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のぼり
のぼりの。
閉店間際になると、外に出してあるのぼり旗を回収する。
のぼりに書かれているのは、店名や機種、「地域一番店」「新台導入」「大爆発中!」「ばさらかでるばい」なんてよく見るヤツだ。
夜、ネオン輝くパチ屋の入り口を出ると、吐く息も白い。
見あげれば、星空に満月なんて世界に浸る訳もなく。
のぼり旗はコンクリの台座にパイプの穴があり、そこに刺している
私は機械作業的に次々と10本以上あるのぼり旗を回収していく。
「いたっ!」
不意に、何かに刺されたかのような傷みを感じた。
「・・・?」
なんだろうと、旗を持ち直すが、突き刺す傷みはおさまらない。
見えないプラスチック繊維でも刺さったのだろうか。
疑問は解決せぬまま、傷みに耐えながら旗を回収し終える。
本当にあの時、チクチクと痛かったんだよなあ。
痛い思いで。




