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俺が遊華たちと気まずくなる件について

今回は遊華たちと遊が気まずくなる話です。

夜のテンション、2人きりになった時のテンションに任せて大変な事になった遊と遊華たちがいます

では、どうぞ

 朝風呂や朝シャンって馴染み深い言葉だし、している人も少なくないと俺は思う。朝シャンは家にいる時が主に多い。あくまで俺はそうだって話だから気にしないでほしい。朝風呂は旅館に来たら可能な限り入るのが俺のスタイルだ。しかし……


「どうしたの?遊?私に見惚れちゃった?」


 遊華が何の前触れもなくヤンデレ化する事態に戸惑いを隠せない


「間違ってはいないな」

「そっか……見惚れてくれてたんだ」


 照れ臭そうに笑う遊華は可愛いが、俺こんな遊華は初めて見たから変だなと思って見てただけだ。だが、遊華は自分の魅力に俺がメロメロになって見てると思っている節がある。同じ見てるでも意味合いが違う


「で?いつまでこの状態でいるんだ?」


 この状態とは俺が抱きつかれている状態の事だ。俺としてはのぼせる前に上がりたいのだが……


「もう少しだけこうしてていい?」

「少しだけなら……」


 少しだけならいいか……今は遊華と2人きりだが、そのうち香月と美月が戻ってくる。少しの間だけ遊華のワガママに付き合ってもいいだろう。


「お兄ちゃん、1ついい?」


 遊華の呼び方が遊からお兄ちゃんに戻ったのはあえて突っ込まない


「何だ?」

「私に遊って呼ばれるのとお兄ちゃんって呼ばれるのどっちがいい?」

「う〜ん、俺はどっちでもいいな。呼び方なんて人によって違うしな。遊華がお兄ちゃんって呼びたいならそう呼べばいい。遊って呼びたいならそれを否定する気はない」


 イジメに繋がる呼び方じゃない限りは呼び方なんてどうでもいい。その人がどう呼びたいかだ


「じゃあ、しばらくはお兄ちゃんって呼ぶね」

「ああ、好きにしろ」


 遊華の俺への呼び方はお兄ちゃんって事で決まりみたいだ


「お兄ちゃん大好き」

「俺も遊華が大好きだぞ」


 あくまで家族としてだが……これは本人に伝えておくべきか……


「お兄ちゃんの大好きは家族としてでしょ?」


 遊華にはバレていた。妹にはバレたか……


「バレたか」

「そりゃ、妹だし。バレるよ。だけど、私はお兄ちゃんが異性として大好きだから」


 こんな美人に異性として好きだって言われるのは嬉しいが、相手は妹なんだよなぁ……


「さて、そろそろ上がるか?」


 風呂に入るのは好きだが、さすがに長時間入っているのはマズい。香月と美月が戻ってくるのからっていうのと、のぼせるっていう2つの意味で


「うん、さすがにこれ以上はちょっとね」


 遊華も同じ事を考えていたらしい。だが、問題はどちらが先に上がるかだが、んなもんは決まっている


「遊華、先に上がれよ」

「え?いいの?」

「髪乾かす時間や着替える時間を考えると俺より遊華が先の方がいい」


 髪型によるし、人にもよるが、男より女の方が時間が掛かる。遊華はロングヘアーで今は髪を括っているとはいえ乾かす時間は掛かると思う


「そういう事なら先に上がるね」

「ああ」


 遊華が上がったのを見届けた俺はふと考える。


「遊華のヤツ胸デカかったんだな」


 遊華の胸の事を。俺だって健全な男子だ。女性の身体に興味はあるし、彼女だってほしい。ただ、今俺が置かれている状況がそれを許さないだけだ


「頼んだら揉ませてくれるかな?」


 これじゃあ変態だ!妹の胸を揉みたい兄がどこにいる!?いるよ!!ここに!悪いか!?シスコンじゃないけど、誘惑みたいな事されたら嫌でも意識するだろ?


