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ぱち屋バイトよもやま話  作者: 山本遊佑
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リニューアル

 期待に・・・。

 

 私が勤めるお店、アクセスがリニューアルされることなった。

 再オープンまで1週間、その間、長期休暇となるかもと期待した私だったが、そんなはずもなかった(笑)。

 大掃除、荷物の片付け、ミーティングとぼちぼちこなす作業はあった。

 が、やはりお客さん相手の仕事、作業量も

そんなになく、暇なことこのうえない。

 風除室倉庫の研磨機置き場で、機械を綺麗にしたり、メダルを拭いたりとしながら、同僚と話すのはこれからのこと、

「いつまでバイト続ける?」

「そろそろ、しっかり定職に着かないとなぁ」

「職安とか行きよる」

「いっちょん(全然)、いっとらん」

 パチンコバイトは、イメージ通り、人の出入りが激しい。

 私が勤めて半年以上、多くの人がここを旅立った。

 近い内、私もと思いながら、居心地の良いこのバイトに満足もしている。

 

 そんな中、副店長から、

「社員なってみない」

 と、軽い口調で言われた。

「いえ、ちょっと」

「そっか」

 私の言葉に副店は察してくれた。

 どうやら自分の真意はそこまでと思っているようだ。

 世間体とか、気にしないなら、この仕事アリアリのありなのだが。

 

 それから内装の工事がはじまると、流石に休みとなる。

 同僚と勉強といいつつ、離れたパチンコホールで一勝負などしながら2、3日を潰す。

 工事が終わると、大量の新台設置と元々あった台の再設置、試し打ちなどに追われる。

 パチンココーナーには、一シマ新台の目玉「CRぱちんこ水戸黄門」が設置され、スロットコーナにも吉宗の後継機として颯爽と登場して、徐々に人気を博していた「押忍!番長」が増台され、着々とリニューアルオープンが進んだ。

 新しい内装、照明に、データーランプ、サンド、マイクも一新される。

 そして交換率の変更が告げられた(等価から少しレートが落ちた)。


 当日には、はじめて見るお客さんの数、いつも朝の並びは10名も満たないのに、100人以上の方が並ばれ、このリニューアルに期待しているようだ。

 12時、オープンのこの日、多くのお客様が期待され訪れた。

 開店から熱気はムンムン、スタッフにも熱が入る。

 私もマイクを駆使し煽る煽る(笑)。

 だけど、思いのほか、出玉で魅せる事が出来ない。

 鈴なりのお客さんも次第に減っていく。

 期待外れ・・・そんな顔がありあり。

 やったのか(笑)。たまたまか。

 

 今思えば、このあたりから、さらにお店の凋落がはじまったかと思う。


 胸が膨らむリニューアル・・・も。

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