74.皆でラブラブ
「それで、婚約発表にまでなったのは?」
「ティアが陛下に報告に行くと言ってからはもう目まぐるしかった、陛下が妃殿下にも知らせてすぐに婚約が認められた」
「その後は陛下がついでに婚約発表もしてしまえばいいと言って、エリー様もノリノリで決まりましたわ」
「誰も反対しないのだから、驚いた」
「王家はティアのことを家族のように思っているからな。婚約発表してしまえば、王太子殿下を狙っているなどと言われなくなる。だから急いだのだろう」
「そうか。あまりにも急だから驚いていたが確かに」
「カイル兄さまが早く婚約者を決めないせいですわ」
「怒るな。俺は結果的に早く決まってよかったと思ってるよ」
「まあ。そうよね、可愛いティアちゃんが婚約者になったのだものね」
「メイ。でかしたぞ。私もうまくいけばいいと思ってはいたがこんなに早く事が進むとは思っていなかったぞ」
「息子のことより、ティアが娘になることの方が嬉しそうだな」
「ティアは3歳のときから今も尚愛らしいのだぞ?私を見て懐く子供はティアぐらいだ」
「おじ様は初めて会った時からお優しいもの」
「イチャイチャするな」
「またメイが嫉妬してるわ」
お義母様が楽しそうだ。
あっ。そうだ。クッキーを手土産にしてたんだった!
「お義母様、こちら私が作りましたの。良ければお召し上がりください」
「まあ!早速いただきましょう」
「ティアが作ったのか?」
「これは、紅茶ね?美味しいわ!」
「おじ様にはこっち、コーヒー味ですわ」
「おお!甘さが控えられてるのか。うまい」
「はい。メイ様もどうぞ。あーん」
「っっっ!あーん」
「まあ!」
メイ様に先にあーんしたから、おじ様にも。
「メイこれぐらいで照れるな。まだまだだぞ」
「うるさい!」
「私なんて小さいティアを膝に抱っこしてあーんしてもらっていたぞ」
「あら。あなたまで」
「ああ。これはティアの普通だ。仲良くなると皆これだぞ」
「膝に抱っこ…」
「小さかったもの」
「よし、ティア俺の膝に」
「ええ?私もう重いわ」
「ティアは羽のように軽いぞ」
そんなこと言う人本当にいるんだ。
「さあ」
「じゃあ」
膝に乗る。ふむ。これは中々恥ずかしいな。
「…」
メイ様何も言わないけど?見上げてみる。
「っっっ!」
顔を片手で押さえてるけど顔が真っ赤だ。
「あらぁ」
「私に対抗したはいいが、あの距離でのティアは破壊力がすごかろう」
「メイ様、降りる?」
「降りなくていい!」
そう?不安定だな。首に手を回す。
「これはっ!」
「ティアちゃん、それはメイには刺激が強すぎるかもしれないわ」
刺激?
「フィオナ、無駄だ。ティアは無意識だ」
「無意識なの?これが」
「皆が小さい頃から可愛くて甘やかして子供の頃の癖をやめさせなかった結果だ」
「なるほど」
「ティアの普通だ」
「まあ。メイには強敵だわ」
「そのうち慣れるさ。慣れたらしてくれないと寂しく感じるぞ」
「それは殿方を繋ぎ止める新しい方法ね!」
「だが、普通はする方も恥ずかしいぞ」
「確かに。ティアちゃん恥ずかしくないの?」
「うーん。お膝に乗るのはこの歳なので少し恥ずかしいですが、腕を回すのは不安定だからですわ。お義母様もしてみてくださいな」
「まあ!そんなのしたことないわ」
「どれ」
お義母様をだきあげる。
「これは、恥ずかしいわ!それと確かに不安定ね」
首に手を回す。
「これは夫婦でも恥ずかしいぞ!ティア!」
「きっと慣れますわ。ねえメイ様?」
「中々慣れんぞ。きっと」
「ふふ。皆仲良しですわ」
レオおじ様とお義母様は元々仲が良さそうだけど、もっと仲良しになれそう!




