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俺が童心に帰る件について

今回は遊が童心に帰って悪戯?いや、度の超えたドッキリを仕掛ける話です

度の超えたドッキリを遊華たちに仕掛けたらどうなるか・・・

では、どうぞ

 浩太、内野さん、冬野さんと交友関係がバラバラな3人が家に来たのが昨日。今日は7人分の朝飯を作らなきゃいけないと思うと憂鬱になる。料理が好きな人は人数が多い方が作り甲斐があるのだろうけど、生憎と俺はそこまで料理が好きか?と聞かれれば、特別好きではないからだ。


「はぁ、朝なんて来なければいいのに」

「遊、何を無茶苦茶な事を言っているんだ?」


 俺の苦労を知らずか浩太が冷静にツッコミを入れてきた。いや、その通りなんだけど、結構大変なんだぞ?7人分の料理を作るって事は。そう考えると飲食店の厨房で働く方、ホテルの厨房で働く方の苦労がわかる。毎日大変なんだろうな……


「はぁ、今日は言われなくても手伝ってくれよ……」


 客に何を言っているんだ?と思われるかもしれないが、正直、しゃべってばかりで何もされないよりも少しは手伝ってくれた方が幾分かはマシだと思う


「おう、ちゃんと手伝うよ」


 わかっているのかいないのか、浩太の返事は元気がよかった。昨日今日と俺はイライラしているような気がするのは気のせいだろうか?


「なら助かる。女性陣は手伝ってくれる気がしない」

「遊、何か昨日の夜から女性陣に対して辛辣じゃないか?」

「そうか?気のせいじゃないか?俺はいつもこんな感じだろ」


 自分ではいつも通りだと思っていても他人からすると辛辣だったり、イライラして見えるのかな?このままじゃ俺は女性陣に当たり散らしてしまいそうだ。


「浩太、ゴメン。俺は具合悪いから寝る。朝飯は各自で何とかするか適当に作って食べてくれ」

「あ、ああ。大丈夫か?遊」

「ちょっと休めば元に戻る」

「そうか、じゃあ、俺は1階のリビングに行くから」

「ああ、何かあったらマイクで呼びかける」

「おう!」


 浩太が部屋から出て行き、俺はソファーベッドでそのまま横になる。念の為にパソコンを起動させ、カメラの映像と音声を確認できる状態にしておこう


「騒がしいのがいなくなったか……そう言えば、浩太が出て行った後、鍵を掛けるの忘れていたな」


 この部屋はここで生活できるレベルでいろいろあるが、鍵だけは手動なため、自分で鍵を掛けるしかない。横になっていた俺は出入り口まで行き、鍵を掛ける


「よし、これで遊華たちが勝手に入ってくる事はないだろ」


 身体的には問題ないが、精神的にはものすごく疲れた。いや、疲れが取りきれてない感じだった。いや、違うな。疲れが取りきれていないというより物足りない感じだ


「俺は遊華たちに何を求めているんだ?」


 遊華たちに俺が求めるもの……それって何だ?温もり?それとも、癒しか?どれも違うな


「最近、遊華たちで遊んでないな」


 遊華たちで遊ぶとはなかなかに酷い話だが、事実遊華たちで遊んでいない。ひょっとして俺が求めているのって遊華たちの慌てふためく姿なんじゃないか?


「少しだけ年相応に振る舞ってみるか」


 時々忘れそうになるが、俺は15歳の少年であり、家事をしていたりするが、10年前の世界じゃ高校に通っていた。10年後の生活では高校に通わず専業主夫みたいな事をしていて忘れていた


「そうと決まればリビングの遊華たちに呼びかけよう」


 思い立ったが吉日と言うしな。リビングにいるみんな許してくれ。俺だってたまには童心の赴くままに行動したいんだ


「遊華、それにみんな聞いてくれ」


 できる限りの真面目な声で遊華たちに呼びかける。途中で浩太に気付かれるかもしれないが、知るか


『どうしたの?お兄ちゃん』


 カメラを見ていてわかるが遊華たちちゃんと朝飯食べたんだな


『遊、具合はどうだ?』


 浩太、何だかんだで俺の心配してくれるなんて、いい奴だな……遊華と香月と美月、冬野さんは泣きそうになっている。だが、俺は童心に帰る!


「具合は寝たらよくなった。今は重要な話があってこうして話しかけているんだ」


 重要な話っていうか、俺の童心に帰った度の超えた遊びの前触れなんだがな


『重要な話って何だ?』


 遊華たちはオロオロとしている為、代表して浩太が聞き返してきた。何で内野さんまでオロオロしているかは不明だが、女性陣は俺が話す内容によっては身に覚えがあるといった感じか


