4話 「愛事」
裸体に染まる私。
さっき初めて会ったばかりのあなたに、私は身体を捧げるの。
何?この興奮?
何?この緊張?
何?この・・・背徳感。
そして、心の奥底に蠢く優越感。
私は、あなたに従う。
私は、あなたに応える。
私の為に、あなたの為に、私は私の身体を預けるわ。
懇願する私。
嘆願する私。
二人の為に。
心待の時間。
恋慰の時間。
奉仕の時間。
求索の時間。
至福の時間。
従順の時間。
心音の時間。
吐息の時間。
喜悦の時間。
満悦の時間。
愉悦の時間。
喜気の時間。
喜憂の時間。
愛楽の時間。
愛玩の時間。
愛戯の時間。
愛重の時間。
愛心の時間。
愛念の時間。
愛納の時間。
愛撫の時間。
愛慕の時間。
愛養の時間。
愛恋の時間。
恋尽の時間。
情思の時間。
情実の時間。
情調の時間。
蓬頭の時間。
抱擁の時間。
熱情の時間。
愛育の時間。
情欲の時間。
愛欲の時間。
真実の時間。
充実の時間。
私は捧げた。
私に捧げた。
あなたは捧げた。
あなたに捧げた。
この事を知った大人はどう思うかな?
蔑む。
見下す。
卑しめる。
見下げる。
大半の人がそう思う。この事を知ればそう思う。大体、登校拒否ってだけでも、世間的立場は狭い。それだけでも陰口を叩かれる。それだけでも冷たい視線を送られる。そして、そこに引きこもり・・・更に立場は狭い。更に陰口を叩かれる。更に冷たい視線を送られる。そして、そこに追い打ちのように、ネット上からの出逢い。そこから不品行な行為。
完全に立場は狭い。
完全に陰口を叩かれる。
完全に冷たい視線を送られる。
ただ、それは露呈した時の話。
ただ、それは露見した時の話。
ただ、それは発覚した時の話。
絶対秘密。
絶対機密。
今は私だけの物。
今は私だけの時間。
今は私だけの世界。




