貰った鍵で➁
君の心の扉・・・。
閉店間際、確変(パチンコで次の大当たりが確定しいる状態)のお客さんの台をチェックし、インカムで台番をあげる。
閉店20分前になると、確変中のお客さんに声をかける。
「お客様、間もなくお時間ですので」
のち閉店の音楽と共に、お客さんの所に行き、バッテンを両手で作り遊戯終了を知らせる。
「確変保証させていただきます」
私は専用の軽量皿に保証分の球をのせ、アタッカーに玉を流し込む。
すると、大当たり一回分の球が払い出しされる。
出玉の入った3箱ぐらいは両手に持って運ぶが、箱の数が多いときは、台車に箱を乗せ計数機(出た球を数える機械)まで運ぶ。
各箇所で、ざーざーと玉を流す音が聞える。
閉店名物である。
人気店は物凄く並ぶが、うちのお店はそこそこであった。
他には、ハンドルのトラブルなどで、玉が打ち出せずパンクしてしまった時など、事務所と連携して保証分の払い出しを行う。
「山本君5ラウンド分ね」
「はい」
インカムのやりとりの後、お客さんに説明をして保証を行う。
それから閉店時には、必ず全台ガラス戸を開ける。
これは、閉店後、店長たちが釘調整をする為である・・・ああ、また締めるのかなあ(笑)。
僕の心の鍵で開けてあげる。
なんちて。




