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朝風呂ならぬ朝ヤンデレな遊華を扱う件について

今回は朝からヤンデレ遊華

遊に問い詰める事はしないようにするだけで遊華のヤンデレは消えてませんよ

では、どうぞ

 昨日、一昨日と濃密な1日を過ごし、今日こそは何事もなく観光し、家に帰れる。俺はそう信じている。さすがに今日は観光するだけだから何かが起こるなんてないとは思うが、油断はできない


「今日は観光するだけだからなぁ……何もないといいが、昨日と一昨日がなぁ……」


 昨日と一昨日がいろいろあり過ぎて疑心暗鬼になる。それ程までに疑り深い俺もどうかしてると思うが、疑わずにはいられないのが人間である


「お兄ちゃんは疑い過ぎ!今日()何もしないよ!」


 昨日一件以来、遊華は今までの事を隠す様子も反省してる様子もなく、ただ俺が疑い過ぎだと言ってきた。まぁ、あくまでも反省してる様子が見て取れないだけで本人は反省してると思うが……


「出来れば旅館中はずっと何も騒動を起こさないでほしかった」


 旅行の思い出話としてはネタに事欠かないんだが、旅行中はたまったもんじゃない


「お兄ちゃんはそんな事言うんだ?私からの愛情なんかいらない?私はお兄ちゃんが好き大好き愛してる。だけど、お兄ちゃんは私からの愛情なんかいらないんだね?はぁ、嫌になっちゃうな。お兄ちゃんに愛されないなら私がこの世界にいる意味なんてないよね。はぁ、死にたい……お兄ちゃんに嫌われたら私生きていけない生きていたくない」


 遊華はいつもと同じく目に光のない状態になったが、いつもと違うのは問い詰めるのではなく、考え方がネガティヴになっている事だ。前からそうじゃないかなぁ〜って思ってたけど、遊華はヤンデレだ。今更かもしれないし、認識が遅すぎるかもしれない


「ご、ごめん!遊華からの愛情いる!スゲー必要!嫌いになったりしないから!だから、死ぬな!」


 身内に死なれると目覚めが悪い。まして遊華は人気声優だ。俺のせいで死なれたら世間からのバッシングはもちろん、遊華のファンから俺が刺されかねない


「本当?お兄ちゃんは私が必要?私からの愛情いるの?」

「もちろんだ!」

「やったぁ!」


 あっという間にいつもの遊華に戻る。前は束縛系のヤンデレで今は依存系のヤンデレ。例えるならこれが1番しっくりくる。今なら俺、遊華のヒモになれんじゃね?


「遊華、1つ聞きたいんだがいいか?」

「うんいいよ」

「俺がもし、養ってくれって言ったらどうする?」


 我ながらバカみたいな質問をしたと思う。兄が妹のヒモになったら?なんて答えは嫌しかない


「いいよ。その代わり――――」


 いいのかよ……だが、その代わりの後が気になる


「その代わり?」

「お兄ちゃんは常に家にいるか、私の仕事先に付いてくる事。あ、あと他の女とは話さない、他の女は見ない。それが条件ね」


 養ってくれる代わりが俺の女性との接触禁止。家に常にいるのは今と変わらない。女性との接触禁止は別に俺にはあまり関係ない。女性との出会い自体少ないし


「聞いといてなんだが、俺が常に家にいるのは今と変わらないし、女性と話さない、女性を見ないってとこは俺に出会いがないから話す女性と見る女性がいないんだが」

「それでも、私はお兄ちゃんが私以外の女と話てるのを見るは嫌だし、他の女を見てるってわかったら頭が狂いそうになる。最悪の場合はその女を殺すかもしれない。相手の女を殺した後はお兄ちゃんを監禁して外に出さない。私はそんな事はしたくないんだよ」


 満面の笑みで恐ろしい事を言う遊華。マジでやりそうだから怖い。昨日の騒動でヤンデレが治ったかと思ったが、治ってなかったんだな


「ま、まぁ、例え話だからあんまり深く考えるな。俺は今のところ養ってくれって言う相手がいないんだし」


 遊華がマジになる前に例え話だからと念を押しておく。遊華の考え方を聞いたら例え話にせずに話を進めると大変な事になりそうだからな


「うん、わかった」


 俺の言う事をあっさり納得した遊華だが、大丈夫だろうかと心配になる。


「ところで香月と美月は?」


 話を変えんばかりに香月と美月が今、どこにいるかを聞く俺。家族ならさっきの例え話を本気にするわけじゃないが、遊華に襲われる心配はないだろう


「2人とも朝風呂に行ってるよ」

「そうか、で?遊華は行かなくてよかったのか?」

「私?私も朝風呂は入りに行くよ?」


 なんだ遊華も入りに行くのか。って事は俺1人になるな。まぁ、俺は2度寝でもするかな


「そうか、行ってら」


 俺は再び布団に入り、2度寝する。昨日と一昨日は時間に制約があり、2度寝する暇すらなかったが、今日は観光してから帰宅するだけなので2度寝しようが、関係ない


「何言ってるの?お兄ちゃんも入るんだよ」


 掛け布団を俺から奪いながら、とんでもない事を言ってのける遊華。おい、俺はそんな事は聞いてないぞ


「遊華、それ初耳なんだけど?」

「うん、今言ったからね」

「一応、聞くが、俺も一緒に入らなきゃダメ?」


 大体の答えは予想できるが、あえて聞く!15の俺と24の遊華が一緒に風呂に入る事自体が間違ってる。


「もちろん。じゃないと私が1人で部屋に残った意味がなくなるからね」

「意味?」


 遊華が1人で部屋に残った意味って何だ?防犯か?


