俺が遊華に対する意識が変わりつつありそうな件について
今回は遊が遊華の行動を確認し、遠出をする話です
寝ている遊に遊華は何をしているのでしょうか?
ではどうぞ
これをやろう!って決めて途中で投げ出したり、後でいいやって後回しにした事は人間誰しもあると思う。あくまでもこれは俺の主観だが……俺は自分の置かれている状況について考えたり、人から本当はどう思われているのかの確認を投げ出したり、後回しにしてきた。まぁ、今確認するがな
「さて、俺が寝ている間の遊華の様子を確認するとしよう。」
確認と言っても隠しカメラの映像を見るだけなんだがな。何も出なかったら諦めるとするか
「さて、何が出る?」
この世界に来て遊華が俺に対し素直になった。時々暴走もするが、それ以外はあまり変わらないと思うが、俺が寝ている時と起きている時の態度の変化なんて早々ないだろう
「考えても仕方ないか」
俺はパソコンの電源を入れ、隠しカメラの映像を再生させた。
『お兄ちゃん、寝ちゃった。こうして見るとお兄ちゃんって可愛い顔してるんだ……起きている時は平然と家事をしたり、時々嫌がらせ紛いな事するのに』
やかましいわ!俺は映像の中の遊華に思わずツッコミを入れてしまった
『さて、お兄ちゃんが寝ている間に台本に目を────』
遊華は台本を読もうとしてその場で停止してしまった。一体どうしたと言うんだ?
『お兄ちゃん、寝てるんだよね?』
当たり前だ。寝る前に寝るって言ったんだから
『ふふっ、お兄ちゃん寝てるんだぁ……じゃあ、普段できない事や我慢している事をしても起きないよね?』
普段できない事や我慢してる事?何だ?遊華は俺に何をするつもりなんだ?
『じゃあ、失礼して』
遊華は寝ている俺の傍に寄って顔を近づけていた。おい、俺に何をする気だ?
『んっ……あむっ……はぁはぁ……』
遊華が俺にキスをしていた。しかも、唇に。
「マジかよ……」
思わず俺は自分の唇に手をやってしまった。自分が寝ている間にキスされているなんて思いもしないだろ
『お兄ちゃんの唇って柔らかくて美味しい』
いや、美味しいって遊華さん?
『もっとお兄ちゃんを感じたい……誰にも渡したくない……』
遊華はその後数分に渡り俺にキスをし続けた。もちろん、唇に
『もうちょっとキスしたいけど、さすがにこれ以上やると起きちゃうし、私も歯止めが効かなくなっちゃいそうだから止めとこ』
遊華は満足した様子で俺から顔を離した。というか、俺の寝てる間にファーストキス奪われてたんだ……
『じゃあ、次は……』
次があるのか……もう止めない?十分俺に普段できない事や我慢してた事したでしょ?
『寝ているお兄ちゃんにこんな事するのはズルいと思うけど、お兄ちゃんがいけないんだよ?私を置いていなくなるから……私に寂しい思いをさせるから……』
遊華に寂しい思いをさせたのは悪いと思っている。だが、それ以上に遊華は俺に何をする気だ?キスで満足したんじゃないのか?
『お兄ちゃんが私の物だっていう証拠を付けてあげる』
遊華は寝ている俺のシャツを脱がし始めた。嫌な予感しかしないのはなぜだろう?
『ああぁ……いい……お兄ちゃんの首筋……すごく綺麗……』
遊華が頬を赤らめてウットリした表情で見つめている
『この綺麗な首筋に今から私の物だっていう証を付けてあげるね。お兄ちゃん』
今度は首筋ですか……
『んっ……ぷはぁ……』
遊華は俺の首筋に顔を寄せ数秒後に顔を離した。
「っておい!ちょっと待て!」
遊華の私の物だっていう証を付けるという発言と今のカメラの映像から察するに俺の首筋には多分、アレが付いてる。そう思った俺は────
「やっぱ付いてた……」
この部屋にある洗面所に駆け込み鏡で首筋を確認した。案の定付いてたよ……キスマークが
「もう、何も言うまい」
寝ている間に唇を奪われたんだ、キスマーク程度じゃ驚く気も起きん
「さて、続き続き」
カメラの映像を再び再生した。もう何が出てきても驚かないと思う
『キスマークも付けたし、次は添い寝してみようかな』
お?添い寝か?なら大丈夫だろ。添い寝するだけなら。
『前回はパジャマ着て一緒に寝たけど、今回は────』
遊華、今回は?今回は何!?
『下着姿でお兄ちゃんと寝よう』
遊華、別にそのままの格好で寝てくれて構わなかったんだぞ?何で下着姿になった?
『この格好でお兄ちゃんと寝ると落ち着くな……あ、そうだ』
遊華は一旦ベッドを抜け、自分のズボンのポケットを漁り始めた
『あったあった。これこれ』
どうやら遊華はスマホを探していたようだ。
『はい、チーズ』
遊華はスマホを見つけそのままベッドに入り俺とのツーショットを撮った。絶妙な角度でそれっぽく
「…………」
もうわかんねーよ!何で妹の遊華がこんな事してんだよ!