「はぁ、最悪だ……俺はバカか」


 言った後で自己嫌悪。なんかもう、遊華と恋人になっちゃおうかなぁ?とか、親父の言ってたハーレム作っちゃおうかなぁ?とかバカみたいな事を考え始めたら終わりなくらいに自分が嫌になる


「後で親父のエロ本読み漁ろう」


 アホな決意を新たにし、遊華が完全に出た事を確認してから俺は風呂から上がった。風呂場で頭を過ぎった考えは出たら完全に消えていた


「あ、お兄ちゃん上がった?」

「あ、ああ」

「「…………」」


 なぜか無言になる俺と遊華。遊華はこれでもかというくらいに顔が真っ赤だ。俺は自分が大バカだと自覚してしまうくらいの罪悪感に支配されていた


「「あ、あのっ……」」

「「…………」」


 被ってしまった……恋愛小説や漫画じゃあるまいし、タイミンングが被って沈黙するなんて思わなかったし、空想の世界だけだと思っていたが、現実に起こると気まずいもんだな


「ゆ、遊華から先に言えよ……」


 レディーファースト。この言葉は一見便利に聞こえるだろうが、時と場所を選ぶ。例えば、都合の悪い時に使うと女性に都合の悪い事を押し付けるという事になる。まぁ、レストランとかでは女性をエスコートできる紳士的な奴の扱いを受ける事もある。あくまで俺の持論だが……


「い、いや、お兄ちゃんからどうぞ……」


 うん、知ってた。互いに譲り合うって予想できたよ。はぁ、しゃーない、俺から言うか


「じゃあ、俺から言わせてもらうな」

「うん……」

「風呂での事は忘れてくれ」

「うん……」

「俺の話はこれで終わりだ。次は遊華の番だが?」


 用件だけ伝えて遊華に話の主導権を譲る。無言で催促するよりも促がした方が話しやすいだろう


「あ、うん、私の話もお兄ちゃんと大体同じだよ。お風呂での事忘れてとは言わないけど、誰にも言わないでね」

「わかった」


 遊華も風呂の事を気にしていたのか。まぁ、俺は人の恥ずかしい事を他人に言いふらす趣味はない


「だだいま~」


 大浴場から美月が戻ってきた。ん?香月の姿がないが、どうしたんだ?


「おかえり、美月。香月の姿が見えないが、どうしたんだ?」

「香月ちゃんはお土産買ってから戻るって~」


 風呂道具を持ったままお土産を買うとはご苦労な事で。まぁ、俺も旅館を出る時に浩太と敬にお土産の1つでも買って行くか


「そうか、香月が戻るまでの間に荷物を整理しておくか」

「「うん!」」


 整理するって言っても来た時と荷物の量は大して変わらない。水着が新たに加わった事くらいか


「予想以上に早く終わったな」


 整理するまでもなかった。荷物は元々整理している方だったし、やって今出ている物や水着をバックに入れるだけだ。あれ?ひょっとして俺らって持ってきた荷物自体少ないんじゃね?


「ただいま」

「あ、香月ちゃん、おかえり~」

「おかえり、香月お義姉ちゃん」


 風呂道具と売店の紙袋を持った香月が帰ってきた。風呂道具持ったまま売店でお土産を買ってくるなんて事をよくできたななんて思う


「おかえり、香月」

「ただいま、遊」

「「…………」」


 昨日の騒動が原因か互いに無言になってしまった。やはり昨日の騒動は香月にとっても遊華にとってもどこか思うところがあるのだろう


「「…………」」


 俺と香月が無言になり、釣られて遊華と美月も無言になってしまった。一夜明けた今日だからこそ昨日の自身の行動を冷静になり、客観的に見る事ができるのだろう。


「はぁ……」

「「「────!?」」」


 溜息を吐いただけなのになぜか驚かれてしまった。遊華たちの表情を見るとどこか怯えているようにも見える。遊華はさっき俺と一緒に風呂に入っただろうが。問い詰めるような真似はしないって昨日遊華たちは言ってたが、それができなくなって接し方がわからなくなっているのか?


「過度な問い詰め方をしない限りは前と同じでいい」

「「「本当?」」」

「ああ、本当だ。このまま気まずいよりも今までと同じの方がいい」


 せっかくの家族旅行だ。気まずいよりは楽しい方がいいに決まっている。俺の勝手な要求で気まずくなるくらいなら俺が我慢した方が得策だ


「で、でも……」


 遊華の言いたい事はわかる。昨日は問い詰めるのは止めてくれみたいな事を言っておいて今日変えるのは変だって言いたいんだろ


「問い詰める前に俺の話を聞いて遊華たちが納得できなかったら問い詰めればいい」

「「「…………」」」


 再び無言になる3人。昨日の話を蒸し返すわけじゃないが、誰が悪いのかをはっきりさせるか


「そもそも、俺の普段の言動にも問題はあったが、遊華たちを焚き付けたのは羽月さんだ。本人は軽い気持ちで言ったかもしれないし、遊華たちが本当に実行するなんて思っていないだろう。だが、遊華たちは俺に対しての不満を溜め込み過ぎたんだろう?だから、今回の原因は焚き付けた羽月さんだ」


 いない人に責任を擦り付ける事はしたくないが、羽月さんが遊華たちを変に焚き付けなきゃこんな事にはならなかった。ま、俺たちで遊んだ罰だ。甘んじて受けてもらおう


「お兄ちゃん……」

「遊……」

「遊ちゃん……」


 3人とも軽蔑の眼差しを向けるかと思ったが、涙目で俺を見ている。何だ?俺は遊華たちを泣かせるような事をしたか?


「どうした?」

「ありがとう。お兄ちゃん」

「遊、ありがとう」

「遊ちゃん、ありがとう」


 なぜかお礼を言われたが、俺はいない人間に責任を擦り付けただけだ。お礼を言われるような事は何もしていない


「別にお礼を言われる事は何もしていない」

「遊、それでもだよ」

「そうかい。ま、そう言うなら素直に受け取っておくよ」


 遊華たちのお礼を素直に受け取って俺たちは朝飯を食べ、チェックアウトを済ませて旅館をあとにした。できる事なら元の世界に帰ってもこの面子で来たい。今度は仕事とか抜きにして


「さて、これからどこに行こうか?」


 香月が観光案内のパンフレットを広げながら俺たちに尋ねてくる。修学旅行みたいでこういうのいいな。とは言ったものの行く場所は決まってない。


「私は商店街に行きたいな~」

「私も」


 美月と遊華は商店街を希望した。俺は行きたい場所とかは特にないのでどこでもいいし、海はもう行き飽きた


「遊は?行きたい場所ある?」

「いや、特にない」

「じゃあ、2人の行きたい場所でいい?」

「ああ、いいぞ。それより、香月は行きたい場所ないのか?」

「私も商店街に行きたい」


 香月の行きたい場所は遊華と美月と同じってわけか……


「じゃあ、商店街でいいぞ」


 旅館でお土産を買ってないが、商店街なら何かいいものが見つかるだろ。主に親父や羽月さん、敬や浩太への嫌がらせの品が


 旅館から歩いて数分後、俺たちは商店街に到着した。さすが、観光地なだけあってどの店も賑わっている。


「お?木刀あるな」


 俺は商店街に入ってすぐの店に木刀が置いてあるのを見つけた。別に探していたわけじゃないが、木刀はすぐに見つけてしまう。観光地の商店街では珍しい事じゃないと思うのは俺だけだろうか?


「お兄ちゃん……」

「遊……」

「遊ちゃん……」


 呆れた目で見るな。仕方ないだろ?見つけちゃったもんは。俺だって望んで見つけたわけじゃないし、探してもいない


「そんな目で見るな。見つけたくて見つけたんじゃない。たまたま目に付いただけだ」

「「「ふ~ん」」」


 信用されてない。今後は遊華たちとの接し方を少し考えようかな……唐突で悪いが、俺の彼女の条件が今、1つ浮かんだ。彼女にするなら全部とは言わんが、少しは俺の言う事を信用してくれる人を彼女の条件に入れておこう。

今回は遊と遊華たちが気まずくなる話でした。

夜のテンションや2人きりのテンションってどうして人を大胆にさせるのだろう?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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