって飛び込んで行った気がするが、気のせいだろ。とりあえず、俺の服は回収し、隠したし大丈夫だろ


「じゃあ、俺はゲームコーナーに行ってくるから」


 脱ぎたての浴衣を堪能している3人に声だけ掛けてゲームコーナーへと向かうために部屋を出た。


「あの様子じゃ当分は元には戻らなさそうだし、俺はのんびりゲームでもしますか」


 念のために言っておくが、決して俺の服の匂いを嗅いでる遊華たちが恐ろしいとか、脱ぎたての浴衣に美月まで飛びついてドン引きして逃げたとかじゃないぞ


「当分は戻ってこないだろうな」


 ゲームコーナーへと向かいながら遊華たちのトリップ時間を計算し、その時間に合わせて戻ればいいかなんて考えるが、どんなに頭のいい人間でもアイツ等のトリップ終了時間なんて計算不可能だろう。


「ま、戻ってこないなら戻ってこないでいいか。俺の浴衣1つで大人しくなるならそれはそれでありだ」


 念のために携帯も持ってきたから大丈夫だろ。何かあれば連絡来るだろうし。その時に電話なりメッセージに応答するかは別だけどな


「ゲーセンには劣るが、たまには旅館のゲームコーナーにてレトロゲームを楽しむのもいいだろ」


 旅館のゲームコーナーがゲーセンに劣る部分は音ゲーはあっても最新の曲が入ってなかったり、レースゲームのハンドルが長い間使われ続けたせいかボロボロになっていたり等、いろいろあるが、昔ながらのゲームがあったり、ゲーセンにはないゲームが置いてあったりと旅館のゲームコーナーも一概に悪いとは言えない。むしろ、掘り出し物があったりするので、ゲーセンよりもいいと言える部分もある。要するに旅館の雰囲気と浴衣姿や風呂上がりに楽しめる事を考えるとゲーセンに行く事が全てじゃない


「場所によっては脱衣麻雀とかあって以外とハマるんだよなぁ~」


 考えただけでこの旅館にはどんなゲームがあるかワクワクする。早く行って遊びたい!こういった時に遊華たちを部屋に放置し、1人で出てきてよかったと思う


「へぇ~、お兄ちゃんは脱衣麻雀に興味があるんだ~」

「いや、俺は脱衣麻雀に興味があるんじゃなくてレトロゲームに興味があるんだよ」


 全く!失礼な奴だ!さっきの言い方だと俺が脱衣麻雀にしか興味がないようじゃないか!


「でも、脱衣麻雀にハマるって聞きようによっては興味があるように聞こえるよ?その辺りは気を付けないといけないよ。遊はそんなつもりがなくても相手にはそう思われても仕方ないよ」

「そうだな、次からは気を付けるわ」


 言い方って大事だよなぁ……今度から気を付けるか。生まなくていい誤解を生みそうだし


「まぁ、遊ちゃんも男の子だし?私たちでよければいつでも相手をしてあげるよ?」

「ああ、気が向いたら頼むわ」


 ん?俺はさっきから誰と話しているんだ?お兄ちゃん?遊?遊ちゃん?何か覚えのある呼ばれ方してんなぁ……ははっ、まさかな……


「遊華たちはまだアホみたいにトリップしてるだろうし、きっと幻聴か何かだろ?」


 俺、疲れてんのかなぁ?さっき風呂に入ったばかりなのに。とうとう幻聴まで聞こえるなんて末期かも


「お兄ちゃん、幻聴じゃないよ?」

「遊、私たちは紛れもない本物だよ?」

「遊ちゃん、どうして幻聴だと思うの?」


 ゲームコーナーへ向かう俺の肩に感じる3人分の体温。振り向くなと俺の本能が伝えている。今振り向いたらどんな目に遭うか……


「気のせい気のせい、遊華たちは全員部屋にいるはずだし」


 気のせいだと自分に言い聞かせ、ゲームコーナーへ行こうとする。そうでもしないとやってられん!


「気のせいじゃないよ?というか、いい加減振り向いてくれない?お・に・い・ちゃ・ん」

「…………」

「何で振り向いてくれないのかな?ゆ・う」

「…………」

「それに、さっきから無言だけど、どうしたの?ゆ・う・ちゃ・ん」

「よ、よぉ、き、奇遇だな」


 ギギギと効果音が付きそうなくらいゆっくりと振り向く。そこにはこの旅行に来ておそらく2度目になるであろう、目に光を宿していない遊華たち。


「奇遇だね!お兄ちゃん。で?ゲームコーナーへ行ってどんなゲームをしようとしたの?」

「お、音ゲーとレースゲームを少々……」

「リズムゲームとレースゲームをするのにどうして脱衣麻雀が出てくるの?遊、答えて」

「い、いや、それは例え話で出しただけであって決して疚しい気持ちはないぞ?」

「じゃあ、遊ちゃんは何でさっき脱衣麻雀を真っ先に出したの?」

「い、今のゲーセンには置いてないし、こういった旅館とかにごく稀に置いてある事あるから」


 そもそもゲームに嫉妬すんなよな……どう足掻いても画面から出てこないんだし……


「お兄ちゃんはゲームの中の女がいいの?」

「そうだよ!遊ちゃん!」

「遊は現実の女の人に興味ないの?」


 アホが3匹おる……目の前にアホが3匹おるよ。俺がいつゲームの女にしか興味ないって言ったよ?


「俺はゲームのキャラに欲情する趣味は持ち合わせていないんだが?」

「「「なんだぁ~よかったぁ~」」」


 何がよかったのかサッパリわからんが、俺としてもよかったよ。暴走する前に元に戻ってくれて


「わかってもらえたところで俺はゲームコーナーへ行く。じゃあな」


 こうして俺はゲームコーナーに─────


「「「ダメだよ?」」」


 行けませんでした。ゲームコーナーへ行く事を阻止された俺は遊華たちの手によって強制的に部屋へ送還される事になった。お、俺の唯一の楽しみが……





今回はゲームコーナーへ行こうとした遊が部屋へ強制送還される話でした

ゲーセンで見なくなったゲームが旅館のゲームコーナーにあるとついついハマりすぎて気が付いたら30分以上いてしまった。なんて経験ありませんか?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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