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ぱち屋バイトよもやま話  作者: 山本遊佑
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貰った鍵で➀

 鍵のおはなし。


 遊佑が手にした鍵は、盤面を覆うガラスを開ける鍵だった。

 この鍵はお客様のトラブル対応、出玉保証または閉店時に使う。

 営業中でお客さんが盤面釘にブドウ玉詰まりを起こした際、ガラス扉を開き盤面の釘に乗っている玉を解除する。

 このブドウは、釘が締まっているとよく起きる現象で・・・釘の調整はグレーゾーンだけど、まあ、釘調整をしないとお店の営業が成り立たないのが常識とされている。

 まあ、ぺーぺーの私はそんな事はどうでもいい。

 中小のパチ屋で、釘締めは常套手段であるけど、まあ、そんな訳でうちのお店結構、頻繁にブドウが起きていた。

 ランプで知らせてくれるお客様はいいが、そのまま打たれている方も・・・スタートチャッカー付近にブドウが出来ると、釘の障害がなくなり、無駄球なしにデジタルが回転させることが出来るので、お金いらーず、まぢお得なのである。

 まあ、当然NGで事務所のホルコン(ホールコンピューター)のデータを見れば、一目瞭然で、イヤホンに指示が入る。

「山本君、○○番台、見て」

「了解」

 ペーペー私が現場に向かうと、まあ巨大なブドウが盤面を覆っている。

「お客様、玉詰まりを解除させていただきます」

「あーん、いいよ、しなくて」

「ルールですので」

「チッ」

 という訳で、背中に刺すような視線を感じながら、ガラス扉を開ける。

 バラバラバラっ!

 銀玉が勢いよく四方八方、床に散らばる。

「すいません」

 と、盤面の球を解除し、スタートチャッカーに数個の球を入れ、扉を閉め、棒磁石で床に落ちた銀玉を拾い集めます。

「あーあ、調子狂うぜ」

 とお客さんの悪態を背中に受け、心で凹み、顔は笑って業務に戻ります。



 ゆうすけはひとつしごとをおぼえた。

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