『遊……愛してる。子供の頃から今でもずっと』
遊華が俺を呼び捨てで呼び愛を囁く。これは俺が未来に来た理由と意味を見つけられそうだな
『遊、ずっと私の傍にいて……私から離れないで……本当は起きている時に言いたいけど、正直、今でも夢だと思っているよ?10年間ずっと会いたかった遊が帰って来てくれるなんて』
起きている時には絶対に聞けない遊華からの呼び捨て。コイツ裏では俺を呼び捨てで呼んでそうだな
『ふふっ、願い続けていればいつかは叶うんだね。私は遊がいなくなってから毎日願い続けたんだよ?遊に会いたいって。もちろん、自分でも遊を探したけどね……』
未来に飛ばされた人たちは想いによって飛ばされたと書いてあったな。って事は俺が飛ばされたのは遊華の想いでって事になる。
『遊、好き……ううん、愛してる』
俺が寝ている部屋のカメラ映像はここで終了していた。どうやらバッテリー切れらしいな
「カメラ映像はここで終了か……遊華の想いによって俺はここへ来たと見て間違いなさそうだな」
だが、1つだけ疑問に思う事がある。それは遊華がどうして俺にここまで好意を寄せるのか?だ
「俺と遊華は実の兄妹だ。しかも、物事の良し悪しの分別がつく年だ。今の映像を見る限りじゃ遊華の行為は恋人にするものと何ら変わりない」
遊華は俺に言えない何かを隠してる?しかも、親父と敬もこの一件に絡んでいるとみられる。
「まぁ、いずれはわかるか」
俺は遊華の隠している事が何か?という事について考えるのを一旦止めた。
「遊華の事もそうだが、香月と美月の事や秋野さんと冬野さんの事にも向き合わなきゃいけなくなる時が来るかもしれないな」
はぁ、俺の悪い癖だな。1つの事を考えると他の事もそれに関係あるんじゃないかと思い、ついつい考え込んでしまう
「こんな時は別の事するか」
別の事するって言っても何すりゃいいんだ?家事か?アニメ鑑賞か?
「なんか違うな……」
どれも違う……家事をする事もアニメ鑑賞もイマイチしっくりこない
「とにかく、こうして家にいて部屋に引きこもっていても仕方ない。外に出るか」
財布とスマホは持った。今日は遊華も香月も美月もいないし、ある程度の家事は済ませてある
「さて、どこに行くかだな」
家を出たはいいが、どこへ行くかは具体的に決めてない
「風の行くまま気の向くままに適当に行くか」
戸締りはしたし、誰にも文句は言われんだろう
「今日は駅前じゃなく、少し遠出してみるかな」
どこに行くかは決めてない。だが、遠くに行きたい。今の俺はそれしか頭にない
「さて、駅についた。だが、遠出するにもどこに行こうかな」
一先ずは候補を決めよう。幼い子供がいる家族は大抵は遊園地に行くな。小学生から俺くらいの年代は海か山だな。どちらも俺の主観だが
「海と山なら海だな。よし、海に行くか」
家を出た時にはどこに行くかを決めてなかったが、たった今、海に行く事が決定した。
「電車が来たみたいだな」
最近考え込むことが多いせいか、いつの間にか電車が来ていたとかそう言った事が多くなった
そういえば、この世界に来てから海とか山に行くのは初めてか
「考えてみれば家から出たことないし、遠出したとしても必ず誰か一緒で1人でなんて初めてだな」
前に1度1人で出歩いて遊華たちにあっさり見つかった事があったな
「まぁ、前回は連絡手段がなかったからで今回は大丈夫だろ」
今回はスマホもバッチリ充電して─────
「え?嘘だろバッテリー切れ!?」
ヤバい……前回はゲーセンでしかも近場だったから遊華たちも許してくれた。しかし、今回はずいぶんと遠出してしまった……つまりここから導き出される答えは……
「前回よりもキツイお仕置きが待っている!?」
俺の未来は絶望しか待っていないという事か……
「もう知るか。どうにでもなれ。遊華たちの事?知るかそんな事」
全てを投げ出し俺は砂浜に寝転がり目を閉じた。目を閉じると俺の耳には海の波の音しか聞こえてこない
波の音が心地いいな─────
こうしていると何もかもがどうでもよくなるな──────────
俺がいなくなって今頃遊華たちは大騒ぎしてんだろうな──────────
「当たり前か、俺のスマホはバッテリー切れで俺とは連絡つかないし」
今日くらいは遊華たちや敬や浩太の事なんて忘れて1人で外出できているこの幸せを噛み締めよう
「あれ?何してんの?お兄ちゃん?」
何で遊華がここにいるんだ?
「遊華?」
俺が顔を上げるとそこには遊華がいた
「うん。お兄ちゃんどうしたのこんなところで」
「俺は一人旅してんだけど。遊華は?」
「私は特典DVDの撮影だけど」
「そうか。で、撮影はいいのか?」
「今は休憩中だから」
遊華は俺の隣に腰かけたが、いいのか?服に砂ついちゃうぞ
「それ私服じゃないだろ?いいのか?」
「いいのいいの、砂が付くくらいだし。それにお兄ちゃんの隣に座りたかったし」
「そうか」
遊華とこんな所で会うとは思わなかった。偶然って恐ろしいもんだな
「お兄ちゃん」
「何だ?」
「何で1人旅なんてしてるの?またいなくなるの?」
俺が1人で遠出する度にいちいち不安になるなよ。全く……
「はぁ……」
「何さ!溜息なんて吐いて!」
「遊華」
「だから、何!」
俺は荒ぶる遊華を抱きしめた。
「え!?ちょっと!?い、いきなりどうしたの!?」
「いいから、黙ってこうされてろ」
遊華が大人しくなるのにそう時間は掛からなかった。今日の俺はやっぱりどうかしてるな……
今回は遊が遊華の行動を確認し、遠出する話でした
何か遊が遊華一色になりそうだし、このままじゃ遊華オンリーのままストーリーが進みそう・・・
大丈夫、他のヒロインも出るはず
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました




