73.説明
「それで?どうして婚約までいったの?」
「「一目惚れだ(ですわ)」」
「え?」
「え?」
メイ様と顔を見合わせる。
「どうして2人とも驚いてるんだ?」
「「だって」」
「まあ。息ぴったり」
「ティアは俺の出した提案が良かったんじゃないのか」
「言ったでしょう?お顔が好みだって」
あら。真っ赤になった!ふふ可愛い。
「あら。メイ真っ赤ね」
「俺の提案が良かったのかと思ってたんだ!」
「何を提案したんだ?」
「この髪だし、辺境地になんて来てくれる令嬢いないし、ティアは社交界に出たくない。うちは、社交は免除されているし、王都に出てくるのだって稀だ。レイス殿下とだって恋人ではない。だから良い条件だろ?って」
「確かにな」
「その前に、俺と結婚しないか?って言ってくれたんですよ?」
お義母様が喜びそうな事も言っておく。
「まああああ!メイ!やるじゃない!」
メイ様顔真っ赤よ?ふふ。
「でもティアは一目惚れだったんだろう?」
「はい。レオおじ様に似ているお顔が好みなんですの。髪も私は好きですわ。瞳の色とで夜のお星様みたいでしょう?」
「私にか!ティアは可愛いな!」
と抱きしめられる。
「だって小さい時からレオおじ様大好きですもの」
「あら。レオと相思相愛じゃない!」
「父上!ティアから離れろ!何か父上に似てるって微妙だ」
「どうして?おじ様こんなに素敵なのに」
「ティア。メイは私に嫉妬してるんだ」
「?」
「ティアは私の顔が好きって言ったみたいなものだってことだ」
「?レオおじ様のお顔も好みですわ」
メイ様ががっかりしている。
「メイ、ティアちゃんはきちんと言ったじゃない。髪と瞳の色も好きだって。それはレオには無いわよ?」
「わかってるが複雑なんだ」
ふむ。
「初めはお顔に惹かれましたが、背も高くて、鍛えられている体型も素敵ですし、きっとお強いと思いますし、ダンスも上手ですし、なによりご令嬢から庇ってくれましたわ。庇い方も素敵で、」
「も、もういい。ティア」
いいの?
「破壊力がすごい」
撃沈している。
「で、メイはティアちゃんのどこに一目惚れしたの?」
お義母様容赦ない。
「綺麗で、笑うと天使みたいに可愛いし、髪色なんて気にもしないぐらい優しい。考えれば考えるほど運命な気がした」
「私の思った通りになってよかった」
「まあ。おじ様こうなると思ってましたの?」
「いや、ティアはわからんがメイが一目惚れするのはわかっていた」
「ええ?それで俺をティアのデビュタントへ行かせたのか?」
「ああ。メイじゃないが、ティアはメイの運命の相手ではないかと思っていた」
「お父様もそんなこと言っていたわ?メイ様しかいないって」
「そうか。キース殿も。それで、婚約までが早かったのか!お前、ティアとレイス殿下のやり取りは見たのか」
「ああ」
「嫉妬せずにおれるのか?私にもするのに」
「ああ。だって子供の時からずっと一緒なのだから仲がいいのは当たり前だ」
「あれを見て、そう思えることがすごいな」
「そんなに、仲良しなの?」
「ああ。まるで恋人同士だ」
「レイス殿下にもそう言われたがよくわからん」
「普通は嫉妬するぞ?自分以外の男がべったり引っ付いてるのだから」
「だって恋人でもないのだから、嫉妬しないだろ。レイス殿下以外はわからんが」
「レイだけ許してくれたらそれでいいわ。レイは特別だもの」
「お前、これ聞いても何とも思わんのか?」
「思わん」
「わからん。ティアと殿下の関係もわからんが、お前もわからん」
「あら。メイはティアちゃんを信頼してるだけだわ」
「レイス殿下もそう言っていたな。ティアとレイス殿下どちらも恋人では無いというんだから、心配いらんだろ?」
「やはり、お前とティアは運命なのだろうな」