「ああ、俺は今日限りでこの家を出て行く事にした」


 出て行く気なんてサラサラないが、度の超えた遊び。言い方を変えればドッキリだ


『本気か?遊』

「まぁな。いつまでも遊華たちに甘えてるわけにもいかんだろ」

『そりゃそうだが、いきなり過ぎないか?』

「前から決めていた事だ」

『そうか、ところで遊』

「何だ?」

『遊華ちゃんたちが猛スピードでお前の部屋に向かったんだが?』


 マジか……てっきり泣き叫ぶかと思ったんだが、部屋に突撃してくるのか……


「マジで?」

『マジで。見ているならわかると思うが、リビングには俺と内野さんしかいないぞ』


 それは把握している。俺が家を出て行くって言った時に浩太と内野さんを残して遊華たちは猛ダッシュしてるの見たし


「了解、とりあえず遊華たちはこっちで何とかしておく」


 浩太にそれだけ告げ、俺はマイクのスイッチを切る。早ければそろそそ来るはずなんだが……


『お兄ちゃん!!ここ開けて!!』


 本当にもう来た。部屋のドアをドンドンと叩かれ、とてもじゃないが無視できるレベルを超えている。アパートとかマンションなら騒音で苦情があってもおかしくないレベルだ


「へいへい、今開けますよっと」


 俺は自分のした事だというのもあったが、このまま部屋の前で騒がれたらかなわないと思い、ドアの鍵を開けてた


「お兄ちゃん!!」


 部屋のドアの鍵を開けた瞬間、遊華を筆頭に香月、美月、冬野さんがなだれ込んできた。


「どうした?そんなに慌てて」


 至って冷静な対応をするが、本音を言うと遊華たちはとても怖い。もうね、今にも飛び掛かって来そうな勢いだし


「どうした?じゃないよ!!何で出て行くの!?」

「いや、いつまでも遊華たちに甘えているわけにもいかないと思って」

「遊は私たちが養うからそんな事考えなくていいんだよ?」

「それだと男としてのプライドが許さないと言いますか、なんと言いますか……」

「遊ちゃんは私たちに養われてなさい!!」


 遊華は出て行く理由を問いただすし、香月は俺をヒモにする気満々だし、美月も同じだ。ドッキリでした~って言ったら俺殺されるんじゃないかな……


「遊、とりあえず自白するなら早めにしておけ」


 遅れてやってきた浩太が俺に早めの自白を促してきた。どうやらコイツは始めから全部わかっていたみたいだな。


「浩太君、自白って何の事?」


 状況をいまいち理解できていない内野さんが浩太に状況の説明を求めているが、そこは元凶に求めるのが普通なんじゃないんですかね……


「内野さん、遊がこの家を出て行くわけないんですよ」


 浩太君?何勝手に説明しちゃってんの?いや、その通りなんだけど。っていうか、俺を問いただそうとしていた遊華たちも浩太の説明を聞いちゃってるし……


「何でそんな事が言い切れるの?」


 内野さん、それ以上は聞かなくてもいいんじゃないかな~なんて思うんですけど……


「1つ、遊に行く宛てなんてない。2つ、遊が遊華ちゃんたちに養われたままだといけないと思っている事は本当でも家を出る事をしなくてもいい。3つ、最近の遊は家事ばかりしていて年相応の遊びをしていない。ここから導き出される答えは、遊が遊華ちゃんたちに仕掛けたドッキリという事です」

「そうなんだ!?っていうか、これって言われてる方からするとドッキリと捉えていいのかどうか……」


 浩太君、説明ご苦労様。君の見事すぎる説明で俺は今大変な事になりそうなんだけど?


「お兄ちゃん」

「遊」

「遊ちゃん」

「遊さん」


 遊華たちが目に光を宿していない状態で俺を見つめてきた。しかも、バッチリ掴まれて身動きができない状態にまでなっている。


「…………はい」


 返事をする事しかできない俺。言うならば、蛇に睨まれた蛙って言ったところか……うん、怖い。


「「「「正座!!」」」」

「…………はい」


 この後、俺は正座で遊華たちから説教された。ちなみに、内野さんと浩太はそれぞれ仲直りをして帰っていったが、冬野さんは工事がまだ済んでいないという事で現在も家にいる。説教の最後に今晩はみんなで俺の部屋で寝る事を条件に許してもらった。


「このドッキリは今後はしない事にしよう。遊華たちが怖い」


 俺は遊華たちに今回のドッキリを仕掛ける事はしない事を心に決めた。次にやったら何をされ、何をさせられるかわかったもんじゃない。


「今は1人の時間を満喫できるが、次に今回のようなドッキリをしたら1人の時間すらなしだって言われたもんなぁ……部屋の鍵も管理されるし」


 自業自得と思って少しだけ自重するか。この分だと1人暮らしが危ういどころか1人暮らしさせてもらえないんじゃないか?


「はぁ、今度からは告げるんじゃなくて隠し扉からコッソリ抜け出そう」


 密かに決心を新たにする俺。隠し扉なら親父と俺しか知らないはずだから遊華たちにバレない。


『お兄ちゃん、いる?』


 遊華か、一体何の用だ?説教ならさっき聞いたし、特に何かされる事をした覚えがない


「ああ、いるぞ」

『入っていい?』

「どうぞ。今は鍵を掛けてないから入ってきて大丈夫だ」

「うん」


 部屋に入ってきた遊華は元気がないように見えるし、普通のようにも見える。


「どうした?」

「お兄ちゃん、出て行かないよね?」


 何だ?ドッキリの事まだ気にしてんのか?まぁ、ドッキリとはいえ少しやりすぎたかな


「ああ、浩太も言ってたが、俺には行く宛てもないし、遊華たちを放ってどっかに行く事もしないから安心しろ」

「そっか」

「話はそれだけか?」

「今日の晩御飯は私たちが作るね」

「え?」


 急に何を言い出すんだ?いや、料理の腕を信用していないわけじゃないが


「いつもお兄ちゃんに作らせてばかりじゃ私たちも申し訳ないなって思うし」


 遊華はそれだけ伝えると部屋を出て行ってしまった。俺が仕掛けたドッキリでおかしくなったか?だが、作ってくれるって言うんだし、その好意に甘えても罰は当たらないだろう。






今回は遊が童心に帰り度の超えたドッキリを仕掛ける話でした

やり過ぎると怒られる。そんな感じにしてみました

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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