「香月お義姉ちゃんと美月お義姉ちゃんを出し抜いてお兄ちゃんに意識させる。これが私が1人で残った意味だよ」


 防犯かと思ったが、遊華は香月と美月を出し抜く為だけに残ったらしい。


「防犯の為だと思ったんだが……」


 もう喜んでいいのかどうかすらわからない。今願うのは遊華たちが喧嘩をしませんように。ただ、これだけだ


「お兄ちゃんは私とお風呂は嫌?」


 涙目で見られたら俺は嫌じゃないって言うしかない。涙は女の武器とはよく言ったものだ。本当にズルいと思う


「嫌じゃないぞ。ただ、恥ずかしかっただけだ」

「そう、ありがと」


 ハニカミながらお礼を言ってくる遊華を見て俺は妹と女性に甘いんじゃないかと不安になる。やっぱり、言うべきところはきちんと言わなきゃいけないと思う


「だが、俺と入る時は水着着用だぞ」

「わかってるよ」


 遊華は頬を膨らませているが、念の為に言っておかないと取り返しのつかない事になりそうだ。そうなったら俺が泣き、遊華は喜ぶだろうが、俺はこの世界で一線を超えるつもりは誰ともない


「朝風呂を部屋で入るのはいいが、遊華と一緒に入る事になるとは思わなかった……」


 遊華を先に風呂に行かせ、俺は水着に着替えながら1人この旅行であった事を思い返す。家にいる時から過激な行動を時々していた遊華たちだが、強引にキスされるとは思わなかった。


「家に帰ったら資料を読み返したりしないといけないな……」


 この旅行で記念写真を撮った。つまり、俺は目に見えてわかる未来に来たという証拠を手に入れてしまった。それを過去に持ち帰っても平気かどうかを確かめなきゃいけない


「待たせたら悪いか……」


 資料がない今、俺が10年後に飛ばされた事について考えても仕方ないし、遊華を待たせたら悪い。着替えを早く済ませて遊華の待つ浴室に入る


「遅い!」


 ドアを開けた先にはプリプリと怒る遊華がいた。俺はそんなに着替えに時間は掛けてないはずなんだが……ま、湯船に浸かって怒られても怖くも何ともない。可愛いだけだ


「ゴメンな」


 遊華に一言謝り、身体を流して湯船に浸かる。大浴場もいいが、部屋で入る朝風呂ってのもいいもんだな


「撫でてくれたら許す」


 遊華は俺に擦り寄って来て頭を俺の肩の上に置く。他人から見れば恋人同士に見えなくもないんだろうが、俺と遊華は兄と妹だ。年齢は逆転してるが……


「髪、濡れても文句言うなよ……」

「言わないよ」


 香月と2人で入った時もそうだが、軽口の1つでも叩かなきゃやってられない。遊華たちで最近は慣れてはきたが、それ以前は女性と関わる機会がなかった俺は女性に泣かれたり、お願いされたらどうしていいかわからなくなる時がある


「遊華はいつからこんなに甘えん坊になったんだ?」

「お兄ちゃんがいなくなってから」

「その前は?」

「好きな人に好きって言えない素直じゃない子。いなくなってから始めて素直になればよかったって思う」


 冷やかしのつもりで聞いたらガチな答えが返ってきた。好きな人に好きって言えない……か。俺は誰が好きななんだろう……


「ま、人間時には恥ずかしくても素直にならなきゃな。素直に想いを伝えたい相手がいなくなってからじゃ遅い時だってある。まして、相手が死んでたら尚更な」


 例えば、俺とかな。10年前に母さんにいつもありがとうって1度でも素直に伝えていたら今頃は後悔しなくてもよかったかもしれない


「うん……伝えるついでにいい?」

「あ、ああ」


 遊華は俺から離れ、俺の首に両腕を回して抱きついてきた


「遊……好き……大好き……愛してる」


 遊華は俺をお兄ちゃんとは呼ばず、遊と呼んできた。過去に遊と呼ばれたが、その時は携帯の契約で駅前に出た時だったなぁ


「遊華……」


 こんな時に気の利いたセリフの1つでも言えたらいいんだろうが、人生経験が足りない俺は名前を呼ぶしかできない


「遊は誰にも渡さない遊は私だけのもの……そう、これからずっとずっとずっとずっとずっとずっとずーっと私だけの遊……私から遊を奪う奴は許さない遊の全ては私のもの頭の先から足の先まで髪の毛1本だって渡さない爪の垢だって渡さない遊を独占していいのは私だけ」


 朝で何もないのに遊華のヤンデレが発動しているのはどうしてだろう?俺もしかして遊華のヤンデレスイッチ押した?


「ゆ、遊華、落ち着け」


 抱きついている遊華を引き剥がす事も考えたが、遊華の力が強くて諦めた。代わりに遊華をこのままの状態で元に戻す


「私は落ち着いてるよ?フフッ、変な遊」


 艶やかな笑みを浮かべる遊華に一瞬、ドキッとしたが、今に限って言えば、遊華がヤンデレになる意味がわからない


「変でも何でもいいが、抱きつかれて独占欲出されたら怖いんだよ。遊華の愛情は嬉しいがな」


 遊華がネガティヴにならない方法で自分が伝えたい事を伝える。人に何かを伝える事の大変さと大切さを朝風呂に入って学んだ






今回は朝からヤンデレ遊華でした

問い詰めるのが少なくなった分、ネガティヴになったかなぁ

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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