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転生したけど好みは変わらん!  作者: あやとり
69/96

69.挨拶

「セイクレッド辺境伯家が嫡男メイナードと申します。順序が前後して申し訳ありません」

「コールド侯爵夫人、リアーナですわ。ご丁寧にありがとう存じます。ティアが無理を言ったのでしょう?」

「あまりの早さに驚いたのですが、結果的に良かったと思っています」

「ティアが望んだのだから、私は賛成よ?でもセイクレッド辺境伯夫妻とお会いしていないし、ご挨拶はどうしましょう」

うーんとお母様が悩んでいる。

「お母様、メイ様が帰るとき私が先に行っちゃだめ?」

「あら、それは良いわね!メイナード様どうかしら?」

「ティアも?遠いぞ?いいのか?」

「辺境伯領も見たいの。ダメ?」

「駄目なはずがない。一緒に行こう」

「やったわ!レオおじ様にも会える」

「父上喜ぶぞ!絶対!」

「先触れを出しておこう」


「あとね、メイ様に会ってほしい子がいるの」

「?」

「スノウ!」

『ティア、その人?』

「そうよ。メイナード様。メイ様こちらスノウといいます」

「これは…もしや、精霊様では?」

「メイ様知ってたの?」

「知ってたもなにも、ジェット!」

真っ黒なライオンが現れた!


「まあ!スノウの色違い?可愛い!」

『娘。私の子を育ててくれて感謝する』

「スノウのお母様?」

鬣あるからお父さんかな?

『私達精霊に雌雄はないぞ』

そうなんだ。

もふもふする。この世界のライオンは前世のライオンよりふんわり、もっふりしてる。

可愛い。もっふもふ

『ずるい』

スノウがきたので、両方もっふもふする。癒やされる。


「辺境に行くなら一緒に行くから、メイ様にも紹介しておこうと思ったの。でもそちらの森にもいるのね?」

「そうなんだ。ジェットは森で見つけた。今も森で魔物退治を手伝ってくれてるんだ」

「そうなの?ここにいるけど大丈夫?」

「少しの時間だし大丈夫だ」

『メイに呼ばれたから来たが、すぐ帰れるから大丈夫だろう』

「スノウはコールド領にいたのだけど、コールド領で生んだ?の?」

『ああ。あそこは元々精霊がいた所だから環境がいいんだ』

「そうなの?それで生んですぐ辺境へ?」

『元々辺境にいたからな。生むときだけそちらへ行ったんだ。辺境は危ないからな』

「他にも精霊様はいるの?」

『いる。数は少ないがな』

「でも、辺境にスノウの親がいるなら森でいてもスノウ寂しくないね」

『スノウの親はティア。ティアのそばにいるから森には行かない』

「ということなんだけど、連れていて大丈夫?」

「ああ。うちは辺境の田舎だが屋敷はでかいからな」

「だって。スノウ」

『メイナードと結婚していいよ』

「光栄だ」


「誰にも反対されなかったね」

「あっさりすぎて驚いてるぐらいだ」

「あっ!またお祖父様にも会ってくれる?お祖父様も心配してくれてたの」

「ティア、皆が心配してたんだな」

「私は結婚できなかったらしなくてもいいかなー。って思ってたんだけど、皆は結婚して欲しかったみたいでね。だから急とはいえ大喜び」

「まあそうだろうな。可愛い娘が領地で籠ってるなんてと思うんだろう。それなのにデビュタントでいきなり婚約するんだから」

「だってもう社交界出る気全くなかったんだもの。メイ様と婚約したからもう出なくて済む大義名分ができたわ」

「そのために婚約したようにしか聞こえんが、まあいいか」

「そんなことないわよ?見た目が好みだもの」

一目惚れってやつ?

「っっっ!かわいい!」

ガバリと抱きしめられる。

「言われ慣れてないから、衝撃がすごい」

「これからは慣れるわね。ふふふ」

「ぐぅぅぅ」

唸ってる。かわいい。

まさかのメイナードにも精霊がついていました。黒いもふもふライオン。

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